“安倍降ろし”の号砲 小池氏が都知事選後に自民党乗っ取りへ

4月27日(月)11時5分 NEWSポストセブン

都知事選後に動き出す(時事通信フォト)

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「もはや安倍政権の命運は尽きた」。コロナ対策で浮上した小池百合子・東京都知事が自民党の二階俊博・幹事長、石破茂氏との連携を見据えて動き出した。視線の先にあるのは都知事再選後に仕掛ける“小池の乱”だ。


 小池劇場が見せ場を迎えている。緊急事態宣言以来、休業要請に応じた事業者への都独自の「休業協力金」の給付を決めたかと思うと、休業要請に応じないパチンコ店には施設の使用停止指示を発動する方針を示し、客で混雑して感染リスクが高まっているスーパーには入店規制の方針を果断に打ち出している。


 それに対して政府の対応は後手後手に回り、安倍晋三首相の優柔不断さが際立つばかりだ。


 そうした中、小池氏の後見人として知られる自民党の二階幹事長が動いた。公明党とタッグを組んで落ち目の安倍首相に国民1人10万円の現金給付を飲ませた一幕は、首相の指導力低下を強く印象付けた“二階クーデター”と呼ばれる。


 この方針転換が行なわれた翌週の4月20日、自民党役員会でさらなる「総理の権威失墜」を見せつける“事件”が起きた。自民党役員の1人が証言する。


「役員会では先に安倍総理が着席しているところに、数分遅れて二階幹事長が入ってきた。それも“遅れて申し訳ない”という素振りは全く見せず、いかにも待たせて当然とばかりに悠然と席に着いた。総理の表情はマスクではっきりとはわからなかったが、さぞ悔しい思いをされたんじゃないか」


 これが閣議であれば閣僚全員が起立して首相を迎え、座るまで待つ。しかし、役員会で二階氏の行動をたしなめる者は誰一人いなかったという。


 この日を境に盤石に見えた安倍首相の政権基盤が一気に崩れ始めた。役員会後に開かれた自民党の政務調査会や総務会では、これまで安倍批判ができなかったベテラン、若手から、「閣議決定を変えるのは異例中の異例だ」「こんなことでは選挙で戦えない」と不満が噴き出したのだ。二階側近議員が語る。


「二階さんはリーダーシップで小池氏に見劣りする安倍総理に見切りをつけた。危機に立ち向かうモチベーションを失っているからだ。公明党・創価学会も同じ認識で総理の交代はやむを得ないとの考えに傾いている」


“安倍降ろし”のシナリオも整いつつあるという。


「内閣支持率が30%割れの事態になれば、まず公明党が連立離脱を突きつける。そうすれば自民党内から選挙に不安な若手議員たちが騒ぎ出して収拾がつかなくなる。そこに二階さんが仲裁に入り、公明党との連立維持と引きかえに安倍総理に総辞職を進言する」(同前)


 政権運営に自信を失っている安倍首相は受け入れるしかないとの読みだ。


◆自民党復党への道


 安倍首相が途中退陣すると、自民党総裁選は再登板をめざす麻生太郎・副総理と、二階氏と反安倍勢力が担ぐ石破氏との戦いになる可能性が高い。


「党員投票を実施するなら石破、両院議員総会で決めるなら麻生が有利」(自民党ベテラン)


 下馬評ではそう見られているが、政治ジャーナリスト・野上忠興氏はこう指摘する。


「反主流派には安倍政権下で長年干されてきた“怨念”が溜まっているから、総裁選でどちらが勝っても自民党は分裂状態で政権運営に苦しむ。コロナの収束次第では年内の解散・総選挙もあり得る。その時は自民党の2つの勢力がバラバラに選挙を戦う分裂選挙になるかもしれない」


 その時が小池氏の出番だ。7月の都知事選は自民党が候補者擁立を断念したことから小池圧勝が確実視されている。その後、解散・総選挙となれば、小池氏は待ってましたと「都知事ができることには限りがある。国政でコロナ対策の指揮を執る」と総選挙に出馬し、二階−石破陣営の「看板」として応援に全国を回る。


 小池氏は前回総選挙で野党再編により希望の党を結成し、安倍自民に挑んだが敗れた。今回は自民党の反主流派と組んで総理を目指す。それが第2の“小池の乱”のシナリオだ。


「前回の都議選でも小池氏は公明党と政策協定を結んで応援にも入った。次の総選挙は公明党にとっても苦戦が予想されるため、小池人気が続いていれば連携して恩を売ることができる」(前出・野上氏)


 そして総選挙に二階陣営が勝利すれば小池氏は自民党に復党し、石破氏の次の総理総裁候補だ。


 奇しくも小池氏、二階氏、石破氏、そして公明党はかつて旧新進党で自民党と戦った同志でもある。そのメンバーが安倍退陣後に自民党を“乗っ取る”日が来るのか──。


※週刊ポスト2020年5月8・15日号

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