藤井名人 57手目で千日手を回避 名人戦第2局1日目 永瀬九段は8手目に師匠譲り?の角上がり

2025年4月29日(火)19時13分 スポーツニッポン

 将棋の藤井聡太名人(22)=王将を含む7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑む第83期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は29日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで第2局1日目が指され、戦型は先手・藤井の角換わり腰掛け銀になった。藤井の先勝で迎え、61手進んだ封じ手時刻の午後6時半、立会人の中村修九段(62)が「封じ手時刻になりました」と告げると、永瀬がすぐさま「封じます」と応じた。

 午後は51手目と55手目が同じ駒の配置で、千日手の可能性があった。同一局面4回で千日手となり、先手後手を入れ替えて指し直すが、指し直しとなれば後手番になる藤井が57手目で打開した。

 それでも本格的な戦いが起こることなく封じ手になった。藤井、永瀬双方が先に手を出しにくい膠着(こうちゃく)状態といえ、2日目も午前は永瀬の封じ手次第で千日手を視野に入れた戦いとなる。封じ手の局面は、銀矢倉に入城した藤井王に対し、永瀬王は中住まい。左右両にらみの好位置へ角を放った藤井に、永瀬は角を手持ちにしている。

 後手番で戦型選択の幅が広い永瀬がどんな作戦を繰り出すか、注目された第2局。8手目、永瀬は飛先の歩をさらに突き進めず、角を3段目に上がって先手からの歩交換を防いだ。直後の角交換から左金を3段目へ。この8手目までの局面は過去13局しかなく、うち3局を永瀬と同じ後手番でその師匠・安恵照剛八段(84)が指していた。

 8筋の歩を5段目まで進めなかったことで先手陣へのプレッシャーが少なくなった一方、右桂を5段目へ跳ねる余地を残した。2日目はこの左桂の動きもポイントになりそうだ。

 消費時間は持ち時間9時間から藤井が4時間38分、永瀬は3時間16分と、1時間以上の残り時間差が生じた。対局は30日午前9時に再開される。

スポーツニッポン

「名人戦」をもっと詳しく

「名人戦」のニュース

「名人戦」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