杉咲花&池脇千鶴らが出演! 国際共同プロジェクト『十年』日本版公開へ

2018年5月4日(金)10時10分 シネマカフェ

『十年 Ten Years Japan』(C)2018 “Ten Years Japan” FilmPartners

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杉咲花太賀、川口覚、池脇千鶴、國村隼ら実力派俳優たちが参加した、是枝裕和監督総合監修の国際共同プロジェクト『十年 Ten Years Japan』が、今秋公開されることが決定。キャスト陣からコメントも到着した。

『十年 Ten Years Japan』は、香港で社会現象となったオムニバス映画『十年』を基に、日本、タイ、台湾それぞれで自国の現在・未来の多様な問題意識を出発点に、各国約5名の新鋭映像作家が独自の目線で10年後の社会・人間を描く国際共同プロジェクト「十年 Ten Years International Project」の日本版。

今回その日本版のエグゼクティブプロデューサーを務めるのは、『海街diary』『海よりもまだ深く』などを手掛け、来月『万引き家族』の公開を控える是枝裕和監督。オムニバス映画の総合監修を務めるのは初の試みとなった今回、是枝監督の最終ジャッジのもと、脚本のクオリティ、オリジナリティ、将来性を重視し、5人の日本新鋭監督たちが選ばれ、昨年10月〜12月に各作品の撮影が行われた。

■川口覚主演『PLAN75』
ストーリー高齢化問題を解決するために、75歳以上の高齢者に安楽死を奨励する国の制度「PLAN75」。公務員の伊丹は、貧しい老人たちを相手に“死のプラン”の勧誘にあたっている。一方、出産を間近に控えた妻・佐紀は認知症の母親を抱え途方に暮れていた…。
まず、早川千絵監督による75歳以上の高齢者に安楽死を奨励するという未来版“姥捨て”を描く『PLAN75』。主演には、『ZERO NOIR』『センチメンタルカラス』の川口覚。老人に死のプランを勧誘する公務員役を演じるほか、山田キヌヲ、牧口元美らが出演。川口さんは、「早川監督はじめスタッフの皆様と、素敵な共演者の方々と『PLAN75』のテーマを切実に受け取り、撮影に臨みました。ぜひ沢山の方にご覧いただきたいです」とコメントしている。

■國村隼主演『いたずら同盟』
ストーリー国家戦略IT特区となったとある田舎町の小学校。そこに通う子どもたちは、人工知能システム“プロミス”による効率的な将来予測と画一的な道徳に従いさえすれば苦しむことはない世界が日常となっていた。ある日、小学校で飼っている老馬へ、殺処分の判断がなされる。いつも反抗的で独りトラブルばかり起こすリョウタだが、クラスメイトのマユとダイスケとともにいたずらを画策する。
木下雄介監督による、AI知能で道徳を刷り込まれた特殊学区の子どもたちを描く『いたずら同盟』で主演を務めるのは、圧倒的な存在感と確かな演技力で国内外で活躍し続ける名俳優・國村隼が演じる。國村さんは、「10年後の母国を想う…。現在、アジアそれぞれの国で起こっている様々な問題や出来事、自然の事象。それらを踏まえて激動する東アジア各国の10年後を見据え、これを映画で描きだしていく。このアイデアにとても興味を持ち、共感も出来ました。またその作品群の先鞭をつけたのが、僕のキャリアにとても縁の深い香港だということも参加への大きな後押しとなりました」と参加した理由を明かしている。

■杉咲花主演『DATA』
ストーリー母の生前のデータが入った「デジタル遺産」を手に入れた女子高生の舞花。データをもとに母の実像を結ぶことに喜びを感じていたが、母の知られざる一面を見つけてしまい…。少女の目を通した、記録と記憶を巡る物語。
津野愛が監督を務めた『DATA』の主演は、『BLEACH』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』の公開を控え、また現在放送中のドラマ「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」でも主演を務めるいま一番勢いのある若手実力派女優・杉咲花。産まれてすぐに亡くなった母の面影を求め、デジタル遺産によって明らかになる母の知られざる一面をたどる女子高生を演じ、ほかにも田中哲司らが出演。杉咲さんは「確かに存在したはずの小さな光にいつまでも目を向け続ける、舞花のピュアでまっすぐな人柄にとても魅力を感じました。優しい空気の流れる津野組はとても居心地が良く、とても幸せな時間でした」と撮影をふり返っている。

■池脇千鶴主演『その空気は見えない』
ストーリー大気汚染によって地下への移住を強いられた日本。「地上の世界は危険だ」という母の教えを守り、地上の生活を知らずに地下の街で育った10歳の少女ミズキは、地下での生活に何の疑問も持たずに生活していた。ある日、ミズキの友人カエデが地下の街から突然姿を消す。ミズキはカエデが残したある物を見つけたことをきっかけに、まだ見ぬ地上の世界に夢を抱くようになる。
藤村明世監督による大気汚染によって地下への移住を強いられた母娘の姿を描く『その空気は見えない』の主演を務めるのは、『潔く柔く』『そこのみにて光輝く』に出演し、是枝監督最新作『万引き家族』にも出演する池脇千鶴。「どんなプロジェクトであろうと、本が面白ければ参加したいと常々思っております」と言う池脇さん。「『その空気は見えない』も、とても短いお話ゆえに、想像をかきたてられる本だったので、面白そう、やってみようと思いました」と出演決定理由を明かし、「撮影期間は短かったですが、もっとじっくりやりたかったと思わせてくれる現場でした」と語っている。

■太賀主演『美しい国』
ストーリー自衛隊徴兵制が義務化された日本。徴兵制の告知キャンペーンを防衛省から請け負った広告代理店に勤める渡邊は、政府からの要請で若者に親しみやすいポスターデザインに変更するため、元のデザインを担当したベテランデザイナー・天達に一人謝罪しに行くことに。そこで天達のデザインに込められた思いを知ることになる——。
そして、石川慶監督作『美しい国』で主演を務めるのは、「ゆとりですがなにか」や10月からは「今日から俺は!!」の出演も決定している太賀。自衛隊徴兵制が義務化された日本を舞台に、徴兵制告知キャンペーンを請け負った広告代理店で働く若者を好演する太賀さんは、「脚本を読んだとき、途方もなく突き放された気持ちになりました。それは主人公と同じような、自分自身の無自覚さへの失望でした。出演を即決しました」と当時の心境を述べ、「近い将来がどうなってしまうのか、映画でさえ必要とされているのかもわかりませんが、変わりゆく日本でこうした作品がいま産み落とされることにとても意義を感じます。石川組に参加出来たことを誇りに思います」と参加できてよかったと話している。

『十年 Ten Years Japan』は2018年秋、テアトル新宿ほか全国にて順次公開。

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