現役会長が語るPTA事件簿 不倫が黙殺される理由など

5月7日(土)16時0分 NEWSポストセブン

「たかがPTA」とタカをくくっていると後々大変な目に……

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 1億総活躍国民会議のメンバーでもあるタレントの菊池桃子さんが、〈入っても入らなくてもどちらでもいいはずなのに……〉と発言して物議をかもすなど、最近なにかと話題になっている全国公立小中学校のPTA。


 今年4月に都内某公立小学校のPTA会長に就任した近藤豊氏(仮名・43歳)が、PTA活動の実態と裏側について暴露する。


 * * *

 建前上は入退会自由の“任意ボランティア団体”でありながら、実際は「保護者の全員参加」が不文律となっているPTA。私がその会長に抜擢されたのは、校内の「選考委員会」に目を付けられたことがきっかけでした。


「選考委員会」とは、PTAの次期本部役員(会長・副会長・書記・会計)を選出する役員のスカウト専門部隊です。学校によって「指名委員」「推薦委員」と呼び名は異なりますが、PTAの“顔”となる会長以下、本部役員の選考、勧誘、推薦を主なミッションとしています。近ごろは、こうした任務に携わる委員を“PTAハンター”と呼ぶ向きもあるそうです。


 選考委員は毎年秋口になると、全保護者に無記名の「役員推薦用紙」を配布し、次期PTA本部役員の選出を開始します。ここで名前が上がった人には、選考委員による執拗な電話勧誘が繰り返され、時にはアポ無しの自宅訪問を受けることになります。


「○○さんは平日でも学校行事に積極的に参加する熱心なパパです!」と、見知らぬ保護者から“タレコミ”された私もその一人でした。上の娘が小学生だったころ、役員を経験していたことも推薦理由になったようです。


 その後、私は選考委員からの電話勧誘を断り続けましたが、ある日、業を煮やした委員たちが総出で自宅に押し掛けてきました。


「○○さんはママたちに評判が良いからぜひ!」

「頼り甲斐のある男性が入るとPTA活動が盛り上がるんです!」「ここまで言われて辞退するなら○○さんの評価はガタ落ちですよ」


 硬軟織り交ぜ候補者の心を揺さぶり、次第に断りにくい状況を作り出す彼女たちは、まるで絵画商法のセールスレディのようです。結局、私は彼女たちに押し切られ、「一期限り」という条件付きで、しぶしぶPTA会長を引き受けることになりました。


【PTA会長のメリットとデメリット】

 しぶしぶ、とは言うものの、PTA会長になろうという人間は、大なり小なり“スケベ心”を抱いているのも事実です。異性に対するスケベ心だけではなく、自身の仕事や商売へのメリットを計算し、会長を引き受ける方も少なくありません。


 特に、下町エリアではその傾向が顕著です。実際、私の地区にある小学校のPTA会長はすべて男性で、その8割は地元で商売を営む自営業者や会社経営者です。彼らは比較的、時間にも融通が利くので、地域の様々な会合に積極的に参加して顔と名前を売っています。「町会や自治会との繋がりを深め、将来的に区議会議員を目指す」という野心家もいました。


 中には、校長と懇ろになり、自身が会長を務める小学校の修繕工事を受注してしまった工務店の社長さんもいました。ところが、彼は工事が終わった途端、「一身上の都合」を理由にPTA会長を辞任。工費が少額だったため大騒動には至りませんでしたが、同じ学区内では今も語り草になっています。


 しかしながら、このように何かしらのメリットがなければ、PTA会長はまさに「骨折り損のくたびれ儲け」。サラリーマン会長の場合は更に悲惨で、PTA活動参加のために遅刻・早退を繰り返し、上司に最後通牒を突き付けられている人もいます。


 なお、私たち会長は名前と顔が広範囲に知れ渡っているため、地元での行動には慎重さが求められます。酔っ払って立ちションでもしようものなら犯罪者扱いは必至ですし、歩行中の信号無視や歩きタバコも当然、許されません。PTAは私的ボランテイア団体でありながら、その長は公人と同様の意識を求められるのです。


【PTA不倫】

 PTAは基本的に女社会で、役員や委員の9割を女性が占めています。当校の役員も私を除いてすべて女性。彼女たちの不興を買えば“針の筵”になることは必至なので、常に言動には気を配っています。役員は30代後半から40代前半のお嬢様方が中心ですが、PTAを舞台にした男女の物語は本当に存在するのでしょうか?


 そこで、先輩のPTA会長や役員の方々に聞くと、「PTA不倫」が意外なほど多いことに驚かされました。保護者同士のアバンチュールは膨大なリスクを伴う分、背徳感も相まって胸が高鳴るようです。


 わがPTAの前々会長で開業医のA氏は、PTA活動で知り合った同年代の女性役員を妾にした艶福家として知られ、前会長のB氏は一回りも年下の女性役員と不倫の末に本妻と離婚。なぜか子供の親権を勝ち取り、現在は不倫相手と同棲しながら子育てに奮闘する漢ぶりを見せています。また、当校PTAの現役女性役員にも、幾度となく男性役員(または会長)との艶聞が立った方がいますが、今もPTA役員の要としてご活動頂いております。


「PTAは閉鎖的社会ゆえに不倫が成立し、そして黙認される」


 これは、古希を迎えた数代前の会長から頂いた名言です。ただし、近年はスマホやSNSの発達により、不倫の情報や証拠写真は瞬く間に父兄の間に拡散されてしまうことを忘れてはいけません。


【お局さんの新人いびり】

 前述のとおり、PTA活動に携わる9割の保護者は女性です。中には何度も役員や委員を経験し、10年近くPTA活動を続けている“お局さん”もいます。


 豊富な経験を活かし、後輩の指導をしてくれるお局さんは大歓迎ですが、新人いびりが趣味のような人もいる。陰口や無視にとどまらず、PTA主催イベントの司会・進行を新人に押し付け、でたらめな次第を渡してパニックに陥れるなど、中学生レベルの“いじめ”が横行している小学校もありました。お局さんのいじめが原因でPTAをリタイヤしたり、神経内科に通いながら活動を続けたりする新人役員もいるほどです。


 そうした中で、もっとも厄介なのが、PTAに院政を敷こうとするベテラン役員の存在です。基本的にPTA会長の多くは名ばかりの“名誉職”で、PTA活動の実務を熟知していません。そこにつけ込み、PTAを牛耳ろうとするお局さんがいるのです。


「たかがPTA活動だから……」とタカをくくっていると、後々、面倒なことになりかねません。なぜならどの学校にも、PTA活動に自身の思想や信条、イデオロギー、或いは宗教観を持ち込もうとする父兄がいるからです。


 彼らの目的は、PTA主催のイベントや講演を通じ、子供たちに特定の思想やイデオロギーを植え付けること。PTAや学校、地域に影響力を持つベテラン役員がそうした勢力に利用されるケースがあるほか、役員自身が何らかの意図を持ち、PTA活動に参加していることもあるようです。

NEWSポストセブン

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