藤井名人 開幕連勝にも満足せず 「修正して臨めれば」と棋理と向き合う 永瀬九段に141手で勝利

2025年4月30日(水)23時46分 スポーツニッポン

 将棋の藤井聡太名人(22)=王将を含む7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑む第83期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は30日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで第2局2日目が指し継がれ、141手で先手・藤井が勝利した。開幕連勝となり、名人3連覇へ前進した。

 「こちらが経験のない将棋で、どういう形で(千日手の)打開を目指していくか。作戦としては失敗気味かなと思った」

 先勝で迎え、戦型は先手・藤井の角換わり腰掛け銀へ進んだ。ところが1日目午後の51手目と55手目が同じ駒の配置で千日手の可能性を自覚。同一局面4回になれば千日手で先手後手を入れ替えて指し直し、今度は後手番になるため57手目で打開した。先手でリードを奪えなかった1日目に終局後、不満を語った。

 加えて1日目午後、駒台から放った左右両にらみの角が逆に標的にされる可能性も把握。銀矢倉の自王は、背後の1段目から角を打たれる展開がつきまとい、「傷がどうしても消せない。自信がないかなと思い、(敵陣に)どこまで嫌みをつけられるかと考えた」と苦戦の認識だったという。

 局面の好転を感じたのは107手目、自王の最側近である左金を捨てて握った手番で5筋への桂跳ね、さらに2筋へ手駒の銀を打ち込んで永瀬王への包囲網を築いてからだという。

 「こちらも攻めていく形になって展開としては楽しみができた」

 勝利が見えたのは飛車を1段目まで引いて自王の安全を確保した127手目。一局を総括して「序盤で主張のない形になった。中盤も難しいけれど自信がない局面が多かった。最後の最後に好転した将棋だったかなと思う」と振り返った。

 勝っておごらず、常に改善点を探る姿勢が表れたのが第3局への抱負。「課題も少なからず見つかった。それを修正して臨めればと思う」。おそらく今期、第2局で指し損ねた局面に出合うことはもうない。それでも棋理と向き合う22歳は1勝に満足しなかった。第3局は5月9、10日に大阪府泉佐野市のホテル日航関西空港で指される。

スポーツニッポン

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