「俺の○○はもっとすごい」!? 『パワプロ2016』の実在プロ野球選手の能力値を、ざっくりプロに査定してもらった<セリーグ・後編>

5月8日(日)19時0分 おたぽる

『実況パワフルプロ野球2016』公式サイトより。

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 4月28日にPS4/PS3/PS Vita対応で発売された、皆大好き『パワプロ』シリーズの最新作『実況パワフルプロ野球2016』(以下、『パワプロ2016』/コナミ)。

 その気になる『パワプロ』でも最も気になるポイントの一つ、“実在する選手の能力値”を、昨日の前編に引き続き、野球ライターとして各誌での原稿執筆のほか、『球辞苑』(NHK-BS)や『村上信五とスポーツの神様たち』(フジテレビ系)などにも出演したりしている、プロの野球ライター・キビタキビオ氏に、ビールとPS Vita片手にざっくりと査定してもらった。

 キビタ氏は「野球小僧」(白夜書房/現「野球太郎」廣済堂出版)にて、選手が打ってから一塁に到達するまでや、キャッチャーが捕球してから二塁へ送球するまでの時間を計り、記事にするという「炎のストップウオッチャー」を連載中。打率やホームラン数や球速といった表に出やすい数字以外の選手の能力にも詳しいので、今回の企画にはうってつけの人材である。

 前編では昨年のセリーグ6位から順に能力値を見てきたが、後編では昨年の3位、阪神タイガースの主力選手たちから、ざっくりと語っていく。


・阪神タイガース
—— 開幕はメッセンジャーでしたが、さすが能力が高いですね。
キビタ メッセはここ数年安定していますよね。負け運がついていますけど、メッセの場合は勝負弱いのではなく、完投能力があるからつい引っ張りがちなんですよ。それで終盤に、取りこぼすことが多いように思います。で、藤浪は……コントロールFで四球がついているのか(笑)。ただ、これはしょうがないんじゃないですかね。
—— どこかでの記事で、「Fはないでしょう」と本人はご不満であるという記事を目にしたような気がします(笑)。
キビタ でも実際、四球も死球も割と多目の投手。それにちょっと抜け球が多い印象なんですよね……。でもまぁ、このフォークとツーシーム、スライダーはすごい。あと何気に打撃がいいのがいいですね、ミートFだし弾道も2だし。あと注目すべきは新守護神のマテオですかね。
—— 球速159、スライダーが4となっています。
キビタ スライダーはもっと上げたいところ。それにマテオのスライダーはかなり落ちるので、普通のスライダーとVスラがあってもいいかなと思いますね、どこまで投げ分けているのか、聞いてみないとわかりませんが。まぁ開幕前だと、しょうがないんでしょうけど、落ちるスライダーは左バッターには相当脅威だと思います。
—— さて野手のほうは若手が注目だと思います。特に高山はゲーム発売前に、「Aがついた!」と話題になりました。
キビタ え、走力がA!? これはないと思うなぁ、あとパワーCも高すぎるような……。ただ、高山は左バッターですし、甲子園が本拠地の阪神だと年間でホームラン7〜8本ぐらいだと思うんですよ。するとパワーはD以下じゃないですか。でも横浜とか神宮が本拠地だったら14、5本打つかもしれない。するとパワーCにはなる。ここは難しいところですけど。
—— ちなみに走力Aがとにかく目立ちますけど、大学盗塁記録とか持っているんですか?
キビタ 速いことは速いけど、そこまでかな……。外野手版鳥谷みたいな選手になれれば、という選手だと思います、うまく育ってくれれば3番を打ってくれる選手。今のところ、いいスタートを切ったと思いますし、そこに挑む資格もあると思いますが。
—— 若手で言うと、江越も評価が高いです。
キビタ 走力、肩力A!? これも高いなぁ、やっぱコナミの本社が大阪だからでしょうか(笑)。大和の守備A、捕球Sは納得ですけど。横田は……ミートGは酷い(笑)。パワーもDとなっていますけど、横田も梶谷系(横浜)というか、身体能力がすごく高い選手なので、今年の活躍が楽しみです。ちなみに中畑元監督は「飛距離も松井秀喜なみだ!」と言っていましたよ、「一本、いいのを打てば大物打ちとしても化けるよ!」と。そのいい一本がなかなか出ないので、プロは大変だなと思いますけど(笑)。


