“生きる放送事故” 平野レミの全速力ポジティブな料理人生

5月1日(金)18時45分 messy

『平野レミのキュートでおいしい野菜レシピ』講談社

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 いまや、この人が料理番組や情報番組でオリジナル料理レシピを披露すると、必ずと言っていいほどその独創的でアバンギャルドな料理パフォーマンスに度肝を抜かれ、メディアやネットでとんでもなく話題となる。そう、その偉大なる料理愛好家の名は平野レミ。

 一般的な料理家の枠には収まりきれないレミ先生の強烈キャラクターと奇想天外なレシピたちは、見る者を異次元の世界へと誘ってくれる。彼女がハイテンションクッキングをスタートさせた瞬間から、私たち視聴者はもうそのテレビ画面から目が離せなくなってしまうのである。

 そんなパワフルな魅惑を放つレミ先生が4月17日に放送された『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)にゲスト出演。今回番組では彼女の自慢のオリジナルレシピを紹介するだけではなく、現在のご活躍に至るまでの波瀾万丈な半生を丁寧に辿っていた。

青空キッチンでも“どっか〜ん料理”しちゃうわよ♪

 番組の冒頭では千葉県の勝浦市ロケを敢行したVTRが流れた。現地の旬の食材を使ってレミ先生にお手軽絶品料理にトライしてもらうことになったのだ。日本三大朝市のひとつである「勝浦朝市」に初参戦したレミ先生は、いつものように自由奔放なはしゃぎっぷりで、市場のおばちゃん方との陽気なふれ合いを堪能していた。

 これから料理をするための食材買い出しだというのに、まるで食べ歩きツアーのように「焼き芋」「魚の串焼き」「焼きイカ」「わらび餅」……市場の方々から勧められた試食品(?)を豪快に食べまくるレミ先生。もう、これだけでお腹いっぱいになりそうである……。

 ただ食いしん坊行脚をしていたわけではなく、旬の食材はしっかりゲットしていたので、近くの神社の境内にて青空クッキングスタート! スタジオであろうと屋外であろうとレミ先生の豪快なクッキングスタイルは変わらない。レミ先生考案でお馴染みの大ヒット万能フライパン「レミパン」も、もちろん引き連れてやって来ていた。

 そのレミパンに溢れんばかりの春キャベツを丸ごと一個投入し他の具材も加えると、レミ先生は蓋が閉まらない状態であることなどちっとも気にせず、そのまま煮込みタイムへ。豪快が止まらない〜!

 先日放送された『きょうの料理』(NHK)の「20分で晩ごはん」シリーズでも披露し、ネットをザワつかせたあの「どっかん春キャベツの丸ごと煮」の姉妹レシピなのだろうか? 今回の料理名は「ほっぽり春キャベツ」であったのだが……。「どっかん」だったり「ほっぽり」だったり、レミ先生のレシピは“料理名が見たまんまの調理法”になっていて、なんともわかりやすくて楽しい。

自分を普通だと言い張る“普通じゃない”レミ先生

 勝浦ロケのVTRが終わると、いよいよ金スマのスタジオにレミ先生が登場! MCの中居正広から「しゃべるのはお好きですか?」と質問されるとレミ先生は、

「別に別に! 普通普通! なんでなんでなんでなんで? 普通じゃないですかね!?」

 と、のっけからもう普通ではないマッハの早口言葉が止まらない〜!「どの番組を見てもすごくパワフルに見える」という中居くんの感想に、

「そういう風に見えちゃうのねぇ、なんだかね〜。(番組側の)編集でしょ! 編集でしょ!」

 と、あくまでも自分の“普通じゃなさ”を全力で否定。いやいやいや〜、どんなに否定したってレミ先生の規格外の面白さは視聴者にがっつりバレバレですから〜!

