鍵番号とメーカーを盗み見すれば簡単にコピーできる恐怖

4月26日(水)11時0分 NEWSポストセブン

合鍵は誰でも簡単に複製できるという事実

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《「鍵の盗み見」にご注意を!》。春の新生活シーズンを間近に控えた3月31日、福岡県警が公式ツイッターでこんな呼びかけをした。


 鍵を盗み見た第三者が合鍵を作り、犯罪に走る危険性を訴えたものだ。きっかけは、昨年9月、愛媛県松山市で起きた1つの事件だった。同市内の自宅マンションで一人暮らしをする女子大生(20才)が帰宅すると、施錠したはずの玄関のドアが開いており、室内に入ると、見知らぬ男(44才)と鉢合わせた。男はそのまま逃走したが、翌日警察署に出頭し、住居侵入容疑で逮捕された。


 問題はその侵入方法だった。男は事件前、マンション管理会社の社員を装って被害者女性の自宅を訪れており、鍵を見せるよう要求していた。


「そこで鍵の番号とメーカーをメモし、後日、インターネット経由で合鍵を作製していたのです。男は同じ手口で他にも7本の合鍵を作製していたことがわかっています」(全国紙記者)


 この事件で明らかになったのは、「鍵番号とメーカーさえわかれば、誰でも簡単に合鍵を作ることができる」という衝撃の事実だ。


 内閣総理大臣認可を受けた国内唯一の鍵取扱業者団体「日本ロックセキュリティ協同組合」理事長の鈴木祥夫氏が解説する。


「鍵に刻印された番号は鍵の形状や刻みのパターンなどを的確に示す“鍵の個人情報”です。この鍵番号とメーカー名さえわかれば、ほとんどの鍵は現物がなくても合鍵が作製できます。ネットやFAXで合鍵を依頼する場合は、販売店に送る申込書に、鍵の番号とメーカーを記入して送るのが基本です」


 申請の際、依頼者が身分証を提示する法的な義務はなく、その鍵がどの住居のものかを記入する必要もないという。


「鍵の番号を知っているということは、それを知り得る管理会社または本人だ、と見なされるからです」(前出・鈴木氏)



 一般的な合鍵作製の申請書類はA4用紙1〜2枚。自分の住所、電話番号、鍵のメーカーと型タイプ、鍵番号、希望する合鍵本数を記入して送るだけ。1〜2週間ほどで完成し、郵送される。業者によっては申請から作製、受け渡しまで、一度も依頼人と対面せずに終わることもある。


 匿名の第三者でも合鍵を作成できるとなれば、これを利用した犯罪が多発するのは必然である。ベランダの窓を打ち破ったり無施錠の家を狙う必要もなく、犯人は複製した鍵で玄関から堂々と侵入できるのだから。


 警察庁の統計によれば、2016年の侵入窃盗犯罪の認知件数はおよそ8万6000件。1日平均126件の空き巣が発生していることになる。


 ちなみに盗聴器、盗撮カメラは年間50万個販売されており、犯罪目的の購入者が絶えないといわれる。


 昨年12月、東京都狛江市で自宅アパートに帰宅した30代女性が、脱衣所のホースに仕込まれたカメラを発見し、通報。警察がカメラを調べると、女性宅に忍び込んでカメラを設置したと思われるめがね姿の男性が映っていた。被害女性はこの男性と面識がなく、警察は合鍵を使った侵入事件とみて捜査を進めていた。


 結局、警察が男性の映像を公開したことが決め手となり、同市在住の28才無職男が住居侵入容疑で逮捕。被害女性がカメラに気づかなければ、より悪質な犯罪に巻き込まれていた可能性もあった。


※女性セブン2017年5月4日号

NEWSポストセブン

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