『笑点』に見る林家三平の“胆力” dボタンで起死回生なるか?

5月6日(日)8時40分 オリコン

視聴者からの座布団が”0枚フィニッシュ”しても、笑顔を絶やさない二代目・林家三平 (C)ORICON NewS inc.

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 1966(昭和41)年の放送開始以来、52年経った今でも高視聴率番組であり続ける『笑点』(日本テレビ系)。安定の人気を誇る同番組であるが、2016年5月から大喜利メンバーである二代目・林家三平の大喜利クオリティが“低い”ことで、ネットユーザーを中心に頻繁に話題になる。しかし、昨年1月から「リモコンのdボタンを押すことで座布団運びの山田君を操作し、座布団を『とる』『あげる』を選択できる視聴者参加型システム」が導入されたことをきっかけに、変化が生まれ始めているようだ。

■辛辣な言葉を浴びせられても、いつでも“笑顔” 全くブレないおぼっちゃま気質

 この『座布団dボタンシステム』では、ほかの出演者が1回の放送で万単位の座布団を獲得しているのに対し、三平は0枚をたたき出すことも少なくない(小遊三が得意の「ブルーライトヨコハマ」を歌いだしたときなども瞬間的に0枚になったりしたが)。ちなみにこのシステムは、視聴者が座布団を100回あげたりとったりすると、紅白座布団や色紙など賞品が当たるというプレゼント企画としてスタートしたが、Twitterでは「笑点のdボタンで、ひたすら三平の座布団だけとり続けた」、「三平の座布団を奪いまくってやる!」、「林家三平、データ放送で座布団0枚(笑)」等々、三平の座布団をめぐって悪ノリコメントが溢れ、想定外使用理由で盛り上がりを見せたのである。

 そんな三平だが、父は言わずと知れた「昭和の爆笑王」初代・林家三平、兄は9代目林家正蔵である。2009年に二代目・林家三平を襲名したが、襲名記念講演でビートたけしには、「小朝の魔の手から逃れ、金とコネだけで見事、三平を勝ち取った」とあいさつされたほどで、世間的には落語家というよりタレント、あるいはタレントというより“二世のお坊ちゃん”“こぶ平の弟”というイメージのほうが強かった。

 2016年5月に桂歌丸が『笑点』の司会を勇退すると(終身名誉司会に就任)、大喜利最年少メンバー春風亭昇太が司会に大抜擢。その空いた席に入るという形で三平が大喜利メンバーに抜擢されたのだが、その話芸やキャラクターについては、当初から疑問や不安を口にする声が多かった。視聴者からも「おもしろくない」と酷評され、歌舞伎や能、狂言などとは異なり、日本の伝統芸能の中でも珍しく落語は世襲制を重要視しないため、「さっさと笑点をクビにしたらいい」などの痛烈な声もあがったのである。

 実際、本人の資質というか芸に疑問が残るのも確か。以前、たい平が手を上げていると昇太が「三平さん」と間違う場面があったが、たい平が「三平と間違えられるなんて……」と座布団から転がり落ちて笑いを取る一方、三平はなぜかニコニコ顔のノーリアクション。『笑点』と言えば、桂歌丸と三遊亭圓楽(五代目)の「ハゲVS腹黒バトル」のような“小競り合い”も見どころのひとつだけに、せっかく笑いがとれるチャンスを流すのかよ…と、視聴者がもの足りなさや苛立ちを感じてしまうのも無理はない。

 これらの周囲からの“むごい”とも言える“口撃”を受けても、三平が笑顔を貫いているあたりは、「さすが」と、彼の胆力に感嘆せずにいられない部分だったりもする。

■視聴者投票の“座布団0枚フィニッシュ”がお約束化 団体芸で立ち位置を確立

 そうした“空気読まない感”のせいかどうか、三平の“つまらなさ”に変化が生じはじめている。0枚フィニッシュがお約束化した『座布団dボタンシステム』でピンチを迎えるかと思われたが、“つまらないこと”が数字に現れていることを逆手に取って自らネタにすることが増えたのだ。大喜利内でも、よりいじりやすくなったのか、ボケ役でいじられキャラだった木久扇に「いまの(三平の回答)は30点」などといちいち厳しく採点されるなど、三平を“落第生”としていじりやすくなった様子。これまで三平が一歩引いてみていた『笑点』の“団体芸”における立ち位置を見つけつつある。

 そして今年2月の放送では、昇太が三平の座布団を取り上げようとしたが、すでに0枚だったため「一歩下がれ」と命令。“つまらない”ことを発端に、『笑点』52年の歴史の中で“新ルール”が誕生した瞬間だった。ネットユーザーからも、「一歩下がっては斬新だったなあ」、「笑点に座布団0枚より下があるということを知っただけで今日一日生きていたかいがあった」、「三平の成長…気になる」などの声が上がり、注目を集めた。

 そもそもバラエティにおいては、狩野英孝しかり岡田圭右しかり、“スベリ芸”をウリにする芸人が存在するのも事実であり、そのスベリ芸が他の芸人たちとの団体芸のなかで光っていく。大喜利の先輩メンバーに囲まれながらのいじられ役・スベリ役は“あり”であり、周囲にしてもはっきりとした役割があったほうが、いじりやすいだろう。

■好き嫌いは表裏一体⁉︎ 弱点が具現化したことを武器に、気になる存在に

 当初は“公開処刑”にピンチを迎えたように見えた三平だが、自らの弱点が具現化したことで見事“ウリ”に転換させた。実際、三平の最大の魅力は、何を言われてもへこたれずにいつもニコニコしているあの笑顔だ。よく言えば、ベテラン芸人の中でも物怖じしない「鋼のメンタル」を持っているとも言える(ただの鈍感とも言えるが)。そうした忍耐力や胆力があればこそ、「dボタンシステム」という救世主も現われて、三平の“イマイチ”のすべり芸を後押ししてくれるということも起こるのだ。こうしたよい意味での“厚顔”さは、会社のような組織や社会に生きるわれわれも参考するべきものがありそうである。

 二代目・林家三平47歳、まだまだ先代の爆笑王には及ばないようだが、三平ならではの“味”はいつどこで大ブレイクするかわからないし、そこがまた三平の魅力でもありそうだ。“こっそり”と期待したいところである。

オリコン

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