堂林翔太と、広島カープの「マイ王子」たちに愛をこめて

4月26日(木)11時0分 文春オンライン

 4月23日に堂林翔太選手が登録抹消されました。外野守備も板に付いた今季は、持ち前の強肩と俊足で守備固めや代走として貢献。かつてレギュラーだった頃はダントツの三振王でしたが、今では打席で粘りを見せて簡単に凡退しませんし、バントも確実に決めるなどの進化を見せてくれましたが、やはり外野手は打ってナンボ。打率.231と奮わぬ打撃成績がネックとなったのでしょう。鈴木誠也選手が復活し、カープ外野枠はますます狭き門で堂林選手の前途は多難と言わねばなりません。


 しかし、それでも私たちカープファンは堂林選手が大好き。なんてったって彼は「鯉のプリンス」です。プリンス、すなわち王子様。思えば昔から日本人は王子様が好きでした。先進国では数少ない本物のプリンス(皇太子、宮様)がいる国ですから当然かも知れません。「角界のプリンス」「政界のプリンス」「演歌界のプリンス」……とあらゆる業界にプリンスがいて、球界では日ハム入りの斎藤佑樹投手が「ハンカチ王子」として一世を風靡したのは記憶に新しいところ。その影響はカープにも及び、同名異字の齊藤悠葵投手が「赤いハンカチ王子」と呼ばれたりしたほどでした。


 かく言う私も王子様が大好きで、日頃から密かにマイ王子を探して『〇〇王子』と命名して楽しんでいます。ここでカープのマイ王子を何人かご紹介しましょう。


私が名付けた「王子」たち


「リンゴほっぺ王子」


 誰かというと鯉のプリンス・堂林翔太選手。テレビをご覧の方はお気づきでしょうが、いつの間に彼のほっぺが真っ赤っかになっています。元々少し赤味の差した頬が可愛らしかった堂林ですが、今季はほんとに真っ赤です。まさにリンゴほっぺ。師匠・新井さんに倣って決行した護摩行の影響……かどうかはわかりませんが、リンゴが赤くなるのはアントシアニンの働き。視力に良いと言われるアントシアニンが、リンゴほっぺ王子の打撃に好影響を及ぼすことを期待しています。



外野の守備固めや代走として貢献していたが、23日に登録抹消となった堂林翔太 ©文藝春秋


「一重王子」


 昔から二重まぶたが美男美女の条件と言われてきました。カープでは野村祐輔投手がくっきり二重で、なるほど確かに二重まぶたはカッコイイと思います。しかしながら一重まぶたにも独特の魅力がありますよね。例えば「切れ長一重まぶた」の仏像は、東洋的な神秘、人智を超えた超能力を感じさせます。


 今のカープで完璧な一重まぶたといえば鈴木誠也選手と薮田和樹投手が双璧ですが、特に薮田の一重は美しいです。身長188cm、体重88kgの恵まれたフィジカルだけでなく、薮田投手の一重まぶたには神秘の力が宿っています! ……いや宿ってるような雰囲気がありますよね。今はちょっと制球難に苦しんでいますが、一重王子は人知を越えた東洋の神秘パワーで復調するでしょう。大丈夫。




「内乱で国を追われた流浪の王子」という妄想


「雰囲気王子」


 雰囲気王子とは何かというと「なんか王子っぽい」という雰囲気をまとっているふわっとした定義の王子です。カープで言えば庄司隼人選手です。ご存知イケメンで文句なく美男子ですが、そこはかとなく漂うのは逆境感。力を付けてきた庄司選手は3年連続で開幕一軍枠に入りましたが、シーズンの始めはローテ投手がまだ登録されておらず、その空いた枠にギリギリ入っている感じです。今年も試合数の消化とともに抹消されてしまいました。


 私の妄想では庄司選手は内乱で国を追われた流浪の王子です。様々な逆境、刺客やスライムやドラゴンと戦って実力を蓄え、いずれは凱旋帰国する予定です。今はまだ映画やゲームで言うとピンチのシーンなんですね。そう思うと庄司選手にはマントや甲冑が似合うように思えてきたでしょう? 庄司のバットが伝説の剣に変わる日もたぶん遠くありません。



 いかがですか、マイ王子。こんな妄想を巡らすこともプロ野球ファンの醍醐味、楽しみ方のひとつだと思います。そして忘れてはいけないのは、王子はやがて王になる可能性を持っていると言うこと。カープの王子たちが球界で王者に成長する、そんな夢のある物語をこれからも緩やかに見守っていきたいです。


 最後にこの記事を執筆中、衣笠祥雄さんの訃報を知りました。私は衣笠さんの現役時代を見ることが出来た幸運な世代です。雨の日も風の日も骨を折っていても常にフルスイングを続けた衣笠選手にはプロ野球の夢とロマンが充満していました。衣笠さんに心からの感謝を捧げます。


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(赤井 孝美)

文春オンライン

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