月間新人MVPの大谷翔平 カメラマンが選ぶ「TVに映らなかった5つの名場面」

5月6日(日)11時0分 文春オンライン

 アメリカン・リーグ、4月の最優秀新人に選ばれたエンゼルスの大谷翔平。現地で大谷を撮る日本人カメラマン・田口有史氏が、「5つの名場面」をピックアップする。MLBオフィシャルフォトグラファーの経験も持ち、アメリカと日本を行き来しながら20年以上スポーツを撮り続けている田口氏が見た、「TVには映らない大谷の凄み」とは——。


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【名場面1】初登板第1球、96マイルのストレートでストライク



©田口有史


 4月1日。大谷選手注目の初登板の第1球。スプリングトレーニング期間中、結果が出ていないとか、メジャー相手に投げていないとか、マイナーからスタートするべきなどと言われていた中で迎えたマウンド。カメラマンとしても、オープン戦の最中、ネット裏で撮影していた時に、ストライクゾーンを大きく外れてこちらまで真っ直ぐに向かってくるような時があったため、果たしてコントロールが定まるのであろうかと、多く人が注目するなか投じた、メジャーリーグ初球。96マイル(約155km)のストレートが綺麗にキャッチャー、マルドナドのミットに収まると、球場全体がホッとするような雰囲気に包まれ、そして今度はなかなかやるんじゃないかという空気になった。


【名場面2】本拠地初打席でホームラン。“新人いじり”に満点リアクション



 オークランドでの開幕戦、初打席初安打を記録したのち、本拠地でのお披露目となったホームゲーム第2戦。最初の打席でいきなりホームランを放ちベンチに戻ると、メジャーリーグ恒例の新人いじり。“サイレントトリートメント”で出迎えられた。喜んでダグアウトに戻ると、誰ひとり振り向いてくれない。そんな中、ひとりエアハイファイブ(ハイタッチ)をしたのち、我慢できずに主力選手の1人、イアン・キンズラー選手に飛びついて祝福をせがむ。多くの新人が、どうして良いか戸惑ってオロオロする事が多いこのいたずらに対して、満点のリアクションで返す大谷選手は、やはりプレー以外でも今までの常識を覆すような選手なのかと感じられた瞬間であった。



【名場面3】本拠地デビュー戦、派手さはないが凄みを感じた第4打席のセンター前ヒット



 本拠地デビュー戦、ホームラン、ライト前ヒット、三振ののちに迎えた8回の第4打席でセンター前ヒットを放つ大谷選手。オークランドでの初打席で初ヒット、本拠地初打席で第1号ホームランと、バッティングに関しても見出しになりやすい、派手なことをやり遂げてはいたものの、打者としてその能力を改めて認識させられた打席。昨シーズンから中継ぎに専念して防御率2.61、奪三振率9.6と、中継ぎ投手として開花したザック・マカリスターのストレートをセンター前に打ち返した打球の鋭さに、これは打者としても凄いな、きっとやっていけるだろうなと感じさせる打球だった。


【名場面4】ダグアウトで主力投手を自然な振る舞いでねぎらう



 投手としては初登板初勝利、前日の本拠地デビューは初ホームランを含む4打数3安打。フィールド上のパフォーマンスでは十分すぎる実力を示した大谷。ダグアウトの振る舞いで印象に残ったのがこのシーンだ。2回裏。この日の初打席に向けてダグアウトで打席への準備をしていると、先発投手のタイラー・スカッグスが隣に座る。すると左のエースとも言える主力投手に、自ら拳を合わせてピッチングをねぎらった。その自然な表情と立ち振る舞いに、メジャーリーガーとして、またチームの一員としてすっかり馴染んでいることが垣間見えた気がした。


【名場面5】本拠地初先発でオルソンを三振にとってガッツポーズ



 本拠地デビューから3試合連続ホームラン。打つ方で地元のファンに大きくアピールをしたのちに迎えた本拠地初登板。ほぼ満員の4万人以上の観客が詰めかけるなか、圧巻の投球。7回途中までパーフェクトに抑えていたが、1アウトから、4月1日の初登板で対戦して三振に斬ったマーカス・セミエンにヒットを許し、さらに続くジェド・ロウリーに四球を出しピンチを招く。その後、4番クリス・デービスをピッチャーゴロ。2アウト2、3塁としてから、昨シーズン、5試合連続ホームランを放っているマット・オルソンを迎えた場面。三振を奪った大谷は、珍しく雄叫びをあげる。プレー中はあまり表情を出さない選手と思っていたが、周りのカメラマンたちも「あれ? 今、叫んだ?」と、思わず驚いたガッツポーズだった。



(田口 有史)

文春オンライン

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