永井真理子「自信喪失した時期も」11年ぶりの音楽活動再開への思いを語る

5月6日(日)6時20分 クランクイン!

昨年から音楽活動を再開した永井真理子 クランクイン!

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 昨年デビュー30周年を迎えたアーティストの永井真理子。1980年代から90年代にかけて『ミラクル・ガール』や『ZUTTO』など数々のヒット曲を世に送り出した人気歌手として知られるが、結婚や出産、海外移住などを経て、2006年以降、音楽活動を休止していた。そんな彼女が昨年、約11年ぶりに新曲を発表し、スペシャルライブを行うと、多くのファンが詰めかけた。さらに今年も7月に東京・大阪でライブを開催する(東京公演はソールドアウト)。なぜ彼女は音楽活動を再開したのか——率直な胸の内を聞いた。 2003年、家族と共にオーストラリア・シドニーに移住した永井。そこからも、新しい音楽の模索を含め、活動を継続していたというが「走り続けているときは見えなかったのですが、すこし時間ができて、立ち止まってこれまでの音楽活動を客観的に振り返ったとき、後悔や自分の理想とするものができていないのでは…という思いが沸いてきて、自信喪失してしまったんです」と当時を振り返る。

 ここからは苦悩の日々が始まる。「自分がたくさんの人の前で歌う姿が想像できなくなってしまい、深いところまで落ちてしまいました。もう歌うことができない状態になってしまったのです。一方で、私のことを待ってくださっている方々がいるという思いも強く、それは私にとって見過ごすことができなかった。だから余計、自分のなかで葛藤が生まれ、本当に心から歌に向き合えるまで、音楽活動は無理だと判断したのです」。

 “苦悩”とは言いつつも、音楽から遠ざかっていた10年は、永井にとってかけがえのない時間でもあった。「人として母親として奥さんとして、という側面からみれば、とても有意義な時間でした」とプライベートでの充実を明かすと「また、こうして音楽を再開できたいま考えると、ブランクがあった10年は絶対必要な時間だったと思えるのです。なぜなら、音楽に対して本当に新鮮な気持ちで取り組むことができているから」としみじみと語る。

 では、なぜ昨年、深く落ち込んでしまった音楽を再開しようと思ったのか——。この点について永井は「なにがきっかけになったのかを考えたとき、一つに限定できないのですが、大きな力になったのはファンとミュージシャン仲間ですね」と語ると「30周年という節目に向けて、ファンの方が『また是非歌って欲しい』と大きな声を上げていただいたり、仲間が『会場を押さえておくから』と背中を押してくれたりしたんです」と説明する。 こうした声は、確実に永井の心に届いた。「たぶん、離れていた10年間も“音楽をやりたい”という思いは浮いたり沈んだりしていたのだと思うのですが、“ザバーン”と大きく顔をのぞかせた瞬間があったのです。そうしたら“どうしても歌いたい!”という思いが湧き出てきて、止められなくなりました。その気持ちを絶対になくさないように新しい作品を作ったのです」。

 永井の“歌いたい”という思いが詰まったアルバム『Life is beautiful』は、昨年自身のデビュー日である7月22日にリリースされ、10月にはデビュー30周年記念ライブを敢行。完全復活を遂げた。永井はそのときの気持ちを「デビューした20歳のときとまったく同じ新鮮な気持ち」と表現したが、再出発にあたり絶対に決めていたことがあるという。それは「大手のレコード会社や事務所のお世話にならず、自分のやりたいことを徹底的にやり尽くそう」ということ。

 会場の手配やチケット販売を含め、すべて永井と仲間だけで準備をした。「宣伝もSNSだけで、『ライブをやります』と言ったものの、10人ぐらいしか集まらないかもしれないという怖さもありました」と語っていたが大盛況。結果、30周年ライブは全国で17公演行い、多くのファンが会場に詰めかけた。「もう感謝しかなかったですね。ファンの方も私も泣きっぱなしで、今思い出しても涙がこぼれるぐらい感激しました」。

 こうした決意には、前述した「やりたいことが本当にできていたのか」という思いが背景にあった。「自分のやりたいこと、相手がやってもらいたいことに相違があるのは当たり前。商業的な部分で活動していれば、そこで折り合いをつけていくことがプロだし、私が若いときに経験したことは、歌手としてだけではなく人間としても多くのことを学べた時期でした」と前向きにとらえる。

 「もう50歳。これからあと何年歌えるかわからないと考えると、せっかくこうしてまた音楽を新鮮な気持ちで始めようと思えたのだから、絶対後悔はしたくない。自分を使い切って、気持ちに嘘をつかず、やれることをやりたい」と力強く宣言した永井。20代の楽曲を「元気で走っているようなイメージ」と語ると、現在の曲は「明るくスキップするような感覚」と表現する。この言葉通り、今の永井をみているとワクワクしながら、スキップしながら前を向いているような軽やかさが感じられる。(取材・文・撮影:磯部正和)

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