育ての母の態度急変!親たちに振り回される不憫な息子/『母になる』第三話レビュー

4月28日(金)0時0分 messy

『母になる』公式webサイトより

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日テレ水10枠『母になる』。第二話では、結衣(沢尻エリカ)と陽一(藤木直人)の息子・広(道枝駿佑)を7年間育てていたという麻子さん(小池栄子)の存在が明らかになると同時に、麻子さんが広に宛てた世にも強烈なお手紙が晒されました。自分をママ、生みの親である結衣を「新しいお母さん」「何も知らないおばさん」呼ばわりですから、えげつないなんてもんじゃありません。

この手紙を読んで結衣はショックを受けながらも、知らないおばさんでもいい、嘘でお母さんと呼ばれてもいい、と広と暮らすことを決意し、元夫の陽一も一緒に住むと宣言しました。ただし肝心の広は未だに麻子を「ママ」と呼び、こっそり電話しています……。

【試写レポート】テレビドラマにおける母親という存在の描かれ方
【第一話】沢尻エリカ演じるベタベタ清純派の良妻賢母が宿した小さなリアリティ
【第二話】3歳まで育てた産みの母は「何も知らないおばさん」…育ての母の強烈な手紙

「本当のママ」にだけ弾ける笑顔

第三話、ついに麻子が本格的に動き始めます。血縁親子三人で暮らすと決めた陽一、結衣、広。陽一の実家・柏崎オートにて広の13歳の誕生日パーティーを催し、結衣はケーキとスマホをプレゼントしました。スマホを「携帯」と呼ぶ結衣さん、清楚どころか何だか古臭いファッションとヘアスタイルで必要以上のお母さん感を漂わせていますね。訪ねてきた児童相談所の児童福祉司・木野(中島裕翔)は、麻子の行為を公にして裁判で訴えることも可能だと話しましたが、結衣と陽一にそのつもりはないようです。広が生きているかもわからなかった9年間を思えば、この先何があっても大したことじゃない……結衣はそのように考えています。また、3人の住まいは部屋数の多い柏崎オートに決定しました。陽一の母・里恵(風吹ジュン)は陽一のマンション(かつて3人で住んでいた)に移るそうで……住まいチェンジですね。

施設から外出としてやってきた広は、おばあちゃん(里恵)のハグにも応じるし、何でもおいしいと言って食べるし、礼儀正しいし、まさに怖いくらいに素直……。ほんと怖いです、うん。けれどそれは表向きの広であって、麻子ママから手紙で指示された通りに振る舞っているから。本当は麻子ママとまた一緒に暮らしたいのでしょうか?

広の「(お父さんとお母さんは)別れたんじゃ?」の問いかけに、結衣は「少し離れて暮らしていたけど、今は大丈夫」などと答え、離婚していないと嘘をつきます。離婚している=環境が整っていない=整うまで広と一緒に暮らせない、と焦ったんでしょうけど、何でドラマのヒロインってこういう(自分で自分の首を絞めるような)嘘をついちゃうんですかね。

一方、施設に戻った広は、結衣からもらったスマホで早速、麻子ママに電話するんですが、これがもう、めちゃめちゃ甘えまくっています!

広「だってぇ〜〜」
麻子「ダメダメ、携帯は禁止なんでしょ? 隠れてかけてるなら切るよ(本当に切る)」
広「まじか……(めげずにかけ直す)」

7年も実の親子同然に暮らしていただけあって、どちらもとても自然体です。そういえば、広は麻子といた7年間、戸籍関係はどうしていたんでしょうね、学校とか……。「柏崎さんちで、新しいお母さんとお父さんと暮らすことになる」と話す広に、麻子は「会いに行く。待ってて」と告げました。広「うん!」と、これまためちゃくめちゃ嬉しそうです。麻子ママのことが大好きなんですね。13歳、中学一年生の男子は、個人差が大きいとはいえ、こんなにママ・ママなものでしょうか? もちろん環境が一般家庭と違う(施設に預けられている)ことも大きく関係しているでしょうけど。

広との電話を終えた麻子は、木野と会っていました。えっ? 木野の口ぶりからは、これまでにも麻子と接触した機会がある様子なんですけど、前回、木野は麻子の所在がわからないと言っていたはず。どういうことなのでしょう。それはさておき、木野と話している時の麻子はほぼ無表情で無機質な印象。自分の行為には「無理矢理暮らしたわけでも、騙して育てたわけでもありません。本人が望んだからです」と悪びれず、そこに迷いはなさそうです。2年前、麻子が広を施設に預けなければならなかった理由については、広は知らないし、結衣や陽一にも話していないとのこと(木野は知っています)。麻子にどんな事情があったのか、おいおい明かされていくことでしょう。

二年前「忘れないでね」→「ママもう忘れたから」

柏崎オートでは満を持して結衣、陽一、広の3人暮らしがスタート。広は施設のナウ先輩(望月歩)に「2年前(麻子ママが)俺を施設に預けたのは何か事情があったんです。仕方なかったんです。俺は捨てられたわけじゃありません! ママはそういう人じゃないから」ときっぱり言い残して、引っ越してきました。麻子ママへの信頼は相当強く、結衣を母としてこれから暮らしていくことへの不安も実は大きいのではないでしょうか。そんな不安を隠して、広は柏崎オートで明るく振る舞い、「僕の部屋? 机だ!」と大げさに喜んで、スマホで写真を撮ります。「お母さん! お父さん!」と呼び、結衣、陽一との家族写真も撮ります。撮ってどーすんのかといいますと、大好きな麻子ママに送るんです。結衣の手作りハンバーグの写真には『ママの嫌いなデミグラスソースだぞー』とメッセージまでつけて。初日から広くん、ざ ん こ く。

