八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助の襲名披露興行開幕 勧進帳で“令和の團菊”が幕開け

2025年5月2日(金)21時45分 スポーツニッポン

 先月末に大名跡を襲名した八代目尾上菊五郎(47)と、長男の尾上菊之助(11)が2日、東京・歌舞伎座で襲名披露興行「團菊祭五月大歌舞伎」(27日まで)の初日を迎えた。同学年の幼なじみ市川團十郎(47)との「勧進帳」で念願だった“團菊共演”を果たし、八代目としての第一歩を踏み出した。口上で菊五郎は「伝統と革新にのっとりまして、精進してまいる覚悟です」と力を込めた。

 團十郎演じる弁慶と菊五郎演じる富樫が舞台上でにらみ合うと、客席からは大きな拍手が巻き起こった。襲名狂言の前に別の演目に出演するのは極めて異例。「團十郎さんの弁慶、私の富樫で一緒に舞台に立ち、菊五郎のスタートを切りたい」と、八代目たっての希望で演目が組み込まれた。指名を受けた團十郎は口上で「新團菊として精進していきます」と気合を入れた。

 昼の部の襲名披露狂言では人間国宝の坂東玉三郎(75)と親子の3人花子体制で「京鹿子娘道成寺」を熱演。菊之助は初役ながら、女方舞踊の大曲を立派に演じ切った。玉三郎は「菊之助さんはお芝居が大変お好きなようで、大変喜ばしいことです。このたびは二人道成寺ということでございましたが、ある日突然思い立って参加させていただきました。新菊五郎さん、菊之助さんとご一緒できたことはこの上ない喜びにございます」と共演の喜びと菊之助への期待を語った。

 團十郎の長男の市川新之助(12)と菊之助も同じ年に生を受けた。口上で團十郎は「九代目菊五郎、また十四代目團十郎の襲名の折にも、ぜひご高覧賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます」と次世代への応援も呼びかけた。

 約300年前、初代菊五郎は二代目團十郎に見いだされて、江戸の地を踏んだ。以降、両家は江戸歌舞伎界の中心を担う存在であり続けた。時代が変わっても團菊が歌舞伎の歴史を紡いでいく。

スポーツニッポン

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