茂木健一郎 朝が苦手な人ほど“報酬”を作ると良い!? “自然に起きられる脳の使い方”を伝授
2025年4月25日(金)6時0分 TOKYO FM+
そのスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」が、TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」にて配信中です。
この番組では、リスナーから寄せられたお悩みに対し、茂木が脳科学的な視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
4月19日(土)の配信では「朝起きるのが苦手」というリスナーの相談に答えました。

パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
私は朝起きるのが苦手です。5分おきにアラームをセットしていますが、毎日ギリギリの時間に起きてしまいます。
ただし、楽しみなイベントがある日や、早起きが必須の日は、目覚ましなしでも起きられます。やはり、これは意識の問題なのでしょうか?
<茂木の回答>
楽しみなイベントがあるときに自然と目が覚めるのは、脳にとってそれが“報酬(リワード)”になっているからなんです。報酬があることで「起きる」という行動が強化される。これを“強化学習”と呼び、実は現代のAI(人工知能)もこの仕組みで学習しています。
脳内では、神経伝達物質であるドーパミンが「楽しいことが待っている」と感じたときに分泌され、起きることを後押しします。
例えば、翌朝にお気に入りのコーヒーやチョコレートを用意しておくと、「朝起きるのが楽しみ」という報酬になって、自然と目が覚めるようになるんです。
また、もう1つの方法として「強制」があります。電車や飛行機に乗らなければならない時など、どうしても起きる必要がある状況では、人は必ず起きられる。
逆に言えば、5分おきにアラームをかけていても起きられないのは、“報酬もなければ強制もない”、つまり“余裕がある”状態だからなんです。
相談者さんもギリギリには起きられるわけですから、それは“強制”によるものですね。アラームを無視して、うとうとするのは、「その状態が心地いい」という脳の反応でもあります。
そこで私の提案は、“朝に楽しみなイベントを作ること”。私の場合はコーヒーとチョコレートを用意しておくのが習慣です。
また、起きたらすぐに自然光を浴びることも重要です。太陽光によって脳の光受容体が刺激され、覚醒が促されます。
この「報酬」と「光」のダブルアプローチで、より快適に朝を迎えられるようになるでしょう。
強制で起きることも悪くありませんが、それを報酬に変えると、毎朝がもっと前向きに変わります。自分自身のための“朝のごほうび”を、ぜひ作ってみてください。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/11745