舘ひろし、渡哲也の言葉「お前には華がある」を信じて駆け抜けた俳優人生

5月6日(日)7時45分 クランクイン!

『連続ドラマW 60 誤判対策室』で主演を務める、舘ひろし クランクイン!

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 ダンディーな刑事役といえば、俳優・舘ひろしの専売特許。ところが、最新主演ドラマ『連続ドラマW 60 誤判対策室』では、ヨレヨレのスーツに無精髭、過去の失態を引きずりながら定年の日を待つベテラン刑事に扮し、これまでのイメージとは真逆のキャラクターに挑んでいる。「この作品はターニングポイントになるかもしれない」と自信をのぞかせる舘が、過酷な撮影を振り返るとともに、自らの人生のターニングポイントについても真摯に語った。  本ドラマは、死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織「誤判対策室」に所属する定年間近の刑事・有馬英治(舘)、若手弁護士の世良章一(古川雄輝)、女性検察官・春名美鈴(星野真里)が繰り広げる本格ミステリー。かつて担当した事件で無実の男(竹原ピストル)を冤罪に陥れた過去を持つ有馬が、自らの贖罪の気持ちを糧に“ある事件”の調査に没頭していく姿をリアルに描く。

 映画『私の男』で2014年モスクワ国際映画祭最優秀作品賞を受賞した熊切和嘉監督がメガホンを取り、『そこのみにて光輝く』で数々の賞を受賞した名手・高田亮が脚本を手がけるという、テレビの枠を超えた贅沢なスタッフが集結し、大いに刺激を受けたという舘。「特に熊切監督は、中島貞夫監督(『893愚連隊』ほか)のお弟子さんだと伺っていたので、ぜひご一緒したかった」と声を弾ませる。

 「筋金入りの映画人という感じの方でしたね。ほしい画がはっきりしているので、同じシーンを何度も撮るんです。芝居に自信がない僕にとっては、たくさん撮っていただくことは逆にありがたかったですが、とにかく妥協を許さない」と述懐。さらに、「最後までワンカット長回しのスタイルにこだわったので、いつものように構える時間がなく、カッコつける余裕もなかった。とにかく膨大なセリフを覚えるのに精一杯で…。そういった意味では“必死の舘ひろし”が観られるかも」と自身の新境地に期待を寄せる。 そして、苦労の末に出来上がった有馬というキャラクター。そこには、ハーレーも、ショットガンも、トレードマークのサングラスもない。「熊切監督が要求するのは、定年前のヨレた感じの爺さん刑事。頭には寝癖、無精髭は伸ばしっぱなし。シャツは半分出ているし、スーツもヨレヨレで安っぽい。こんな刑事役、今まで求められたことがなかったので、最初は躊躇しましたが、演じているうちにだんだん面白くなってきて。ここまできたらとことんやってやろうと腹が決まった」と胸の内を明かす。

 高田の脚本からも「筆力の強さを感じた」という舘は、有馬の内面を自分なりに咀嚼し、役をさらに深めていく。「有馬は、とにかくまっすぐで感受性が強く、のめり込むタイプ。それゆえに、冤罪を犯してしまった過去の自分が許せない。彼にとって、そこが人生の“定年”であり、あとは流されるままに生きてきた。ところがある日、魂が救われるような“事件”が起こり、そこで有馬は再び立ち上がるんです」と熱弁を振るう。

 まさに“マイナス”の転機と“プラス”の転機がドラマを生む劇的な人生。舘自身も少なからず、人生を決める2つのターニングポイントがあったと自らの過去を有馬に重ねる。「親が医者だったので、すごく期待されていたんですが、医学部の受験に失敗したことで“医者なれない”という現実を突きつけられた。それが最初の転機でしたね。あとはもう“どうにでもなれ”という人生。俳優になるつもりもなかったけれど、流れ流れて気づいたら、50年近くもこの世界にいた」と吐露。

 流された先がスター俳優という、一般人の我々には信じられない流浪の旅だが、そこにはやはり、進むべき方向の舵を取る大きな出会いがあった。「僕の場合、芝居の基礎を学ばずにこの世界に入ったので、ファンダメンタルズが弱く、地に足が着いていなかった。そんなときに、渡(哲也)だけが“ひろし、お前には華がある”と言ってくれて…。僕はその言葉だけを信じてここまで歩んできたように思いますね。土台がないというコンプレックスは、いまだにあるんですが、渡の言葉がいつも支えになってくれた」と、人生の師・渡への思いをしみじみとかみしめた。(取材・文・写真:坂田正樹)

 『連続ドラマW 60 誤判対策室』(全5話)は、WOWOWプライムにて5月6日より毎週日曜22時放送(第1話無料放送)。

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