不倫妻が罪悪感ゼロなのは夫を少しも愛してはいないから/『あなたのことはそれほど』第三話レビュー

5月3日(水)22時0分 messy

『あなたのことはそれほど』公式webサイトより

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ココリコ田中直樹さんと小日向しえさんが離婚して世の中ちょっとざわついていますが(仲良し夫婦に見えていたから)、親権が田中さん側ということで妻の不貞を疑う人も。養育権はどちらか分からないんですけどね。

さて、妻の不貞と夫の不貞という夫婦二組を揺らすダブル不倫を描いている連続ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)、第三話にして原作の大事な部分だけちょこっとずつ取り入れながらほぼ原作とは違う話に仕上げてきているので、もう原作漫画のことは頭から全部追い出すことにしました(5巻が発売されたばかりですけど)。これで最後と思って、原作厨、ドラマならではの特徴について箇条書きにしておきます。

・原作と違って母娘の関係がさほど悪くない
・原作と違って美都は有島くんを諦めようとする
・原作と違って有島くんがしつこい
・原作と違って有島くん育ち悪そう
・原作と違って山崎育三郎

【第一話】再現VTRみたい…アレンジがダサい、役者も演出もしょぼい!
【第二話】気持ち悪いのは粘着夫(東出昌大)ではなく恋愛脳満開の新婚妻(波瑠)の方では…?

登場人物紹介をしておきます。

■渡辺美都(わたなべ・みつ)/波瑠
旧姓・三好。スナックママの一人娘、母子家庭育ち。地元は横浜。眼科の医療事務として働く女性。小学校時代に転入してきて中学で転校してしまった有島くんに初恋をし、大人になった今もその恋心を保管し続けている。優しく料理上手な涼太にアプローチされて結婚。

■渡辺涼太(わたなべ・りょうた)/東出昌大
インテリア関係の会社の総務部で働く。眼科で美都に一目惚れして求婚。愛妻家で料理上手で洗濯や掃除も得意。朗らかで愛情深く、見知らぬ他人にも親切で、妻の母親ともうまくやっている。妻のケータイチェックや、LINE連投を厭わない。

■有島光軌(ありしま・こうき)/鈴木伸之(劇団EXILE)
サラリーマン。親が転勤族で横浜→所沢に引越し。美都とは横浜時代のクラスメイトだった。所沢の高校の同級生だった麗華と結婚し、一児の父に。学生時代からイケメンで女に不自由しないタイプ。公式紹介によると「基本的には家庭第一なのだが、根が優しく流されやすい性格のため、泣きつかれると弱い」。

■有島麗華(ありしま・れいか)/仲里依紗
旧姓・戸川。父が不倫で失踪、母を家事やバイト収入で助ける学生生活を送ったアダルトチルドレンな苦労人。不美人。高校の同級生だった有島と結婚し、妊娠中。出産は所沢の実家で。人当たりは良い。

この不倫女、憎めないぞ

お互いに既婚者であることを打ち明けあい、「なーんだ良かった、じゃあ結婚を前提とした真面目な交際とかめんどくさいこと抜きで会えるね〜」という感じで関係続行を明言した美都と有島くん。一人残された熱海の旅館で朝食を食べながら「運命じゃなかった。でも好き。昨日は世界で一番幸せだった。あーでも運命の恋だと思ったのに」と、<運命>ではないことにがっかりしつつ安堵も覚えつつの複雑な感情を美都は抱えています。複雑といっても別に思い悩んでたりはしないんですけどね。旅館フロントで一目で不倫カップル(ていうかパパ活?)とわかる色黒おじさんと若い女の子の二人連れを見て、「あんなのとは違うっ」と首を振ったり……ああ、憎めないわ、この美都って。怖くないもん。

そこへ「母が階段から落ちて意識不明になり入院している」との連絡が入り、夫である涼ちゃんは夫婦で暮らす家に美都の母を連れてきます。横浜で小さいスナックを営む母ですが、右脚を骨折して当面は休業する様子。美都はたいして拒否反応を示すわけでもなく、母親と三人の一時的な共同生活がスタートしました。

母親といえば、女の子を出産し無事母となった麗華の実母役は清水ミチコで、赤ちゃんをあやすのに変顔を披露していました。有島くんと麗華夫妻は、我が子に「ありがとう」と「ごめんね」を言える子になってくれればそれ以上は望まないとして「亜胡(あこ)」と名付けました。今週のキーワードは「ありがとう、ごめんね」です。



聡明な妻のことが大好きで娘も可愛いと思ってるけど、「ごめんね」という気持ちは多分さほどない有島くんと、二番目に好きな超絶優しい夫に「ありがとう」はあれどやはり罪悪感なく有島くんラブな美都。特に後者は、夫との結婚は打算で妥協、占い師に背中を押された結果なので、自分とのことを「運命だ」と何度も第三者に強調する夫にびっくりしちゃったり。

美都の心の声「気づかなかった、涼ちゃんにとって私は運命なんだ。じゃあ私の運命ってどこ行っちゃったんだろう?」

や、現状が全部、運命の結果なんじゃないすかね。

この夫婦の温度差、涼ちゃんがかわいそうにもなりますが、仕方のないことですね。最初からお互いが同じだけの好き度でもって「結婚」に至ったわけじゃないんですもん。涼ちゃんは愛を期待しているけど、美都は絶対にそれを与えることはできなくて、同時に美都の期待する運命的な胸キュンを涼ちゃんが与えることもできません。だから実はお互い様です。残酷で、ぼーっとしていて、乙女な美都のことが(絶対気が合わないので友達になりたくないけど)可愛い女だなと思えてきました。美都の中学時代からの親友である香子は常識人でnot夢見る乙女ちゃんなので、美都が罪悪感も何も持たない有島くんとの関係を香子だけが深刻に受け止め、問題視しています。

