谷口キヨコ この季節の風が、薫風が、私を旅に誘うベストシーズン

2025年4月29日(火)21時40分 スポーツニッポン

 【谷口キヨコのごきげん!?SOLOライフ】

 旅のベストシーズンですよね。この時期、風に吹かれてると「あぁ、どこか行きたい。旅に出たい」と思うのです…。思いませんか?

 ゴールデンウイークとか全然関係なく生きてる私も(ラジオの生放送は曜日通りなんです〜祝日関係ないんです〜)、この季節の風が、薫風が、私を旅に誘うんです〜。

 で、ちょっと前にソウルに旅してきました。『旅する』。よいですね、この響き。

 前回のソウルは去年の秋(秋の風も旅する気分上がりますよね)。秋は乙支路(ウルチロ)あたり。今回の春旅は北村(プクチョン)から宗廟(チョンミョ)のソスンラギル(西巡邏通り)を散策です。コロナ前に流行ったカロスキルがある江南(カンナム)ではなく、漢江(ハンガン)より北にある江北(カンブク)でおなじみの明洞(ミョンドン)からそう遠くないエリアにそれらの地域が点在しています。

 そのエリアには少し東に行くと、ここ何年か流行っている聖水(ソンス)というところがあります。ここは特にコスメショップが多いところですが、元々は町工場が軒を連ねていたとか…。今はその工場跡地や工場そのものもおしゃれにリノベされ、韓国の人はもちろん、いろいろな国の若い人たちがぞろぞろ歩いてます。

 春に行った乙支路はかつての映画の街で懐かしい雰囲気の飲食店も多くあるところだし、北村は韓屋(伝統的な韓国の家)が残されているし、ソスンラギルも世界遺産の宗廟の西隣だし…とにかく昔ながらの街並みや建物が残っているところを、そのまま使ったり、リノベーションして、中身は新しいスタイルのお店が入っている…。そんなところがほとんどです。そういうお店やエリアが、ソウルで今はとても人気があります。

 新しくて斬新で、これまで見たことのないようなピカピカなところにも、もちろん惹(ひ)かれます。行ってみたいと思います。でも、何度も訪れてなじみになりたいお店やエリアは、果たしてピカピカのところなんでしょうか。

 新しさも欲しいけど、懐かしさも欲しい。新鮮さを求める気持ちと懐かしさを求める気持ち。これって、刺激と落ち着きを求める人間の本能のようなものだと思うのです。

 現代は、求めなくても刺激があっちから勝手に入ってきてしまう…視覚的にも聴覚的にも味覚も。

 なので以前より増して、落ち着くもの→懐かしさを感じさせてくれるものに惹(ひ)かれるのではないでしょうか。

 若い人たちには「見たことがない」という意味で新鮮なはずのものにも、そのもの自体に歴史があるから懐かしさも感じられる。「知っている」世代には懐かしさをくすぐられ、そこに込められた新しい感性に新鮮さを感じる。

 ソウルの街だけでなく、新鮮さと懐かしさはこれからの最も重要なキーワードかもしれません。

 懐かしいという感覚は人間の奥底にあり。

スポーツニッポン

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