芸歴50年超・浅野ゆう子「常に新鮮でいたい」 活躍し続ける秘訣や仕事に対する覚悟を語る

2025年5月4日(日)13時45分 マイナビニュース


●50代を迎えた頃から「一作一作が本当に大切なものだと感じるように」
昨年芸歴50周年を迎えた女優の浅野ゆう子。近年は舞台にも精力的に出演するなど、64歳の今もパワフルに活動しており、5月5日にスタートするNHKの夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから2』(NHK総合 毎週月〜木曜 22:45〜23:00)ではカリスマ婚活コンシェルジュ・東堂百合子役を熱演している。浅野にインタビューし、これまでのキャリアを振り返りつつ、今の仕事に対する思いを聞いた。
浅野は「あっという間に50年経ったんだなと感慨深いものがありました」と述べ、「好きだからこそ続けてこられました」としみじみと語る。
母親が芸能界に進ませたいと願っていた影響もあり、小さい頃から芸能界に進むことを意識していた浅野。中学生で歌手デビューした当初、「ただただ憧れで始めた世界。でも実際に入ってみて芸能界は厳しい世界なんだなと14歳で感じました」と厳しさを知るも、「割と楽天的なので、いつかいいお仕事ができるのかなと思っていました」と前向きだった。
歌と芝居の両方で活動していたが、年齢を重ねていくうちに「私は歌よりも芝居を演じる方が好きだし向いているのではないか」と気づき、25歳のときに事務所と相談した上で芝居に専念することを決意した。
「芝居1本でやっていきたいと心に決めてから、3年ぐらいして出会ったのがトレンディドラマでした。その後、30歳過ぎて『藏』という映画のお話をいただき、40代になってから『大奥』に出演させていただき、年齢とともにいろいろなきっかけとなる作品を頂戴していて、そのたびに幸せな人生を歩んでいるなという気持ちになります」
女優業において一番やりがいを感じる瞬間は、キャスト・スタッフ全員で作品を作り上げ、完成して喜びを分かち合うときだという。
「いろいろな方とセリフのやり取りをしたり、演出家の方のご指導をいただいたりしながら作品を作り上げていくのですが、出来上がって『楽しかったね』とみんなで話しているときが一番楽しいです」
そして、「いただいた役を精一杯演じることが、お声をかけていただいたお返しだと思っています」と述べ、年齢を重ねてより一つ一つの作品や役への思いが強まっていると明かす。
「50代を迎えたあたりから一作一作が本当に大切なものだとすごく感じるようになりました。人生の後半に入っていますし、いつ何が起きても不思議ではない時代ですし。刹那的に『これが最後かもしれない』という考え方はしませんが、1本1本を大切に演じていくことが自分の人生の幸せなのだと考えるようになりました」
そんな思いで『ワタシってサバサバしてるから2』も大切に演じたという。本作は、2023年に同名の大ヒットコミックを初ドラマ化した『ワタシってサバサバしてるから』(通称“ワタサバ”)の続編。丸山礼が再び“自称サバサバ女”の主人公・網浜奈美を演じ、私立の有名進学高校の教師となって大暴れ。さらに、有名婚活コンシェルジュの相談所の門をたたき、婚活パーティーでも騒動を巻き起こす。
「もともと原作を読んでいた作品にオファーをいただけて、漫画原作の作品が非常に多い今の時代ならではのお仕事ができるということはすごくうれしいですし、自分が『面白い』と思っていた作品に声をかけていただき、本当に幸せな仕事をさせていただいているなと改めて感じました」
●働く人たちへメッセージ「ダメかもしれないと思ったときに…」
活躍し続ける秘訣を尋ねると、「オファーがあっての私たちの仕事ですから、日々精進するしかないのではないでしょうか」と答えた。
続けて、「自分が新鮮に感じていないと周りの方に新鮮に感じていただけないので、いつも自分自身が新鮮な気持ちを持てるように意識しています」と明かし、「例えばシーズン1、シーズン2で同じ役を演じても、違う一面や違うシチュエーションがあるので、そこに新しさを見出したり、『ワタサバ2』に関しても、東堂百合子さんをどう演じたら新鮮に感じてもらえるのだろうかと考えたり、自分自身が常に新鮮でいたいと思っています」と語った。
そして、今後について「オファーがあればできる限り受けさせていただきたい」と述べ、「新しい役をいただけるのであれば、そこに新しい自分を投影できるように勉強もしていかないといけない」と、まだまだ自分を高めていくつもりだ。
また、「今は舞台がとても好きで、時間をかけてお稽古して積み重ね、お客様に見ていただいて、お客様の反応で日々芝居が変わっていくというのは、役者にとって非常に刺激的な仕事なんです。時間をかけてじっくり向き合うというのは映像ではほぼないことなので、すごく大切に感じていて、1年に1〜2本は舞台に出演させていただきたいと考えています」と舞台への思いも明かした。
働く人たちへのメッセージもお願いすると、「ダメかもしれないと思ったときに、もうひと踏ん張りするという手はあるのではないかなと思います。もうひと踏ん張りだけしたら、違う面が見えてくるかもしれないですし、そういう風に仕事の楽しさを見つけていただけたら」とエールを送り、「私は好きな仕事をさせていただいていますが、もちろんやりたくない仕事も受けます。それはプロだから。若い頃から『好きなことだけやるんだったらアマチュアでどうぞ』と言われ続けていて、仕事としてお金を稼ぐという意味でも、自分の意図しない仕事も受けるようにしてきました」と語った。
ひと踏ん張りしてよかったと感じたエピソードを尋ねると、「どんなに体調が悪くても現場に行っていました。今の時代は絶対にダメなことですが(笑)。お断りできない仕事だと植え付けられて育っていますから。私が休んだら何百人という人に迷惑がかかる。そこで踏ん張ってよかったなと思うことは多々ありました」と答え、「今はそういう時代ではないかもしれませんが、それぐらいの覚悟を持って仕事と向き合っています」と力強く語る浅野。作品に対する真摯な姿勢やプロ魂に第一線で輝き続けている理由を感じた。
■浅野ゆう子
1960年7月9日生まれ、兵庫県神戸市出身。1974年5月25日に歌手としてデビューし、「恋はダン・ダン」で日本レコード大賞新人賞受賞。1988年の連続ドラマ『君の瞳をタイホする!』以降、数々のトレンディドラマでヒロインを演じ、多くの支持を集める。映画『藏』(95)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。近年は舞台にも精力的に出演している。

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