宙組トップ芹香斗亜18年間の宝塚生活に別れ「私の人生で一番ときめく物、それが宝塚」
2025年4月27日(日)20時18分 スポーツニッポン
宝塚歌劇団宙組トップスター・芹香斗亜(せりか・とあ)のサヨナラ公演「宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle」が27日、東京宝塚劇場で千秋楽を迎え、18年間の宝塚生活に別れを告げた。
本公演終了後のサヨナラショーは、花組時代に主演した「MY HERO」から始まり、思い出の歌の数々を披露。最後は宙組時代の代表作「郡盗」から「Future revolution」を、銀橋を渡りながら心を込めて歌い、大階段から客席をいとおしそうに振り返り幕を下ろした。
宝塚大劇場と同様、黒えんびで最後の大階段を降り「今、私は最高の気分でここに立っています。私と出会ってくださった、すべての方々のおかげと心から感謝しています。皆様には感謝の気持ちしかありません。本日をもちまして芹香斗亜、宝塚歌劇団を卒業させていただきます。本当にありがとうございました」と感慨深げにあいさつした。同期のお花渡しは花組時代をともに過ごしたOGの桜咲彩花が務めた。
芹香のほか、水音志保と葵祐希が退団した。
サヨナラショー終演後に退団会見が行われた。
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——宝塚はどんな場所だった?
「その質問は聞かれるだろうと思っていて、何て答えようかなと思っていましたが、まだ実感がなく次のお稽古が始まるんじゃないかと思っちゃうんですけど。現時点で私の人生で一番ときめく物、それが宝塚と思っています」
——今後やってみたいことは?
「これからのことは今から考えていこうと思っていますが。私は学ぶことが好きなので、学べることを探していきたいですね」
——最後に黒えんびを選んだのは?
「大劇場で黒えんびでごあいさつをしている時に、しっくりくるなと思ったのと、本公演で黒えんびを着るシーンがなくファンの方が私の黒えんびが好きと言ってくださるので最後に皆様にこの姿をお見せしたいと思いました」
——男役を終えるが
「男役としてももちろんですけど舞台人として誠実に役に向き合う、その作品で何を表現したいのかというのを突き詰めてきたのかと思います」
——サヨナラショーは、歌詞に自身の思いがこもった選曲だったが、最後の曲「Future revolution」は思い入れがあるようで
「おしゃっていただいた通り、私が伝えたい言葉を好きだった曲をリストアップしていったら、私がいま伝えたいことがすべてこの曲たちにあると思って選曲させていただきました。「Future revolution」は、まに…まさに私の願いそのものですね。サヨナラショーに書いたの?と思うくらいぴったりだったので。“みんなが笑顔で生きられる世界”、話が壮大になりますが、それが私たちが舞台に立ち何かを表現し伝える一番の役目だと思っています。この気持ちが皆様に届いたらいいなと思って歌わせていただきました」
——華奢な体で大きな背中を見せてくれたと組長(松風輝)の言葉があったが
「私も聞いていてグッと来ました。組長とは一期違いですが、私の本質的なところをちゃんと見てくださる方だなと思っていました。組長さんからこのようなお言葉をいただいてうれしく思っております」
——18年間の宝塚人生で心残りだったことは?
「心残りということは…ないかな。本当に充実して満足して最高の気分です」
——客席のペンライトを見て思ったことは?
「星組の曲では青になり、花組の時はピンクになって…ファンの方々の気持ちにグッときました。やっぱり宝塚はファンあってこそ。一途に支えてくれるファンがいるから、ここまで頑張ってこれた。感謝しかありません」
——今日の花の意味は?
「特に深い意味はなく、黒えんびにこれを持ったらオシャレだなと。男役としてしっかり見ていただけるだとうと思い、蘭とカラーにしました」
——ご結婚のご予定は?
「(笑いながら)そうですね…、あの今のところはございません、はい」
——後輩たちに送る言葉を
「みんなにいろいろなことを学ばせていただきました。感謝しかありません。伝えたいことも思うことも山ほどあるんですけど、ただ健康で元気に舞台を楽しんでほしいですね」