麻生久美子、覚悟を持って臨んだ“禁断の問題作”「怖さもあった」 2児の母として葛藤
2025年4月28日(月)11時0分 オリコン
麻生久美子 (C)ORICON NewS inc.
本作は、不倫、DV、セックス…など愛と欲望にまつわる過激なテーマと、満たされない人間たちの歪んだ人間模様を美しい映像とともに描く禁断の問題作。主人公・華陣あやめを麻生が演じ、あやめの前に現れる甘く魅惑的な男・源凍也を塩野瑛久が演じる。激しく求め合うあやめと凍也の愛を表現するため、本作ではインティマシーコーディネーターを導入。初共演の麻生と塩野が美しくも濃厚なシーンに挑む。
——今回、日韓共同制作の完全オリジナルドラマということで、これまでにない形態の作品になるかと思いますが、主演をオファーされた時の心境はいかがでしたか?
【麻生】うれしかったんですけど、やっぱり悩みました。プレッシャーもすごく感じましたが、韓国の監督さんに演出してもらえるっていうことがすごく楽しみでしたね。今までの自分とは違う何かを引き出してもらえるような気がして。だから楽しみなのとプレッシャーが混じっている感覚でしたね。
——キャリアを長く積まれている麻生さんでも、プレッシャーを感じることもあるんですね。
【麻生】もちろんあります。脚本が本当に面白いので、私が演じることで壊れないといいなと…。プロットの段階でもう完成度がすごく高くて面白かったんです。
——それは楽しみですね。準備段階から、日本のドラマとは色々とやり方が違うというお話もされていましたが、新しいことにチャレンジしている感覚はありますか?
【麻生】最近はあんまりこういう役をやっていなかったので、体づくりからでしたね(笑)。撮影に入る前から頭の中がもうこのドラマのことでいっぱいで。イメージトレーニングから準備はずっとしてきました。
——20代、30代で演じてきた恋愛ものの作品と、今の年齢で本作を演じることの違いはありますか?
【麻生】すごくありますね。若い時はどんな表現も、どんな芝居も、やる側としても見る側としても、そんなに嫌ではなかったんですけど、やっぱり子どもを産んだからですかね。例えば性的な表現がある作品はあまり見なくなっていって。だけど今回そういうシーンも多いですし。ですから自分が納得できるような形で演じたいというのと、現場で生まれるクリエイティブに期待したいなと。だから正直、撮影への怖さも少しあるんです。
——そんな葛藤の中、今作への出演を決めた決め手は何だったのでしょうか?
【麻生】プロデューサーの貴島(彩理)さんからオファーをいただいたというのが1番大きい理由です。あとは韓国のドラマが好きだったので、共同制作って聞いたらやっぱり心が動くし、本もすごく面白かった。そういうシーンに抵抗はありつつも、純粋に面白い話だなと思ったんです。
——大きな覚悟を持って臨まれる作品なのですね。
【麻生】そうですね、覚悟を持って挑んでいるつもりです。
——先ほどはご出産を機に心境に変化があったとおっしゃっていましたが、2児の母となってからこの仕事をやめようとは思わなかった?
【麻生】子育てで仕事をセーブして、前のように自由にできなくなったときに、やっぱり私、演じるのが好きなんだなって気づいたんです。だから自分がこの仕事を好きなことに気づいたのはすごく最近で。
——そうなんですか?
【麻生】私、たぶん子育てが“趣味”なんですよ。もちろん大変な面もたくさんあるんだけど、子どもの成長を見てるのがすごく面白くて。そうやって子育てしながらも、割とコンスタントにずっと仕事は続けてきているんですけど、それでも子どものために「週に何日はお休みが欲しい」とかお願いをさせてもらっていたんです。そして今回、久しぶりに主演をやらせてもらうんですけど、子どもも大きくなってきたので、私のスケジュール全部渡して仕事にのめり込んで没頭するってことができそうで。それにワクワクしている自分がいるから、やっぱり好きなんだなって。
——仕事から距離を置いて、また戻ってきたときに改めて実感したと。
【麻生】そう感じている最近の自分にちょっと驚きました(笑)。
——最後に、40代になられてキャリアを積まれた今、仕事を続ける上で大切にしているこ
とはありますか?
【麻生】本作を受けた理由にもつながるんですけど、やっぱりどんな人とお仕事したいかとか、どんな人と関わりたいのか、みたいなことが私の中では一番大切です。