ヤクザに10万円給付 幹部は「そんな金いらん」「資格ない」

4月27日(月)7時5分 NEWSポストセブン

令和時代のヤクザ社会を追い続ける鈴木智彦氏

写真を拡大

 新型コロナウイルス拡大に伴う10万円の特別定額給付金の対象は、令和2年4月27日、住民基本台帳に記載のある者とされる。簡単にいえば、日本に住民票のある人間すべてで、いまのところ暴力団員にも資格はある。


 2018年末の組員総数は約3万500人で、もし全員が申請し給付を受ければ、ざっと30億5000万円が暴力団の“資金源”となる計算だ。ただし、それなりに名の通った組長たちはおそらく申請しない。ヤクザはメンツで生きている。男伊達を標榜している以上、他人に施しはしても、国家の庇護は受けられない。


「単純な話だ。たった10万円をもらって、いざという時だけ国に頼るのかと言われるのはしゃくに障る。こういった話は口コミで伝わる。裏の世界でナメられる」(指定暴力団トップ)


 関西の某組織幹部も同様に給付金には否定的である。「そんな金はいらん」とにべもない。


「ただそれは自分の価値観。若い衆に強制はしない。暴排条例施行以前、それぞれ経営する会社を通じて税金を払っていた。ヤクザから銀行口座を取り上げ、表の商売から放逐し、実質、無職に追いやったのはお上なのだから、もらいたいヤツがいるなら堂々ともらえばいい」


 一方、関東の老舗一家総長は、「我々遊び人にもらう資格はない。さんざん社会に迷惑をかけながら、都合が悪くなれば国にすがるのは筋が通らない。若い衆にもそう伝える」ときっぱり言う。


 さらにこの老舗一家は組員に給付金を辞退してもらうため、これまでプールしてきた資金を若い衆に支給することも検討中らしい。ただし、やはり強制的に受給禁止にはしないそうだ。


「自分の若い頃は、いつも金策に追われていた。それぞれに生活もある。致し方ないケースはあるだろう。ただ、もらうんだったら、その10倍は地域に尽くせと釘を刺す」


 暴力団の世界の常識は我々とはまったく違う。


●取材/文・鈴木智彦(フリーライター)


※週刊ポスト2020年5月8・15日号

NEWSポストセブン

「暴力団」をもっと詳しく

このトピックスにコメントする

「暴力団」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