藤井聡太名人が連勝!羽田空港対局制し防衛3連覇へ前進 永瀬拓矢九段とのシリーズ成績は2勝0敗に/将棋・名人戦七番勝負
2025年4月30日(水)21時27分 ABEMA TIMES

将棋の第83期名人戦七番勝負第2局が4月29・30の両日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で指され、藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に141手で勝利。シリーズ成績を2勝0敗とし、防衛3連覇に向けて前進を遂げた。注目の第3局は5月9・10日、大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で指される。
空の玄関口・羽田空港を舞台に争われた大激戦は、藤井名人に軍配が上がった。両者による頂上決戦・第2ラウンドは、後手番の永瀬九段が意表の「3三金型角換わり」に誘導。一手一手が重く難しい構想合戦へと発展した。
長い序・中盤戦では千日手を巡る駆け引きが繰り広げられ、対局室には常に緊張感が漂った。“待ち”の姿勢の挑戦者に対し、決断は藤井名人に委ねられていると見られていたが、打開を決断したのは永瀬九段。前日の封じ手は開戦を示唆する一手で、2日目からは激しい攻め合いへと展開した。
激戦は2日目の夜戦突入後も形勢は互角のまま推移し、ハイレベルで濃厚なラリーが繰り広げられた。そこから踏み込んだのは永瀬九段。前進を目指して先手陣を崩しに出たものの、藤井名人は驚異のバランス感覚を見せつけていく。抜け出したかと見られた永瀬九段だったが、藤井名人は険しい表情を見せつつも指し手は冷静だ。強靭な受けの技術を発揮し、最後は押し切って勝ち星を手にした。

勝利した藤井名人は、「経験のない将棋で序盤は少し主張のない形になってしまい、中盤も難しいが自信のない局面が多かった。最後の最後に好転した将棋だったのかなと思う」とコメント。「本局は第1局と違い序盤からじっくりした展開になったが、課題も少なからず見つかったかなと思うので、修正して第3局に臨めればなと思う」と次戦を見据えていた。
一方、敗れた永瀬九段は「後手が待機策の将棋で中盤に少し楽しみがあるかと思ったが、夕休後に課題があるなと感じた」と一局を振り返っていた。
この結果、シリーズ成績は藤井名人の2勝0敗に。注目の第3局は約一週間後の5月9・10日、大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で予定されている。羽田空港から、次なる舞台は関西空港へ。上昇気流に乗った藤井名人が3連覇に“王手”をかけるのか、永瀬九段が反撃を開始するのか。熱戦必至のシリーズから目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)