江頭2:50など強烈キャラ揃いの大川興業が大切にする「お笑い」への眼差し

5月5日(土)14時0分 週刊女性PRIME

大川総裁

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江頭2:50や阿曽山大噴火など個性的かつ強烈なキャラクターを世に送り出している大川興業。そこには、媚びることなくやりたいことをとにかく貪欲にやるという精神が存在する。事務所の代表者でもあり、「笑いに聖域なし」と断言する大川興業総裁こと大川豊氏に話を伺ったーー。

ーー大川興業と言えば、個性的かつ強烈なキャラクターの芸人さんが在籍していることが印象的ですが、実際どうのように育成をしているのでしょうか?

総裁(以下、略)「とにかく褒めて育てる。何でもいいからやってみろと彼らには、言っています。常に、来るもの拒まずの精神ですよ。

 芸人は人を喜ばせる仕事なので、大きな声で挨拶が出来ること。これさえできれば、まずはいいんですよ。江頭だって初めて会った時、挨拶がきちんとできる好青年だからこそ採用したんですから(笑)」

ーーテレビで見る江頭さんのイメージが強いだけに、意外ですね。ちなみに大川興業には、今どのくらいの芸人さんがいるんでしょうか?

「10人ですね。意外に少ないでしょ。少数精鋭過激集団です(笑)。でも、うちのライブには、ほかの事務所の芸人さんにも出てもらっています。

 ちなみに、お客さんが気軽に見られるように『100円すっとこ』っていう舞台をやっているのですが、オーディションさえ通れば誰でも出演できるようにしています。

 それが下ネタでも過激なネタでも、面白ければ拒みませんよ。だから、うちのライブにはとんでもないヤツらばかり来ちゃうんですけどね」

ーー具体的にはどんな方がきていますか?

「例えば、宇宙人を呼べるヤツが来ましたね。俺が“申し訳ないけど見えない”って言ったら、“小さいから見えないんですよ。あちらにいますから、手を振ってください”と返してきた。

 それで手を振ったら、“あっ、こちらを見て笑っています。宇宙人を笑わせた人は総裁が初めてですよ、やっぱりすごいですね総裁は”なんて褒められて、参っちゃいましたよ。

 だから、次は宇宙人とコンビ組んでまた来てくださいって言いましたけど。さすがに、お笑いをやりたいという気持ちがないといくらうちでもライブの出演は難しい(笑)」



■優秀な人材が集う場所





ーー誰でも良いわけではないんですね。

「もちろんですよ。ただ困っちゃうのは、うちに寺田体育の日という副総裁がいるんですけどね。多くの場合、彼がライブの出演オーディションを担当するんですけど、優秀な人物まで落としちゃうこともあって。それだけは勘弁してくれって言っているんですよ。

 たとえば、結成当初のラーメンズをオーディションで落としちゃったんです。副総裁に理由を聞いたら、“カッコつけているの嫌いなんすよ。しかも、ネタにラーメンが出てこないんすよね”って。昨年、番組で共演したときにそのことをラーメンズに謝りましたよ(笑)」

ーー副総裁も強烈な方なんですね……。大川興業はお笑いのやる気があれば来るもの拒まずというわけですか?

「そうです、そうです。だから、昔からほかの事務所で、あまり舞台に出られないヤツらがうちのライブに来ていました。

 たとえば、大学を中退してコンビを組んで間もない、くりぃむしちゅー。同じくコンビを組んですぐのころのキャイ〜ンもそうだし。あとは、ダンディー坂野、ドランクドラゴンとかね」

ーー名前を聞くと、そうそうたるメンバーですね。

「くりぃむしちゅーのふたりがスゴいと思ったのは、どの芸人さんもうちの事務所が怖いからと所属は避けていたのに、彼らだけは土下座して“大川興業に入れてください!”と言って、お客さんを笑わせに来ていたもんな。

 彼らの場合は当時から売れるなって思いましたよ。営業努力がずば抜けていましたね。

 あとは、キャイ〜ンのウドなんかライブに関係なく現場に来ていましたよ。何時間もずっと外で待っていて、警備の人が来て“外に変な青年が待ってます”って言うから、仕方なく出て行ったらウドが“総裁、ボク、お笑いやりたいんですよ”と言ってきて(笑)。

 で、彼がポカリスウェットを差し入れてくれるんだけど、俺が出てくるまでのあいだ何時間も持っていたから生温かいのよ(笑)。でも、とにかくお笑いをやりたい気持ちを伝えたかったんでしょうね」





ーーある意味、大川興業は登竜門的な存在だったのですね。現在、芸人はお笑い養成所を出てデビューするというのが一般的な流れだと思うんですが、どう思いますか?