・読売ジャイアンツ
—— さて巨人はいかがでしょうか。
キビタ まあ、レベル高いですよね、菅野は。負け運以外は目立つマイナス能力もないし、その唯一のマイナスも今年は勝っているから、来年には消えていそうだし。
—— 例の4選手はいませんが(笑)、ほかに気になる選手は?
キビタ 鈴木尚ですかね……走力は84で、走塁・盗塁ともにAがついているんですね、さすが。何気に守備力も高いのも、実際に近くていいですね。あと長野の肩力Bがいい。長野は遠投とかはさほどではないんですが、捕ってから投げるまでが早いんです。だから捕殺もそこそこ稼いでいるんで、それが現れているのはうれしいなと思いますね。ミートがE……打率.251なのにと思いますが、パワーがCなので相殺されていると思えば、こんなものでしょうか。
—— このチームは何だかんだいって坂本だと思いますが。
キビタ ああ、そうですね。守備がAで捕球がC。守備はAでいいと思います、ただ時々軽はずみなプレイをするので、捕球はDでもいいかも(笑)。走力、肩力Bは、過大評価と思われるかもしれませんが、これぐらいはあると思います。盗塁はともかく、走塁がすごくうまいんです、坂本は。たしか2塁ランナーでいて、シングルヒットでホームに帰ってくるときの生還率が異様に高いんですよ。リードの取り方やベースの周り方、打球判断がうまい。野球偏差値が高いタイプなんでしょうね。
—— 新加入のクルーズは守備力B、捕球がCです。
キビタ う〜ん……手癖が悪いというか、アクロバティックというか、派手なバックトスがいい加減に見えるのかな? でもあれは本人としてがマジメにやっていて、目立ちたいと思ってやっているわけじゃないんですよ。あのグラブ捌きのすごさは、数値で表すのは難しいと思いますけど、守備職人がついているし、肩も強い。まぁ、我慢できる範囲、という感じでしょうか。
—— 守備位置が三塁手想定なのが楽しいですね、コナミ的には三塁手のレギュラーは村田じゃなくてクルーズだったのかなと(笑)。
キビタ ククク(笑)。その村田にはチャンスF、初球○がついているのが、らしくていいですけど、バントにも○がついているんですね。去年の一時期、原前監督にバントばかりさせられていましたからなぁ(笑)。ただ、守備は全体的にもうちょい高くてもいいかも(守備力D、捕球E)。中村紀と同じタイプなんですよね、本質的には。打力のイメージが強いけど、実は守備が安定しているからこそ、レギュラーを長年張っているという選手ですから。


・ヤクルトスワローズ
—— いよいよ去年のセリーグ優勝チーム。開幕投手は小川でした。
キビタ スタミナ、コントロールともにB。これはこんなものかなと。一発も神宮がホームだし、しょうがないでしょう。注目は館山に、ケガしやすさFがついていることでしょうか。また手術を受けましたからね。
—— 中継ぎで面白いのは?
キビタ 秋吉なんかは注目の中継ぎだと思いますけど、ああ、秋吉にも一発がついているのか。神宮だからしょうがないのか、そもそもそういう投手なのか。これは難しいところですが。
—— さて注目は去年のトリプルスリー・山田だと思いますが、さすがですね。
キビタ B・A・A(ミート・パワー・走力)はさすがですね、今年は本人が「守備も見せたいです」といっていますから、守備力C捕球Cはうれしいかもしれません。
—— 首位打者・川端ですが、彼でもミートはAでSが付いてませんね。
キビタ これはなかなか厳しい。でも、流し打ち、アベレージ、粘り打ちがついているので、順当ではないでしょうか。むしろ去年は打点王の畠山がチャンスCどまり、プルヒッターというのが厳しいかも。最近はチャンスだと結構うまくセンターの前に落としたりしますから。サードをやっていたぐらいなんで、一塁手としての守備力Cは当然だと思いますけど。
—— 今年、ようやく本格復帰したバレンティンの数値はどうですか?
キビタ パワーAはさすがですけど、80だからギリギリAということですよね。去年はほとんど試合に出られなかったとはいえ、もうちょい上でも、と思うかもしれませんが、正直大分太ったんですよ。体のキレみたいなものも落ちたので、これはしょうがないかもしれません。その意味では守備力はEですけど、これはもっと下でもいい気がします。結構、守備で手を抜いているときがありますからね(笑)。あと肩力Aは絶対に高すぎだと思います。
—— ヤクルトで目立つ新加入選手だと、オリックスから移籍の坂口がいますね。
キビタ 今シーズンはすごい頑張っていますよね。ミートDは辛いなと思いますけど、逆に走力Bは過剰評価な気がしますかね。というのは、きっちり振り切ってから走り出すタイプなので、左バッターなのに一塁到達が意外と遅いんですよ。
—— さすが炎のストップウォッチャー!
キビタ いやいや(笑)。ただこれは前々から主張しているんですけど、彼は打ってから走りだすまでに時間がかかるし、盗塁のときもスタートが格段に優れているわけでもない。よーいドンで走ったら速いんでしょうけど、皆先入観で足が速いと思っているんですよ。

 いかがだったろうか? ここまで語ってみても、「それでも俺のひいきの○○選手の数値はもっと高いはず!」という人もいるだろうが、いろいろな数字が絡みあって、見応えのあるのは間違いないところではないだろうか。

 来週末には企画第2弾として、パリーグ6球団にも当然触れる予定。お楽しみに。
(話し手・キビタキビオ(フリーライター&編集者))

おたぽる

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