『不機嫌な果実』に『コントレール』“夜メロ”ブーム再び?

5月7日(土)7時0分 NEWSポストセブン

新『不機嫌な果実』に出演中の栗山千明

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、再びブームの予感の“夜メロ”に注目。


 * * *

 19年前、TBS系でドラマ化された林真理子氏原作の『不機嫌な果実』が再びドラマ化されている。テレビ朝日系の『金曜ナイトドラマ「不機嫌な果実」』だ。


 前回の主演は石田ゆり子で、愛人は元・男闘呼組の岡本健一、夫役は渡辺いっけいだった。今回は栗山千明がヒロインで、愛人は市原隼人。元カレに成宮寛貴、夫にSMAPの稲垣吾郎を据えた。


『女性セブン』でその稲垣にインタビューしたところ、自分も岡本健一の役だと思っていたと苦笑していた。が、原作や前作のドラマとは異なり、稲垣にもセクシーシーンがあるとのこと。初回はゴールデンウィーク初日ながら8.2%(ビデオリサーチ・関東地区)と好スタートをきった。


「今回、女優さんはみんなチャレンジしていると思う」とは稲垣の弁。栗山しかり、友人役の高梨臨、橋本マナミしかりだ。初回は栗山の入浴シーンからスタート。高梨と橋本もサウナのシーンがあった。


 さらに橋本は、若い恋人と痴話ゲンカの末、仲直りの印にキャンディを口移ししながら路チュー。その後、ミニワンピをたくしあげられ、ヒップをまさぐられるという過激なシーンに挑戦していた。


 栗山も初回から元カレ=成宮と再会し、2度目のデートでもうホテルへ。しかも、それが、その夜、夫にバレてしまうという急展開だ。稲垣が「80年代や90年代にあった、メイドインジャパンのジェットコースタードラマのよう」と表現していたのがそれで理解できた。


 奇しくも世は不倫ブーム。あの矢口真里をテレビCMから降板させ、ベッキー復帰に不快感を募らせるのは“主婦”だと言われているが、本当にそうなのか。


 一昨年、上戸彩主演の『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)がヒットした際には「昼顔妻」なる言葉が流行し、生みの親である『ノンストップ!』の“せきららボイス”のコーナーには度々“経験者”からのコメントが寄せられた。


 ドラマの上戸とは異なり、「夫と別れるつもりはないが、愛人との不倫も愉しむ」という意見が大半だったものの、不倫経験「あり」のパーセンテージは半数を優に超えていた。


 新『不機嫌な果実』は、『昼顔』よりもずっとライトで、どこかコミカルなシーンもある。「自分だけが損をしている」と思い込んでいるヒロイン=栗山のちょっとしたリアクションに笑わされることもあるし、ナレーションやモノローグが的を射すぎていて、それで笑ってしまうこともある。


 金曜の『報道ステーション』終わりという時間、主婦が一人で見る『不機嫌な果実』。この先、どんな展開になるのか、どう数字が伸びていくのか、愉しみでならない。


『不機嫌な果実』は、いわゆる“夜メロ”のジャンルだが、その元祖といえば、NHKの「ドラマ10」だろう。鈴木京香と長谷川博己がドラマでだけでなくプライベートでも結ばれるきっかけとなった『セカンドバージン』や、木村佳乃主演の『はつ恋』、井川遥主演の『ガラスの家』などが代表作だが、その「ドラマ10」がこの4月、火曜午後10時から金曜午後10時に移設されたのだ。つまり、『不機嫌な果実』と同じ曜日の1時間15分前開始。


 移設後第1作目は、奇しくも、かつて『不機嫌な果実』でヒロインを演じた石田ゆり子主演の『コントレール〜罪と恋〜』だ。脚本は、件の『セカンドバージン』『ガラスの家』を手がけた大石静氏。


 無差別殺人で夫を失ったヒロイン=石田と、犯人を取り押さえる際、その夫を死なせてしまった男性=井浦新との許されざる恋を描いている。


 女優に年齢はないというが、石田はアラフィフだ。が、『不機嫌な果実』の頃と変わらぬ美貌と若々しさを保ち、現役感たっぷり。井浦新は、有能な弁護士だったが例の事故のせいで失語症となり、現在はトラック運転手という絶妙な設定だ。


 大石氏がFacebookで情報解禁前から小出しに宣伝していたのだが、まだブームとは言い難い視聴率だ。


 NHKも大石氏も「こんなハズではない」と思ったのだろう。ゴールデンウィーク中の昼下がり、3日連続で1話〜3話の再放送を行い、6日の4話に視聴者を誘っていた。


 いまはなき“昼ドラ”枠に近い時間帯に3日連続で再放送する作戦は私は成功だったと思う。なぜなら私の周りでは「初めて見た」「いきなりハマった」というアラフィフ女性がかなりの数いたからである。


 当然のことながら、昼メロとしても『コントレール〜』は出来すぎていて、なんともいえぬ後ろめたさと妖しさが段積みされている。大石氏とNHKが自信をもって移設第1作にしただけのことはあり、今後、『不機嫌な果実』と共に、夜メロブームが再びやってくることは間違いないだろう。


 テレビ番組はどのジャンルでもそうなのだが、ドラマが置かれている状況はもっとも悪くなっているように見える。毎週、同時刻にテレビの前に座ってくれる“お客”はどんどん少なくなり、かなり年配の視聴者でも録画で見たり、各局が力を入れているネット上の配信によって視聴されたりしている。


 どういう見られ方だったとしても見てもらったほうがいいし、特に“夜メロ”は、女性たちにとって「一人でこっそり見たい」ジャンル。


 1〜2作を除いて視聴率が極端に低迷している4月期の連続ドラマだが、もともとドラマが大好きなF2後半からF3にとって、『不機嫌な果実』と『コントレール』は、再びドラマをじっくり見る大きなきっかけになるハズ。両作品の5月、6月が色々な意味で楽しみでならない。


撮影■浅野剛 メイク■HIROTAKA(LYDIA PRO)  スタイリスト■ume

NEWSポストセブン

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