4000人を撮影した写真家を初めて呼び捨てにした女優・K

4月29日(金)7時0分 NEWSポストセブン

渡部達生氏が語るアイドル・女優の撮影秘話

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 出版した写真集は217冊、雑誌も含め撮影したモデルは4000人以上──。写真家歴40年以上の渡辺達生氏が、女優・アイドルとの忘れられない撮影秘話を明かす。


 渡辺氏はただ撮るだけでなく、様々な方法でモデルの美しさを引き立ててきた。1986年、『スケバン刑事III』でブレイクした大西結花は1995年にヌードになった。(以下、「」内の発言は渡辺氏のもの)


「2月のフランスで撮影した。一番寒い時期で、しかもお城の石畳で撮ったから冷たかったと思うけど頑張ってくれた。昔は行きたい場所に行けたし、時間もじっくりかけることができたから、現場でいろんなアイディアが浮かんだものです」


 1983年、『オールナイトフジ』の司会で有名になった秋本奈緒美も、29歳の時にヌードになった。彼女の写真集には変わった1枚が含まれている。シャツを1枚羽織っただけの秋本が、ビーチで「逆立ち」しているのだ。


「スペインのイビザ島のビーチだね。逆立ちしている時って必死になるからウソの顔ができない。その瞬間に『こっち向いて!』といわれると、倒れる以外ない。そんなふうに砂まみれになると、素の表情が撮れる」


 ハワイの砂浜で同じく逆立ちをさせた青田典子は写真集発売当時、〈カメラを意識せず力を抜いて、テレビでは見られないありのままの自分を出すことができました〉と話している。やはり効果は抜群のようだ。


「逆立ちはほんの数秒で、何ページ分も使えるしね。青田はほぼすっぴんに近い状態で撮った。メークとすっぴんに差がない綺麗な子だったね」


 水中のケースもある。石田ひかりだ。


「僕がプールに潜って待って、そこに飛び込んできてくれた。伸びやかで綺麗な写真が撮れたよ。『水中では目を開けてカメラ見て』といったら、水中眼鏡もしてないのに、はっきりレンズの方を見て笑顔まで作れた」


 渡辺氏がこうして撮影中に指示を出すことは稀だという。


「カメラマンによって色々あるだろうけど、僕はああしろ、こうしろとはあまりいわない。表情にしろ、仕草にしろ、流れの中でモデルの動きに任せる。作りでやると、意外な写真が撮れなくなるからね」


 その意味で、『ワカパイ』の呼び名で一大ブームを巻き起こした井上和香は、阿吽の呼吸が取れた一人だ。


「唇がチャームポイントだと本人もよくわかっていた。自分の魅力をわかっている子は助かる。だって、『唇を半開きにして』なんて恥ずかしくていえないでしょ(笑い)。撮る方も撮られる方も、そういう言葉が出たらつまらない撮影になっちゃう」


 一方で、小池栄子は異色の存在として渡辺氏に強烈な印象を残している。


「僕のことを初めて呼び捨てにした子(笑い)。『タツオ!』ってね。思わず、『はい!』っていっちゃいそうになったよ(笑い)。竹を割ったようなさっぱりした性格の子で、大好きだね」


 こうして名だたる女優・アイドルを撮り続ける渡辺氏には、ひとつの信念がある。


「グラビアにマニュアルなんてない。予定調和ほどつまらないものはないよ。見てくれる人が満足してくれればそれでいい。かわいいという概念は時代ごとに変わる。宮沢りえもかわいかったし、上戸彩もかわいかった。『週刊ポスト』の表紙などで何度も撮影させてもらったけど、本当にいい表情を見せてくれた。これからも、その時代、時代の女性の一番いい表情を撮っていければと思っています」


※週刊ポスト2016年4月29日号

NEWSポストセブン

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