あの衝撃料理の誕生秘話

 今回番組では、オリジナル料理を通じてレミ先生の人生を紐解いていこうとのことで、まずは「食べれば○○」シリーズについて紹介。

 いなり寿司なのに油揚げに具材を詰めない「食べればいなり」に、丸く成形しないで油で揚げてもいない「食べればコロッケ」がその代表格である。以前、他の番組でこの料理を目撃した時には「詰めてないじゃん!」「揚げてないじゃん!」と思わず爆笑しながら突っ込んでしまったものである。

 なんでも、レミ先生がこの「食べれば○○」シリーズを考え出した理由は、子供がキッカケだったらしい。現在は料理愛好家となっているレミ先生であるが、実は23歳の時にシャンソン歌手としてデビューしていたそうだ。実際に歌手として歌っている過去映像も流れたのだが、普通に素敵な歌声で妖艶な色気すら漂っていた。今のチャキチャキな感じとはまるで別人である。その後イラストレーターの和田誠さんと結婚して二人の息子の母となった。

 歌手と子育てで忙しい日々を送っていたある日、ご飯の用意を終えて仕事に向かおうとしたところ、次男の率(りつ)くんから突然コロッケのリクエストが入ったそうだ。

 その時に閃いたのが「食べればコロッケ」であった。蒸かしたジャガイモと炒めたひき肉などの具材がお皿の上で無造作に集合してそびえ立っているというビジュアル。その見たこともない不思議な料理を前にして、率くんは「コロッケじゃない!」と完全否定したが、レミ先生に促されて食べたところ、ちゃんと口の中でコロッケが成立したらしく、大好評を得たそうだ。

 レミ先生いわく「料理は喉で帳尻が合ってればいいの!」とのこと。“食べればシリーズ”は奇をてらった料理ではなく、働く主婦ならではのスピードアイデア料理だったのである。そうだったんだ〜! 奇抜に見えていた料理が、実は忙しい中で息子のリクエストに応えてあげたいという愛情たっぷり料理だったわけだ。何だかちょっと感動〜♪

テレビ初出演時からすでにやらかしていた!?

 そして、後に旦那さんに頼まれて料理雑誌『四季の味』に、料理エッセイを書くようになったことがキッカケで、主婦としてテレビ番組に出演することになるのである。その記念すべき初出演番組が現在も出演している『きょうの料理』であった。

 その時に選んだレシピは、レミ先生が母親から教わったという平野家直伝の料理「牛トマ」。初出演にも関わらずスムーズに調理を進めていたのだが、問題はトマトだった。ここで当時の実際の映像も流されたのだが、若かりしレミ先生がお鍋の上でトマトを丸ごと両手で力強く握り潰していた。軽くホラー映像にも見えたりして……。

 料理番組にしては、なかなかの衝撃映像だったのかもしれない。この行動に当時のスタジオは騒然となったそうだ。けれども、レミ先生にとってみれば普段からトマトは包丁で切らずに握り潰していたし、料理の見た目などは全く気にしていなかったのである。

 しかし、この放送によってNHKには視聴者からの苦情が殺到してしまったらしい。そのためNHK側から注意を受けることになったのだが、レミ先生は「トマトを握り潰すという自分のやり方を変えることはできない」という強い意志があったらしく、

「スタンスを変えてまでテレビに出たいわけではない」

 と、きっぱり言い放ったそうだ。レミ先生かっけ〜! この放送では批判が多かったものの、一方で自然体なレミ先生に対して好意的な意見もあったらしい。こうして良くも悪くもレミ先生の名前は広がり、いつしか人気料理家としてたくさんのテレビ番組に出演するようになったとのこと。

生きた放送事故?

 番組の後半で、当時の初出演番組に抗議が来た時の心境を聞かれたレミ先生は、

「いいことだなぁと思った。みんながさ〜、(抗議の)電話しようって気になるのってすごいことじゃない?」

 と、弾むような口調で答えていた。でも、不名誉なニックネーム「生きた放送事故」についてはどうにも納得がいかないようで、

「みんなからかうのよね〜! あたし、こんな大真面目にやってんのにさ〜!」

 と反論し、ちょっと拗ねるような仕草を見せるのであった。なんて素直で可愛らしい人なんだろう〜。

 常に全速力ポジティブで、みんなの想像を遥かに超えた奇想天外なミラクルレシピ(愛情もたっぷり♪)を次々と開発しちゃうレミ先生。これからもいろんな番組で、じゃんじゃん圧倒的な料理パフォーマンスを披露して私たちを驚かせていただきたいものである。

■テレ川ビノ子/ テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!



 

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