しかし、広だって、結衣を「知らないおばさん」と認識しているかもしれないけれど、敵視しているわけではないはずです。その日の夜、結衣が「実はパパとママは離婚しています」とカミングアウトし嘘をついたことを広に詫びると、広も“麻子ママ”に写真を送っていたことを結衣と陽一に打ち明け、謝罪するのでした。ほんの少し3人の距離が縮まった……ように見えました。そこへ嵐を巻き起こしたのは、突然の、麻子の来訪。

麻子が柏崎オートにやって来たとき、陽一と広は外出しており、結衣とたまたま遊びに来ていた莉沙子(板谷由夏)が迎えました。麻子は例の手紙の“麻子ママ”とは別人のような能面表情で淡々と、9年前に広と暮らしはじめた経緯を語ります。

麻子「あの日隣の部屋から声が聞こえました。空き家のはずだったのに、かすかに聞こえてきたんです。ぐったりと横たわった小さな身体が見えました。虐待されてると思いました。助けなきゃと思ったんです」

莉沙子「どうして警察に届けなかったんですか?」

麻子「男の子が震えていたからです。汚れた身体と空腹と恐怖と悲しみを取り除いてあげなきゃと。私は置き去りにされた子を救ったつもりでいました。そう思い続けていました。まさか連れ去られた子どもだったなんて……。何も知らなかったとはいえ、申し訳ありません」

警察に行って話してもいいし、世間に公表して裁判で訴えられてもかまわない、でもあのとき私が助けなければあの子は死んでいたのだと、麻子は静かに主張します。それはそうだけれど、広をネグレクトされた子どもだと誤解したのは麻子の勝手であり、当時のテレビニュースや新聞で「誘拐された子ども」として広の情報は広く出回っていたはずです。けれど結衣は、「助けていただいてありがとうございました」と礼を述べ、なじったり責めたりはしません。麻子が見つけていなかったら、結衣は広と二度と会えなかったのです。死なれるよりはマシ、少なくとも今、広は自分の手元に戻ってきた……だから感謝を言う以外にないのかもしれません。

行方をくらましていた麻子が、このタイミングでわざわざ訪ねてきたのはなぜなのか。それは、広と決別するためでした。「2年前なぜ広を手放したのか?」という結衣の問いかけに「女ひとりで子どもを育てるのは大変なので施設に預けました」と明らかに嘘をつき、帰宅した広には「もう忘れました、コウと暮らした日々のことなんて。手紙も2年前に書いたものですから忘れてください。今日はお詫びと、もう二度と会わないことを伝えに来たんです。元気でね」と冷たく言い放ち、去ろうとする麻子。あからさまに、まだ明かせない事情を抱えていますね。



いったんは明るく振舞い2階の自室に戻った広ですが、やっぱり麻子を追いかけて飛び出していきます。ノートには『行かないで 行かないで 行かないで 行かないで 行かないで……』と殴り書き。広にとっては3歳から10歳まで育ててくれた優しく温かく大好きなママである麻子に、突然突き放されたうえ二度と会わないとも宣言されれば、甚大なショックを受けるのも当然です。

しかし麻子ママは、何も説明してくれません。広に「ママ—!」と呼び止められると、敢えて広を傷つける言葉を選んでいるかのように、例の手紙とは真逆のメッセージをぶつけたのです。

「コウ、柏崎さんのこと新しいお母さんって言ったけど、新しいお母さんじゃないよ、あの人は。本当のお母さんだよ。本当のお母さんのとこ行きな。ママはもう淋しくなることはないから。誰かに会いたいと人は淋しくなるの。ママもう会いたくないから。疲れたから。忘れたいから。忘れたから」

広が幾度か「ママ」と呼び掛けるも、麻子は「ほら行きなさいって!」と態度を変えることなく、広を残したまま去っていきました。それにしても、3歳の時誘拐されたのはもちろん、事情も教えられずに施設で暮らすことになったり、かと思えば今度は生みの親と再会、育ての親から一方的に別れを告げられ……常に大人の事情に振り回されている広は、非常に気の毒です。大人もいっぱいいっぱいだけれど、広の心についた数々の傷はどうするんでしょうね。親って勝手なもので、親に傷つけられない子どもなどいない、それが自然なことなのだとも思うけれど、それでもこれはあんまりなので……。

しばらく泣き、“本当のお母さん”である結衣たちの待つ柏崎オートに帰る広を、木野が陰から見守っていました。木野もどうやら、ワケありのような臭いがしますね。一番のワケあり女である麻子は、ネットカフェの一室で涙を流しながら、スマホに保存されていた広の写真を1枚1枚消していきます。息子が自分たちにはまだまだ心を開いていないことを思い知らされつつも、あくまで前向きにいこうとする結衣と陽一。みんなそれぞれ必死……というところで三話は終了しました。

二話の手紙の文面からは、麻子がいずれは広を取り戻し(という表現も妙ですが)に来るのではないか、と思わされました。しかし事情が変わったのでしょうか。来週四話の予告では、広が結衣の手作り弁当をゴミ箱にぶち込んだり、麻子が服役していたというナレーションが入ったり、さらに込み入っていくことが示唆されました。まだ物語はほんの序盤。謎多き女・麻子に俄然注目してしまいますが、いつか広・麻子・結衣は何らかのバランス良い関係を築くことが出来るのでしょうか。結衣はどうやって「母になる」のでしょうね。

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