愛の押し売り・好き好きアピールがなぜ相手の心に響かないか/『ボク、運命の人です』第四話レビュー

5月8日(月)23時0分 messy

土曜ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)。前回ついに、誠(亀梨和也)は“運命の女性”とされる晴子(木村文乃)と連絡先を交換することができました。しかし晴子は一筋縄で恋仲に発展できる相手ではなさそうで、愛を告白されたりモテているにもかかわらず、暗い表情で「結婚できないかもしれない」と意味深な台詞を呟いています。元カレたちとの恋愛でいろいろ傷ついたことが示唆されていますが、男性不信というか恋愛不信状態のヒロインと誠は“運命の結婚”までたどり着けるのでしょうか!?

【第一話】“クールなサバサバ女子”設定の木村文乃は、つまり常識的な女性ヒロイン
【第二話】亀梨和也の可愛さが全開!ほのぼのユルい土ドラ
【第三話】男性不信と結婚願望の狭間。憂い顔のヒロイン・木村文乃

誠と連絡先を交換した晴子は、一緒にちゃんこ鍋を食べに行くことをOKしたのですが、いざ誠がデートのつもりでお店に着くと、なぜかそこには晴子の同僚および大親友・三恵(菜々緒)の姿が。さらには晴子にプロポーズするも玉砕した定岡クン(満島真之介)も登場で、肝心の晴子はというと「今日来ませ〜ん」と三恵が答えるのでした。どういうこと!

三恵さんは晴子の代わりに、誠と定岡クンに対して「この度は、ご期待に沿えず、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪し、三恵が“お断り”を代行すると説明。当初は晴子が自分で交際お断りの意思を伝えようとしていたみたいですが、いざとなると晴子は相手にはっきり言えないだろうと危惧した三恵が、代わりに伝えることにしたそうで……。女子高生、どころか女子小学生かよっ! 大人女子的には全然反則! だと思うのですが、三恵づてに晴子の答えを聞かされた男子2人の反応は対称的でした。

自称・切り替えの早い定岡クンは「これできれいさっぱり諦められる」と実にサバサバしています。一方の誠は「まだ諦めるつもりはありません!」と意気込み、片思い続行の意思表示。まあ、晴子の口からはっきり断られた定岡クンとは違い、誠はつい先日やっと連絡先を交換して舞い上がっていたところ。いきなり人づてに断られても確かにピンとこない、かも……。

「次の恋は絶対結婚!」思い込む根拠は?

その頃、晴子はひとり映画鑑賞。そしてなんと、第四話にして初めて晴子のナレーションが投入されました。晴子の自己分析はこんな感じ。

「今年の初詣、次にお付き合いする人と結婚できますようにと神にもすがる思いで手を合わせた。

(定岡クンに対しては)三恵が言うように、結婚相手としてとても理想的だと思う。でも、付き合っていくうちに好きになればいいと、割り切って考えることはどうしてもできなかった。

(誠に対しては)正直、正木さんとの出来事に恋愛初期のドキドキを感じたし、昔の自分だったら好きになってただろうなとも思う。でも電話を切った後でふと思う。本当にこの人でいいんだろうか。予期せぬ場所で突然出くわす、嘘みたいな偶然が次々に起こる、そして電話番号を野球のスコアで伝えてくる。結婚相手として考えれば考えるほど不安で埋め尽くされる。こうしてこの人と付き合ったらどうなるかと考えては次々と減点し、また人を好きになるチャンスを逃してしまう。ダメなのは正木さんではない、こういう考えしかできなくなってしまった私のほうだ」

……そもそも晴子はなぜ、こんなにも結婚を願ってやまないのでしょう? 彼女が恋愛じゃなくて結婚をしたい理由がいまひとつ見えません。20代の頃、彼氏に実は奥さんがいた……という経験を持つ晴子。不倫をすると結婚したくなるっていうヤツですかね。あるいは自分の心に空いた穴を埋めてくれる相手がほしいとか……? また、両親の期待に応えたい、という優等生的な面も晴子は持っているように見受けられます。でも、晴子個人としてはどうなんでしょう?

