16歳・山下数毅三段、事実上プロ 山本五段破り四段昇段資格を獲得 竜王戦5組ランキング戦準決勝
2025年5月3日(土)5時0分 スポーツニッポン
将棋のプロ養成機関、奨励会に所属する山下数毅三段(16)が2日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた竜王戦5組ランキング戦準決勝で山本博志五段(28)を破り、規定により四段昇段(プロ入り)の資格を得た。
中学生だった2年前、藤井聡太王将(22)=7冠=以来の中学生棋士誕生が期待されながら三段リーグで3位に終わり、次点にとどまった。同リーグは次点を2回獲得すると順位戦出場資格のないフリークラス四段への昇段が認められる。竜王戦では5組決勝進出で次点1の扱いとなる特例が4月に定められ、山下はこの日の白星でフリークラス入りの権利を獲得した。
ただし現在進行中の三段リーグで降段点(勝率2割5分以下)となると取り消しとなり、山下は「昇段の可能性が高いとはいえ、まだ決まってはいないので気を引き締めてリーグに臨みたいです」と神妙な表情だ。その三段リーグは現在1勝1敗で、残りは16局。トータルで5勝を挙げれば降段点は免れるが「一局一局を大切に戦っていくしかないです」と、終始慎重だった。
現在高校2年生。竜王戦では次戦の5組決勝(12日)に勝ち、本戦入りを果たせば竜王への挑戦も視野に入る。現時点での実力は未知数でも「ネクスト藤井」の一人であることは間違いない。(我満 晴朗)