TBS 過去のハラスメント対応を謝罪 社員が番組出演者から被害も「対応が不十分」「深く反省」
2025年4月25日(金)15時5分 スポーツニッポン
TBSテレビは25日、「芸能関係者と当社社員の関係調査についてのご報告(追加)」について発表した。
TBSは、TBSグループ人権方針に則り、これまで芸能関係者とTBSテレビ社員との会食等をめぐる実態を把握する調査を実施。調査の結果、同社社員が参加した芸能事務所が主催する会食等で参加者から不適切な言動があった事実は確認していないこと、また、同社社員が不適切な目的で会食等を設定した事実も確認していないこと等を、2月21日に報告していた。
その後も引き続き調査を行い、アナウンサーを含む同社社員、役員、退職者から聞き取り調査を行ったところ、過去の事案で、番組出演者の当社社員に対するハラスメントについて同社の対応が不十分であった事案を確認したとした。
確認された事案としては、以下の通り。
・約25年前、同社のアナウンサーが番組出演者から収録の際に舞台袖で身体接触の被害を受けた。当該アナウンサ一は直接やめてくださいと伝え、その場にいたスタッフが注意したが、出演者の態度はその後も変わらなかった。
・約20年前、同社のアナウンサーが番組出演者に食事に誘われ、交際を迫られた。当該アナウンサーは上長らに被害を訴え、対処を求めた。責任者が当該出演者を口頭で注意したが、降板等の措置は取らず番組出演は続いたため、被害を受けたアナウンサーは同社の対応に強い不満を持った。
・約15年前、同社の複数のアナウンサーが番組出演者からスタジオで身体接触の被害を受けたが、適切な対応がとられなかった。
・約15年前、番組の懇親会で、当社のアナウンサーが番組出演者からキスを求められ、困っていたにもかかわらず、その場にいたプロデューサーら番組関係者はこれを止めなかった。
TBSは上記の事案に適切に対応できなかった原因として、当時、ハラスメントに対する認識が不足しており、研修や相談の体制なども不十分だったことを挙げた。被害を証言した一人は「昔だから仕方ないという考えはやめていただきたい。心の傷となって、話すまでかなり時間がかかりました」と話したという。TBSは「こうした声を重く受け止め、当社が社員を守れなかった事実を深く反省し、被害を受けた方々にあらためてお詫び申し上げます」と謝罪した。
今後の取り組みとして、現在実施しているハラスメント講習や、ハラスメント事案が発生した場合の通報に関しても、「TBSホットライン」「ハラスメント相談窓口」を設け、相談しやすい環境を整えているとしたうえで、「通報体制に関しても社内の周知徹底を行い、対策を強化してまいります」とした。
そして「今後、新たに公表すべき重大なコンプライアンス違反の事案が確認された場合は、速やかに公表いたします。当社社員は真摯に日々の業務に邁進しております。SNS等での誹謗中傷や憶測に基づく投稿などはお控えいただきますようお願いいたします」と結んだ。