両親はとても良い人そうで結婚や孫プレッシャーをかけているようにも見えませんが、しかし一方で「晴子には良い男性と結婚して幸せになってほしい」とまったく悪気なく考えてもいるでしょう。それは確かに悪いことではないです。晴子がその両親の優しさに報いようと自縄自縛になっているとしたら、晴子自身の問題です。また彼女は社会的な適齢期プレッシャーも肌で感じているであろう年頃(アラサー)であり、次の恋は結婚だ、と決め付けているようなところがあります。だけど「結婚相手としては理想的だけどドキドキしない定岡クン」も「ドキドキするけど結婚相手としては不安な誠」も両方NGなら、どんな人がいいのでしょう。ドキドキするし結婚相手としても申し分のない男性との出会いを、ただ待っている?



三恵から晴子のことは諦めるよう忠告されるも、諦める気などさらさらない誠は、その夜、晴子に電話します。晴子は「ごめんさない」って言っているのに、全く耳に入ってこないのか「僕という人間をもっと知ってもらえれば、あなたに好きになってもらえる自信があります!」と一方的に訴えます。うん、まさに一方的、好きの押し売り、それじゃ相手の心は動かないですよね。「気持ちが変わることはもうないので」と晴子は電話を切りました。ただ、晴子の表情や口ぶりを見ていると、第一話の頃みたく誠を気持ち悪がって拒否反応を出しているわけではなく、断り方も素っ気ないけどあまりきっぱりしていないというか……迷いが表現されるようになっています。自分自身の凝り固まった考え方や臆病さゆえ、恋愛に対して及び腰になっている晴子ですが、誠もアプローチの仕方次第では彼女の心に響くかもしれません。ただ、今は晴子の反応を無視して自分の感情を押し付ける一方ですから、これでは無理。

完全にフラれた、にも関わらず誠的には「まだ終わっていない!」とのこと。うーん、しつこい。普通に見たら自意識過剰なストーカーですけど、まあ、神(山下智久)が“運命の恋だよ”と煽ってきてましたからね、思い込みも激しくなりますよね。その神もついに白旗、諦めるよう諭すのですが、誠の勢いは止まりません。

「地球のことなんてどうだっていいんだよっ! 俺はっ、彼女を本気で好きになったんだよ」「好きっていう気持ちはそう簡単には終わらないの! 相手にダメだって言われたってそう簡単には諦められない気持ちを好きっていうの」

そんな誠に、神は “烏田部長(田辺誠一)に大嫌いなニンジンを食べてもらう”という新たなる指令を。名付けてゆるふわキャロット大作戦。その不可解なミッションを成功させれば、良いことがある……?

押してもダメだし傍にいる、作戦

相変わらず素直な誠は早速行動を開始、にしたって面と向かって「そのニンジンを食べていただけないでしょうか」とお願いしても烏田部長に「無理!」と却下されてミッションインポッシブルです。先輩社員の関原卓(大倉孝二)のアドバイスをヒントに作戦を考え、キャロットクッキー、続いてキャロットシフォンケーキを差し入れしたところ、甘いもの好きの烏田部長は(ニンジンが入っているとは気付かず)喜んで食べてくれ、「どうして最近甘いものをくれるの?」と誠に質問してきました。誠は待ってましたと言わんばかりに、これらのお菓子には結構な量のニンジンが練りこまれていることを暴露し、今度は居酒屋に誘って「是非、召し上がっていただきたいもの」とニンジン料理を注文したのですが……そううまくはいきません。大嫌いなニンジン使った料理を目の前に数々と出された烏田部長、ドン引きどころか心底苦痛そうです。そりゃ、うぅってなるわ……。

謎の男の指令遂行に集中して視野が狭くなっている誠は、“上司が嫌いなものを食べさせようとする部下”が傍目にはどれだけ不気味に映るのか念頭にありません。烏田部長から「君がやろうとしていることは、ただの押し売りだよ。商品に全く興味がないお客さんに無理矢理売りつける営業マンと同じことをしているんだよ」と諭された誠は、ようやく気づきます。自分に全く興味のない相手に「好きになってください」と迫る—今自分が晴子にしていること—も、愛の押し売りなのではないかと。相手の気持ちはゼロ。自分の気持ちがどれだけ大きかろうと、ゼロにどんな数字をかけてもゼロなのだと。

