たるみアゴに腹プニの福山雅治…年を食っても「安定のカッコよさ」を強いられるイケメンの受難

5月4日(水)22時0分 messy

左『1989』ポニーキャニオン/右『HUMAN』ユニバーサルJ

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 近年、頻繁に使われるようになったワード「劣化」。10代でも20代でもおかまいなし、女性タレントに向かって主にネット上で劣化劣化と上から目線の品評会が繰り広げられています。人間が年を取って姿かたちに変化が見られるのは当たり前のことなのに、まさか永遠に変わらない工業製品だとでも思っているのでしょうか?(というか朝から晩まで毎日同じクオリティの日ってありません。24時間365日、完璧に美しい状態がデフォルトだとでも……?)

 また、テレビや雑誌、広告に起用されるようなタレントさんたちの“素材”が凡人とは違うことも確かですが、当然、プロのヘアメイクさんや照明、カメラマン、さらに写真補整技術などが加わってスペシャルな商品となりお届けされています。そのあたりを加味せず、神レベルだの劣化だのやかましいものですね。

 こうした傾向はすでに、男性タレントにも向けられています。凡人男性は凡人女性と比べてその容姿を日常的に「見られている」意識が低くなりがちですが、芸能界で仕事をする人々はそこに男女の別がありません。いつまでもイケメンであることを要求され、なんだか気の毒になっている男性……その筆頭は、福山雅治(47)でしょう。

 端正な顔立ち、セクシーな声、長身、痩せすぎず太らず筋肉質な体で、白シャツ+ジーンズが驚くほど似合っちゃうかっこよすぎる男の代表格だった福山も、現在47歳もうすぐ50歳。その年齢で20歳以上も年下の女の子と恋愛ドラマって設定自体に無理があるのですが、福山なら何とかしてくれるだろうと期待をかけちゃったのでしょうか、放送中の月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ系)は、イケメン風を吹かせ続けなければならない福山が痛々しい仕上がりになっています。せっかく『ガリレオ』シリーズや映画『そして父になる』といった非恋愛モノで俳優としての地位も磐石になったのに、ここでわざわざラブストーリー、失策としか言いようがありません。視聴者はものすごくかっこいい大人の男だったはずの福山が、普通に老けていることを目の当たりにしました。



 普通に老けているといっても、凡人男性の40代後半と比べたら、そりゃ尋常じゃなくかっこいい男性であることは間違いありません。しかしプニッとたるんだお腹や、シャープでなくなったアゴのラインで「かっこいい俺」を演じさせても、勘違い臭が漂ってしまいただただ残念。ドラマが低視聴率にあえいでいることもあり、20年以上かけて築き上げたであろう福山ブランドが脆くも崩れてしまいそうで非常にもったいないです。せっかく<50歳間近にしては若く見えるしかっこいい>のですから、あえてイケメン役ではなく、非イケメン役だったり、三枚目キャラをあてれば、別の魅力が引き出されて盛り上がったかもしれません。ストーリー的に恋愛モノでなければならない縛りがあったとしても、必ずしもイケメン主人公でなくていいはずで、また、非現実的なレベルの若い女子とのロマンスではなく、せめて40代女優との物語ならばここまで違和感がなかったのではないでしょうか。ただ、ここ数作の流れとして月9は今、とにかく若い視聴者を取り込みたいようですから、それは実現不可能だったのでしょう。

 常にイケメン風を吹かせる役回りでそろそろ損をしているんじゃないかと思える俳優がもう一人、藤木直人(43)です。放送中のドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)で、主人公の独身女性・中谷美紀になぜか“毒舌”恋愛指南をする和食ダイニングの店主という役どころを頑張っています。

 同じく恋愛できない系中年女性を主人公にした数年前のドラマ『ラストシンデレラ』(フジテレビ系)で演じた役と似たようなポジションですが、今回は原作本が『スパルタ婚活塾』なる女性向けの恋愛指南本であるためやたら説明的なセリフが多く、徹底的に“恋愛いろはを教える人”。この役が藤木である必要はあったのでしょうか。イケメンに言われれば説得力あるでしょ、って? いやいや、客とプライベートな関係があるわけでもないのににここまでズカズカ立ち入って“毒舌”(こう言えば暴言が許される決まりありますよね)をかます男、どう見ても厄介なおじさんです。藤木直人はもともと、コメディも含め様々な役を演じてきた(『ギャルサー』のおっさんカウボーイとか)俳優ですが、近年は“デキるイケメン上司”をやる作品が多く、40代後半に向けてそろそろ脱イケメン作業に入ったほうが良いのではないでしょうか。参考になるのは、年下ではありますが要潤(35)ではないかと思われます。また、藤木とタイプの異なる役者たち、たとえば堤真一や阿部寛、堺雅人らは、恋愛ドラマでイケメン役を課されることからすでに脱しています。



 最後に、キムタクこと木村拓哉(43)の名前を挙げておかなければなりません。20代で大ブレイクし、28歳で結婚してからもしばらくはラブストーリーの主演を張り続け、イケメンの代名詞にされていました。カリスマ美容師、パイロット、アイスホッケー選手、レーシングドライバー、総理大臣とコスプレ的な役どころに次々挑戦した後、2010年の主演月9『月の恋人〜Moon Lovers〜』(フジ)で、モテモテのやり手社長を演じて以降は、普通の会社員(からのホームレス)役を経て父親役もこなし、“何をやってもかっこいいキムタク”からは見事に脱却できました。趣味のマリンスポーツで盛大に日焼けしていた時期もあり、これからは顔に無数のシワが刻まれていくでしょうが、今後も俳優として活動していくならばそのシワは大いに活きてくることでしょう。

 福山に話を戻せば、いつまでも30代前半頃までと変わらぬイケメン枠におさめ続けること自体に無理があります。人間が年相応に老けていくことはちっとも悪いことではなく、むしろシミシワひとつないピンと張ったビニル肌の50代は不自然すぎてドラマや映画で使えません(ドラマや映画に出ない人ならどんだけビニル肌追求しても自由ですが)。問題なのは、イケメン枠に入れてきたタレントだって当然変化していくのに、その変化を見て見ぬふりしてイケメン役をやらせ続けることで、タレント自身が損をするということです。また、若々しさがなくなっても、枯れたイケメン、渋いイケメンの需要はありますゆえ、白髪やシワ推しにシフトチェンジしてくれたったいいのです。そのほうが白髪染めや滑稽なハゲ隠しよりかっこよく見えるかもしれません。そして恋愛モノのドラマ作品でも、イケメン枠というボックスから足抜けして、いろいろなタイプのかっこいい大人の男性像が描かれれば、その作品に興味を持つ視聴者は自然と増えるのではないでしょうか。

(犬咲マコト)

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