史上初“2人菊五郎”がスタート 歌舞伎座で古式顔寄せ手打式 2人体制に七代目は新たな呼称提案

2025年4月29日(火)20時1分 スポーツニッポン

 尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎(47)と、尾上丑之助改め尾上菊之助(11)が29日、東京・歌舞伎座で「古式顔寄せ手打式」を行った。これにより2人は正式に襲名となる。

 5月2日に襲名披露の「團菊祭五月大歌舞伎」が同所で初日を迎える。手打式は公演前の出演者と座元、舞台関係者による伝統儀式で通常非公開で行われるが、この日は公開で実施。満員の1902人の前で襲名を報告した。公開されるのは2022年の十三代目市川團十郎白猿の襲名以来となる。

 八代目菊五郎が「初代が菊五郎を名乗りまして300年。ここに2人の菊五郎が史上初めて並び立つことになりまする」と高らかに宣言すると、大きな歓声が上がった。終演後には「お客さまがえっ?という反応ではなくて、温かい笑いとともに二人体制を祝福してくださったのではないかと受け止めております」とホッとした様子で語った。

 舞台上には歌舞伎俳優と関係者105人が列席した。名跡を維持する八代目の父、七代目尾上菊五郎(82)は「末永く、ごひいき、お引き立ての程、ひとえにお願い申したてまつる」と呼びかけた。

 菊之助も「このたび、祖父も名乗り、父が29年間名乗ってきました菊五郎の家にとって大切な名跡、菊之助を六代目として襲名させていただく運びと相成りましてございまする。このような大きな名跡を襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優になれますように一層精進致します」と立派に口上を務めた。手打式の後には父の八代目と、先月31日にも神田明神のお練りで披露した舞踊「七福神」を披露した。

 終演後には八代目と菊之助親子が取材に対応。報道陣から七代目と八代目の呼び方を問われると、八代目は「父は楽屋で“しっちゃんと、はっちゃんと呼んでくれ”と言っていました。落語みたいですね。父らしいですね」と明かし、笑いを誘った。

 五月歌舞伎は27日まで。その後、同所での「六月大歌舞伎」を経て、襲名披露公演を全国各地で行う。

スポーツニッポン

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