85歳監督の次回作はアクション、ホドロフスキーが来日会見で構想披露。

4月26日(土)7時11分 ナリナリドットコム

23年ぶりの新作「リアリティのダンス」のプロモーションのため、25年ぶりに来日したホドロフスキー監督(85歳)の記者会見が4月24日、東京・新橋のスペースFS汐留で行われた。

ホドロフスキー監督は、日本未公開の前作「The Rainbow Thief」からなぜ23年もかかったのかという質問に対し、「私はアーティストなので、映画として言うべきことがなかったから作らなかった」ときっぱり。「言いたいこともないのに、ファストフードのハンバーガーのように毎年新作を作る監督と私は違う。映画を作っていなかった間も私は映画以外の、詩やコミック、サイコマジック(監督が提唱する独自の心理セラピー)の発明などで、23年間創造することを止めなかった」と答えた。

新作が、生まれ故郷チリの田舎町を舞台に、若きホドロフスキー少年と両親との関係を描く自伝的作品となった理由については「これまで私は物語を語ってきた。しかし、今回は自分の人生を語ろうと思った。もし自分の人生が本物であれば、それぞれの人がそれぞれの人生を語ることができる」と、今作が自身の物語としてだけでなく、多くの観客と共有できる普遍的なストーリーであると語った。

「リアリティのダンス」は、ホドロフスキー監督自身がお金について語るシーンから始まる。「お金はイエス・キリストが説くように、分かち合わなければ価値がない。お金は循環すれば人にとって活力になり、分かち合えば祝福を得ることができる。物質的な欲望を満たすためだけに消費してお金を使うのは悪だ。しかし、精神的な価値を開発し、クリエイティブな価値を見出すために、ポジティブなライフスタイルを作るためにお金を使うことが必要なのだ」と語った。

次回作について記者からの質問を受けた監督は、「私は『リアリティのダンス』をつくったことで父を許し、息子たちとの関係を見直した。『リアリティのダンス』は、とても個人的なアートになった。次はパーソナルでないアクション作品『フアン・ソロ』を作りたい」と力説。

すでにフランスではコミックとして出版されている「フアン・ソロ」は尻尾を持って生まれた男の数奇な物語。メキシコでの撮影が予定されており「人間が生き残るための本能を描くアンチ・ヒーローの映画になる」と明言した。

また、「現在の文明は人間を非人間的にする。産業が地球を壊し、誰もが地球は危ないと思っている。だから私は、底辺にいるひとりの人間が犯罪に巻き込まれながら、自分が人間であることを発見し生きていくというこの物語で、人類を救済したい」と構想を明らかにした。そして、「観客が今までみたことのない“何か”や希望を発見し、一緒に映画館を出てくる、そういう生きる感情が湧いてくる映画を作り続けたい」と強い意欲を見せた。

映画「リアリティのダンス」は、7月12日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか、全国順次公開。


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