「お笑い養成所の存在は、ある意味で芸人の幅を狭めているような気がしますね。

 今、芸人になるのに100万円かかると言われていて、それは養成所の入学金やライブのチケットノルマとかでね。だから、お金がないと芸人になれない時代なんですよ。俺はおかしいと思う。

 お金がなくても、笑いへの情熱があるヤツが芸人になるべきだと思う。だからうちは、一切お金を取らない。実際、スクールというか事務所内でのネタ見せを通してお笑いの指導をやっているのですが、それすらも完全に無料ですから」

ーー大川興業がお笑いのレッスンをやっているというのも意外な感じがしましたが。

「さすがに芸人として、最低限のことは教えますよ。俺も月に二回教えています。あとは、副総裁と放送作家さんで。

 授業内容は、若手芸人のスマホ画面を大きいスクリーンに映して、Yahoo!の検索履歴を見るんです。そうすると、たいがい、18禁のサイトとか出てきて、それを見ながらバカなことを言い合うんですよ。これが面白いんです。

 あとは、一応テレビでの立ち振る舞いとか、テレビ的な笑いなんかも教えていますよ」

ーーそのほかに、大川興業ならではのシステムなどあればお聞きしたいのですが。

「資格ですね。俺が、資格を取らせるのが好きで、若手にやらせるんですよ。銀河と牛というコンビには、アマチュア無線の資格を取らせるのに、機器の購入代金含めて4万円出しましたよ。なのに、あいつら最近、おはじきサッカーに興味出しちゃってね。参っちゃいますよ(笑)。

 あとは、秀真&拓磨というコンビには、ドローン買い与えました。保険込みで10万円。これでドローン芸人になって、色んなところの空撮して来いって」

ーーちなみに総裁は、どんな資格をお持ちですか?

「ないです(笑)。取らせるのが面白いんですよ、だから、若手にも楽しんで取って来いと言ってます。これは、俺の趣味ですね。だから、費用も出してやるから取って来いというわけです。何がきっかけで売れるかわからない時代ですから」





ーーそういう意味では、売れるためには何でも武器にすることですか?

「もちろんそうです。あとは、お笑いは熟成期間が必要だから、継続は力なり。本気でやる気があるかどうかが問われるんですよ。

 だから、長くやってる江頭は超人ですよ。しかも、俺がやれと言ったことに対して、できないといったことが一度もないですから(笑)。

 お尻の穴から白い粉を出す芸も、ふたりでじっくりと生み出したんです。ケガしちゃいけないので、病院に行って腸や肛門の勉強をして、何度もソロライブや本公演で練習して出来るようになった賜物なんです。あいつはバケモノだね」

ーー阿曽山大噴火さんもビジュアルからしてバケモノ感がありますが。

「たしかに、阿曽山大噴火もバケモノだね。事務所に入ってからしばらくは新宿西口改札出て3秒の所で段ボール生活のホームレスをやっていました。

 朝5時に警備に起こされるので、その後、新宿区役所にシャワー浴びに行くんですよ。あいつに言ったアドバイスはシンプルにふたつ。

 “匂いに気をつけろ”と“お笑いをやりたい気持ちは忘れるな”だけです。

 オウム裁判に連れて行ったのがきっかけで、今の芸風になりましたが、そこから毎日裁判所傍聴ですね。そのへんの司法記者より行ってますよ。当選倍率が高かった、ホリエモンの裁判傍聴も引き当ててましたからね。

 プロとしてやるんだったら100円のおにぎりを盗んだ事件の裁判から、世間を騒がす重大な事件までとことんやってもらいたい。

 みんなテレビを目指しているけど、うちはネタはなんでもOK。メディアでは放送できないネタでも好きにやれと! それをやらないから、ユーチューバーに仕事を取られているんです。あとは日本以外でも活躍してほしい。

 いまのところ、それが出来るのは江頭だけだな(笑)。だから、あいつにはユーチューバーになって世界へ行けって言いたいですよ」

ーー総裁が言ったら行くことになるんでしょうね(笑)。江頭さん、阿曽山さんのお話で大川興業の笑いに対する姿勢がすごくよく伝わりました。大川興業も含めて、これからのお笑い界はどうなっていくとお考えですか?

「今の売れている芸人っていうのは、多くが真面目なコメンテーターであり、ご意見番になってしまってる。

 芸人は本来、ネタにされる側。社会に迷惑かけながら、笑いにする。バカやって、お客さんのココロに“貯金”する。今の芸人は、高学歴だったり、お金持ちもいたり、スポーツ万能だったりエリート過ぎちゃうよね。もっと、ドロップアウト組の芸人がたくさん出てきてほしいし、そうじゃなくても破天荒であるべき。

 そういう意味では、うちの事務所だけが一億総活躍社会ですよ。今のままだと、うちだけ生活保護の対象ですよ。お笑い界の駆け込み寺ですから」

ーーそんな総裁がいま一番、注目している芸人さんはいますか?

「籠池夫婦が最高ですね。あんな面白い夫婦はいないですよ」

ーー(笑)! 芸人さんでお願いしたかったんですが……。



◎元吉本新喜劇所属。芸人、役者時代の人脈を活かし、体当たり取材をモットーに既成概念にとらわれない、新しいジャーナリスト像を目指して日々飛び回る。

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