自分のアピールがまたまたズレていることを自覚し、いい加減に晴子のことを諦めようと思う誠ですが、そんな気持ちとは裏腹、謎の男にけしかけられてついつい晴子に電話をかけてしまいます(しつこいって思われちゃう!)。応答なし、かけ直してくることもないまま夜は更けていきます。だけど晴子には晴子の感情があるし、事情もあるのです。誠からの着信を無視した晴子は悩める面持ちでいました。先日フッた定岡クンとばったり会ったとき、定岡クンは気さくな態度なのに、自然に振る舞うことが出来なかったことを思い返して「アアーッ」となっているんです。いつもクールな晴子ですが、こういう時は嘘がつけなくて不器用。不器用だからこそ、結婚相手として理想的な定岡クンのプロポーズに乗っかることもできなかったわけで……。

冷めた言動の晴子と、素直・単純・一本気で熱くなりがちな誠。2人は一見、対称的・正反対な性格をしているように見えますが、不器用な正直者っていう点では共通していますね。三恵曰く往生際が悪い点も……。必死に誠との接触を避け、けれどぴしゃりとした態度で断ることもできない晴子に、三恵は「嫌いになろうとしている時点でちょっと好きってことだからね」と進言。これは強力な一撃!

その翌日、誠と晴子は“運命”なのか揃って残業。隣の会社同士、壁1枚隔てているけど実はすごく近い距離にいます。残業時のなんとなくまったりした雰囲気からか、晴子は前日夜の着信を折り返す形で、誠に電話をかけました。

晴子「(前日の夜の電話は)何かご用ですか?」
誠「用件は、改めて、伝えたいことがありまして……」
晴子「なんでしょう?」
誠「先日の電話で『僕のこともっと知ってもらえれば好きになってもらえる』って言いましたけど、あれ、ごめんなさい、あれ撤回させてください。好きになってもらうなんて大それた考えだったんです。どうも、すいませんでした」
晴子「いえ」

誠は、日本一のニンジン(烏田部長が食べた)を作っている農家の人の話—家業を継いだだけで、ニンジンを作ることが好きだったわけじゃない。でも嫌いだったら、こんなに続けてこられなかった。最近ようやく好きになってきた—をします。

誠「この話を聞いて思ったんです。最初から好きではじまらなくてもいいんだなって」
晴子「え?」
誠「もし、好きになることができないという理由で遠ざけようとするんだったら、嫌いじゃないもの、近くに置いてみることからはじめませんか? もし嫌いじゃないって言ってくれるなら、僕はこれからもあなたのこと、ずうっと好きでいられます。だからひとつだけ質問させてください。……僕のこと、嫌いですか? それとも嫌いじゃないですか?」
晴子「嫌い……じゃないですけど」

好きって言われたわけでもないのに、「ありがとうございます!」と歓喜し、先日行きそこなったちゃんこ鍋に今度こそ行かないかと誘ってOKの返事を得た誠はまたまた「ありがとうございます!」と頭下げまくっていて、壁の向こう側では晴子が口に手を当てて可愛らしい微笑みを浮かべています。というわけで、少しずつ、しかし着実にステップアップしている2人の関係。だけど晴子にとって「嫌いじゃない」なら定岡クンでも同じなわけで、誠のことを嫌いではないにしても結婚相手としては不安しかない点はこの段階で変わりないわけで……。晴子から誠への気持ち、足りないものは信頼です。近くにいて交流を続ける中で、信頼が築かれていけば、結婚相手としては不安という難点もクリアされるのかもしれません。

それにしても、主人公は亀梨くんだから仕方ないとはいえ、山Pファンには少々物足りない回が続いているのではないでしょうか。第三話同様、第四話も出番が多いというわけではなかった山Pは、出る度必ず豆腐ネタ。「野ブタ。」を彷彿ってわけですね、うん。

(ドラマウォッチ担当:雨月桃)

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