ロッテ・鳥越裕介ヘッドコーチの背ネームはなぜ「USUKI」なのか?

5月5日(日)11時0分 文春オンライン

 千葉ロッテマリーンズはシーズン中に6回、青色の特別ユニフォームでプレーをする。マリンフェスタと言われるこの企画。特徴は背ネームがニックネームであることだ。監督、コーチ、選手たちがそれぞれ自分たちで思い思いのニックネームを背にしてプレーをしている。レアードは「SUSHI BOY」、バルガスは「GORILLA」。これは監督、コーチも同じ。中でも鳥越裕介ヘッドコーチの「USUKI」は異彩を放っている。



USUKI ©梶原紀章


なぜ背ネームを「USUKI」にしたのか


「名前では面白くないしね。せっかくだから自分の地元を入れようと思った。迷わず決めたね」と鳥越ヘッドは「USUKI」に決めた理由を教えてくれた。


 大分県立臼杵高校出身。今も実家があり年末年始は必ず帰省する。高校を卒業後、上京をしたこともあり、なおさら地元への想いは強い。あの時、両親に見送られ空路、一人、東京に向かった。思い出の詰まる地元を一人、離れての旅立ち。「機内で思わず涙が出た」とシミジミと当時を振り返る。ただ不思議な事に羽田空港に着いた後、どのようにして明治大学野球部の寮がある東京都調布市の最寄り駅、つつじヶ丘にたどり着いたのかはまったく覚えていない。


「どうやって行ったんやろうな。まったく覚えていない。当時はGoogle Mapもないしな」と本人は笑うだけだ。


 大学時代は日米大学野球選手権に出場するなど活躍。ドラフト2位で中日ドラゴンズに入団した。野球で頭角を現す一方、故郷を離れて初めて地元への想いは強くなった。


「住んでいた時はずっと都会に出たいと思っていた。当時はコンビニもなかったからね。でも、いざ出ると、いいところだなあとしみじみと感じるようになった。古い町並みが残されていて、城下町は風情がある」


 自慢の故郷。だから背ネームがニックネームになり自分で決める時、少しでも地元のPRになり、同郷の人たちへのメッセージになればと「USUKI」にした。



「臼杵はオレの胸の中にいつもある」


 さっそく反応はあった。HPを見てこの事を知った東京に住む臼杵市出身、約1500人で構成される「東京臼杵会」の会報誌に登場して欲しいとの依頼が入ったのだ。


「面白いね。こうやって繋がっていって、輪が広がっていって。背ネームを『USUKI』にして本当によかった」


 ZOZOマリンスタジアムにて東京臼杵会のメンバーと面会を行うと嬉しそうな表情を見せた。ちなみに臼杵市は大林宣彦監督の映画「なごり雪」の舞台であり、劇中には臼杵の古い町並みをみることが出来る。


「大学の時もプロに入ってからもコーチになってからも臼杵はオレの胸の中にいつもある。なにか地元のために出来ないことはないかといつも考えているよ。ちなみに街並みもいいけど、フグがうまい! これも書いといてくれ」



「USUKI」を背にベンチで仁王立ちする鬼軍曹の姿は今シーズン、あと5回、見ることができる。次回は5月26日の福岡ソフトバンク戦(ZOZOマリンスタジアム、14:00試合開始)。ちなみに地元を背ネームに入れている他にもいる。大塚明外野守備走塁コーチが「BEPPU」(大分県別府市出身)、種市篤暉投手「MISAWA」(青森県三沢市出身)。みんな、地元が大好きなのだ。


梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)


◆ ◆ ◆


※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト https://bunshun.jp/articles/11650 でHITボタンを押してください。





(梶原 紀章)

文春オンライン

「ロッテ」をもっと詳しく

「ロッテ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