探偵ドラマに不可欠“空回り刑事” 貴族探偵、探偵ジョーにも

4月29日(土)16時0分 NEWSポストセブン

『貴族探偵』の生瀬勝久も”空回りデカ”(公式HPより)

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 今クールのドラマには『貴族探偵』(フジテレビ系)、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(フジテレビ系)、『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)など、探偵が登場する作品が多い。これら、探偵モノに欠かせないのが“空回り刑事”だというのはコラムニストのペリー荻野さんだ。ペリーさんが その役割について綴る。


 * * *

 日本の探偵ドラマに「空回りデカ」は、欠かせない存在だ。事件が起こると、真っ先に現場に駆けつけ、大騒ぎするわりにちっとも事件を解決できない愛すべき刑事たち。日本では『ルパン三世』の銭形警部をはじめ、『金田一耕助』シリーズの等々力警部(日和、磯川のときもある)、『明智小五郎』シリーズの波越警部など、有名な空回りデカがドラマを面白くしてきた。私は個人的に彼らを「日本三大空回りデカ」と呼んでいたのだが、今シーズンのドラマには「新・日本三大空回りデカ」と呼びたい面々が出てきている。


 その代表が、『貴族探偵』の神奈川県警の鼻形雷雨(生瀬勝久)。生瀬の空回り刑事といえば、『トリック』シリーズでヅラ疑惑を持たれていた矢部謙三がおなじみ。今回の鼻形も「警察の威信にかけて」というところを「警察のミシンにかけて」などと言い間違い、女探偵(武井咲)に呆れられる。空回りぶりにもベテランの味を感じさせている。


 もうひとりの空回りデカは、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の山路刑事(高島政宏)だ。何よりも骨が大好きという標本士の九条櫻子(観月ありさ)が、森の中で白骨死体を発見。骨を見ただけで「二十代から三十代の女性」「右利き」「あごの骨折は死の直前のもの」などとスラスラ言い当てるのを聞いた山路は「あんた何者だ!?」と怖い顔。さらには彼女が「面白い」と現場に落ちていた歯を持ちだそうとすると目を怒らせ、「署まで来い!!」と連行してしまう。山路は大張り切りだが、結局、事件は「自殺です」という櫻子の推理で解決するのだった。苦い顔の山路。思えば、高島は超シリアスな刑事もやるが、空回りも得意という臨機応変デカといえる。


 そして、今シーズン奮闘しているのが、中丸雄一主演の『マッサージ探偵ジョー』のマネ—こと警視庁の金石(小澤征悦)である。このドラマは人嫌いだが腕のいいマッサージ師ジョー(中丸)が、出張先で次々事件に遭遇するという話。豪邸の奥様(横山めぐみ)のところに行けば、その旦那が撲殺され、「粗塩対応」といわれる口の悪いアイドルをマッサージしたらマネージャーが刺殺されてしまう。


 事件を捜査するマネーは、ロスでの研修帰りでやたら英語を使うハイテンション男だが、ほとんどみんなに無視され、推理はまるで的外れ。一方、突然、容疑者全員をマッサージさせてと言い出したジョーは、身体のツボを意識すると途端に髪の毛がピンと立つほど集中力が高まり、猛スピードでマッサージを開始。なんと各人の凝り具合から、どの筋肉を使ったかを判断して真犯人を突き止めるのである。合言葉は「事件の謎はほぐれました!!」。


 その間、マネーが何をしているかと思ったら、アイドルの部屋のソファでブタのぬいぐるみを抱きしめてジョーを見守っているだけだった…。


 小澤征悦は、これまでずいぶん深刻な役をやってきたが、こうしてみると、空回りデカ役がとっても楽しそうである。「空回りデカ」の特長は「声がでかい」「顔がでかい」「命令口調」の三拍子。そこにぴったり当てはまったマネーは、小澤の新たな得意技になりそうだ。

NEWSポストセブン

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