戸塚純貴 バレエダンサー役で「身長が2センチ伸びた」 “負け芝居”でブレーク「上書きしていきたい」

2025年4月30日(水)7時0分 スポーツニッポン

 【インタビュー】俳優の戸塚純貴(32)が主演を務めるMBSドラマ「バレエ男子!」(木曜深夜1・29)が5月1日にスタートする。男性バレエダンサーの日常を通して自分らしく生きることの大切さを描いた作品。戸塚はバレエ未経験ながら猛練習に励み、美しい踊りを披露している。どんな役にも染まる戸塚の武器は、“負け芝居”。人間味あふれる演技に迫った。(望月 清香)

 初めて戸塚を取材したのは2年前。当時の記事を見せると、「うわー懐かしい!」と人懐っこい笑顔を浮かべた。当時演じていた役柄の決めポーズをするなどサービス精神満載。ドラマや映画に引っ張りだこの売れっ子になっても変わらない姿にうれしくなった。

 今作で演じるのは男性バレエダンサー。芸能界に入る前は自動車整備士を目指していた戸塚にとっては無縁の世界。「どこまで辿り着けることができるか不安しかなかったです」と語る。役作りのために新国立劇場で「くるみ割り人形」を鑑賞したというが、「すごすぎてますます不安になりました」と苦笑いした。

 撮影が始まる1カ月前からレッスンを始めた。「バレエはセリフがないのにストーリーを表現しないといけないのが奥深くて難しい。僕は役者なのでどうしてもセリフや表情で感情を表現しようとするんですけど、バレエではそれができない。究極の表現ですね」とバレエの魅力にのめり込んでいった。

 女優としても活躍する元バレリーナの草刈民代がバレエ監修・指導、バレエダンサーの菊地研がバレエ指導を務めた。2人の指導の元、毎日のように練習したといい、「撮影の合間もお休みの日も草刈さんと菊地さんにレッスンしていただきました。毎日のように寄り添ってくださった。お2人なしではこの作品は成立しなかった。本当に貴重な贅沢な時間でした」と感謝した。自宅でも役を追求。「家でもつま先立ちで立っていました。コンビニに行く時もバレエの動きを意識していました。そのお陰で姿勢が良くなって身長が2センチ伸びました(笑い)」と明かした。

 個性派俳優として躍進を遂げる戸塚の魅力は、“負け芝居”だ。コメディの奇才・福田雄一監督が「戸塚くんは“負け芝居”が上手い」と才能を見いだしたという。“負け芝居”はリアクションや表現の受けの芝居のこと。戸塚は「完璧すぎる人間を映しても感情移入できないと思っている。滑稽な人を見て人の心が動くと思っています。演じる上で人間の欠落した部分や滑稽な部分をすごく大切にしています」と語る。これまで戸塚は一癖も二癖もある役柄を共演者とのやり取りの中で人間味たっぷりに愛らしく演じ、作品に味わいを与えてきた。

 今作でも“負け芝居”は顕在。「僕が演じる小林八誠は周りを巻き込む力のある主人公っぽいキャラクター。ただ僕が演じることで主人公っぽくない主人公になっていると思います」。ナルシストなバレエダンサーをコミカルに表現している。

 戸塚は昨年のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の轟太一役でブレーク。昨年だけで10本以上のドラマ・映画に出演し、バラエティー番組では憧れの所ジョージとの共演やテレビ朝日「徹子の部屋」への出演を果たした。「ブレークを実感することはないけど、ずっと憧れていた方やずっと会いたかった方にお会いするきっかけが増えました。役者を続けてきて良かったと思えることが増えました」と笑顔を浮かべた。「年を重ねるごとに上書きしていきたい。僕が俳優を続ける意味は自分にしかできない表現をすることなのでそれをもっと突き詰めていきたいです」。“負け芝居”を武器に華麗に飛躍していく。

スポーツニッポン

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