香子「有島サイッテー。奥さんの里帰り出産中に羽根伸ばしてみました、ってよくあるあれでしょ。早くわかってよかったよ」
美都「えーでも嫌いになってないよ」
香子「あんたそれ動物よ」
美都「動物かなあ? 優しいから、いい人だから好きになるのは、心にエサもらってなついてるみたいでその方が動物っぽくない?」
香子「お手軽な浮気相手なだけ。これで終わりにしなよ」

そんな香子の忠告、美都に響くはずもなく……と思いきや、素直な美都は意外にも不倫の恋を終わらせようと努力するようになり、有島くんからの「この間はごめん、東京戻ったから来週はいつでも会えるよー」メールにも「このまま会わなければ忘れられるかもしれない」と考え断りの返信をしました。ま、寝室でスマホ片手に一人で逡巡する美都を、ドアの隙間から涼ちゃんが見つめているんですけどね。

油断大敵、スマホはロックしよう

夫婦関係を見直そうという気持ちが少しはあるのか、自分は夫に「ありがとうとごめんねばかりで借りを増やしている」と思った美都は(優位に立ちたいというのもあるでしょうね)、涼ちゃんの同僚の小田原(育三郎)を家に招いてご馳走を振る舞おうと提案。深夜のスマホチェックを習慣化させていた涼ちゃんも、美都の「涼ちゃんのためにおもてなしを頑張りたい」という美都の言葉を信じようとしてその夜は思いとどまるのでした。

美都の脱・有島計画は意外にも順調に進行し、有島くんからの電話(メールに続く二度目の連絡)にもそっけない対応でデートの約束を取り付けません。「これでいい、うん、私頑張った」って、うん、すごいですね。あんなに恋い焦がれていたのに、子供がいても好きなものは好きって独り言ちてたのに、勤務中にめくるめく性夜を思い出してキュンキュンしたりしないんでしょうか。ライトな女だなとは思っていたけど、ドライでもあるわけ?

しかし、三度目の連絡で……行っちゃいました。美都の仕事が休みの水曜日、夜18時半に涼ちゃんが小田原さんを連れて帰ってくるからご馳走準備をしなきゃなその日、有島くんからランチのお誘いメールが届き、「ランチだけなら帰りに買い物して15時までに戻れるし」と、美都は指定された高級ホテルのレストランへ。昼からワイン飲んでるんだけど有島くんどんだけ暇なのと思ったら、午後半休にしたといいます。あら、やる気満々! ちなみに有島くんゴルフコンペの景品でレストランの食事券が当たった、と美都に説明したけれど、本当は自分の母親にもらった出産祝い10万円の中から会計していました。こりゃダメだ〜しょぼい〜。

でもこの時点ではまだ、情事をせず食事だけで帰宅するつもりだった美都。有島家の赤ちゃんの写真を見て「うわー、潰れそう。他人の子供なんて、ちっともかわいくない」と思わず本音で毒づいて(ほんっと悪気ないんですよ★)、「あ、悪いこと言っちゃったかな正直に言いすぎたかなこれで嫌われるならそれはそれでいいや」と一瞬思ったその時までは、帰る気でいたんです。けど、有島くんがホテル23階に部屋を取っちゃってたんだからしょーがない。やるっきゃない。「有島くんがやっぱり世界で一番好き。大丈夫、16時までに帰ればギリギリ間に合う」!

結局、ついうっかり情事の後で寝てしまい起きたら16時半だったのでデパ地下でローストビーフ塊やサラダを買い込んでタクシーで帰宅、同じ家に住んでるんだからゴミ箱見たら即バレるじゃんとそれくらいの頭は働くようで、包装紙やパックはゴミ収集所に直接捨てて準備完了です。舌が肥えてるであろう夫にも小田原さんにも「これデパ地下じゃね?」とはバレず、むしろ手料理として絶賛され、完璧なおもてなしを演出できました。これで気が緩んじゃったんですかね、長い1日に疲れ果てた美都は、ソファでうたた寝かましてしまいました。スマホに、有島くんとのLINE画面を表示したまま……。昼に妻が有島くんと会っていた証拠をついに掴んでしまった涼ちゃん。東出昌大のただでさえ硬直気味な顔が能面化した瞬間です。BGMも煽る煽る、いかにも不穏な、ホラー映画でジェイソンがテントに突撃してくる前触れみたいな。次週、「私の夫は全然普通なんかじゃなかった」ご期待ください。

<今週の育三郎>
渡辺家に招かれて和やかにお食事。スイーツ男子だそうです。涼ちゃんのことを「なんか、危うくてほっとけなかったんですよ、こいつ」と評するなど、溺愛している様子が伺えて視聴者も思わずニッコリ。冴えてる男なので、美都が涼ちゃんのこと全然好きじゃないって最初から気づいているんですよね。涼ちゃんを軽視しまくって傷つけている美都に、いつか小田原さんのお仕置きがくるんじゃないでしょうか? お天道様は見ていなくても、育三郎は見てるよ!

(ドラマ班:下戸)

【第一話】再現VTRみたい…アレンジがダサい、役者も演出もしょぼい!
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<そのほかのドラマレビューはこちら>

▼母になる

▼人は見た目が100パーセント

▼あなたのことはそれほど

▼女囚セブン


▼フランケンシュタインの恋

▼ボク、運命の人です。

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