世界中が待ちに待った劇場アニメ『BLAME!』! キャストの興味深い話も飛び出した完成披露舞台挨拶レポート

5月8日(月)20時0分 おたぽる

登壇した声優&監督陣。

写真を拡大

 GWの5月4日、劇場アニメ『BLAME!』の封切りに先立ち、有楽町は丸の内ピカデリーで完成披露舞台挨拶が行われた。

 5月20日(土)から2週間限定で全国公開される『BLAME!』は、海外からも非常に高い評価を受けるSF好きにはたまらない作品。『シドニアの騎士』(すべて講談社)を世に生み出したマンガ家・弐瓶勉総監修、そして同作でお馴染みのポリゴン・ピクチュアズ制作という、弐瓶ファン垂涎、20年間の思いが詰まった待望の映画である。

 完成披露舞台挨拶には、霧亥役の櫻井孝宏さん、づる役の雨宮天さん、捨造役の宮野真守さん、制作陣からは瀬下寛之監督と吉平“Tady”直弘副監督が登壇。トークセッションで『BLAME!』のみどころやエピソードなどを語った。

■声優陣も完成版がどうなるのか分からなかった

「想像はしていたが、その上をいく凄まじいビジュアルで大感動」「かっこいい役」と櫻井さん。映画は敷居が高いものではなく、ドラマチックなものになったという。原作中でも寡黙な霧亥はアニメでは輪をかけて口数の少ないイメージだが、櫻井さんの息づかいや間の取り方、アクションが本当に「かっこいい」のだ。

 雨宮さんは「収録時は先に声を録って映像がつく形(プレスコ)だった」と収録を振り返り、「設定資料以外はラフな画すらなくて完成版がどうなるのか分からなかった」そう。「希望と絶望の繰り返しで、観終わった後に、ただの疲労感ではなく、幸せな温かい満足感とも違う、充足感みたいなものがあった」と力を込める。

 MCに「へい」と捨造が作中に使う台詞で返した宮野さんは、実際の映像を観て「こんなにSFだったんだ!」とプレスコならではの発言。「ト書きの方が台詞より多い台本があって、それをみんなで共有して状況を想定しながらやっていた。それが実際に画になると、こんなにかっこいいんだ、こんなにスピーディーでこんなにスリリングなんだとのめり込んで観てしまった」そう。

 カンヌ映画祭から派生したアヌシー国際アニメーション映画祭での特別上映について聞かれた瀬下監督と吉平副監督は、「とにかく感無量です」とコメント。「映像化できないと言われていた作品」をここまで作り上げ、「観たことのない凄いアニメだ」と言ってもらうことを目標にやってきたと笑顔で語った。

■プレスコ収録の難しさとは?

 続いてプレスコ収録について聞かれたキャスト陣。出だしの「へい」に味をしめた宮野さんが「へい」を繰り出すと、雨宮さんも「へい」を繰り出して場を盛り上げる。そんな中、「霧亥は口数の多いキャラではないし、スタンドアローン……輪から外れたところにいる。一方捨造は電基漁師の中でも中心的な人物だから、宮野君が瀬下監督たちとシチュエーションを話し合い、作っていった」と櫻井さん。

 宮野さんは、プレスコの進め方について「イメージの共有」の重要性を感じて動いたそう。「だから戸惑いはなかったよね?」と話を振られた雨宮さんは「えっ」と戸惑いながらも、「まったくの始めてだったんで、一瞬でも気を抜いてはいけない、と必死でした!」と返答。「呼びかけられて返す時も先に喋った人の距離感に合わせる必要があったので、ものすごく人の演技を聞きました」という発言には、ステージ上だけではなく、館内からも拍手が起きた。

 ここで監督陣に対し、「役者陣の間合いをそのまま画にしてくれているところがありますよね?」という宮野さんの言葉に対して、「してますね」という返しが。実際に「プレスコの時には表情がないため、声優さんの芝居から感情をみてインスピレーションを受け、リアルタイムで変えていく」そうで、もっと良いものにしようという強い意志を感じる。

 また、作中のあるシーンで使われた宮野さんの「へい」については、「アニメ史上一位のへい」と櫻井さん。これに瀬下監督は「西部劇で使われるような渋い『へい』です」と続ける。確かに日本人は相手の会話の後をすぐに埋める話し方が多く、「長い間」に違和感を覚えるのだが、その場面での「へい」は捨造の思考を感じる絶妙な間であったと思う。ここは是非映画館に足を運び、自分の耳と心で感じてほしい。

「女の子が可愛いですね」というMCの質問に対しては、弐瓶先生から「づるは絶対可愛くないとダメでしょ」と言われた結果だと瀬下監督。雨宮さんは、オーディションを受ける際に14歳らしく子供っぽい演技をしたら、「生まれた時から生きるか死ぬかの厳しい世界で生きてきた子だから、子供っぽい可愛さなどはなくてもいい、もっと地声で」と言われたとも明かした。

◆◇◆◇

 重厚なSF世界観を持つ弐瓶勉先生の『BLAME!』。原作はLOG間で登場人物とストーリーが連続する作品だけに、映画化に際しては弐瓶先生完全監修のもと設定の細部が変更されている。とは言え、重力子放射線射出装置が超構造体をぶち抜く時の迫力や、基底現実に現れる駆除系の無機物的グロテスクさ、大暴れする無慈悲なサナカンなど、原作ファンならニヤニヤが止まらないこと請け合いだ。また、angelaの「calling you」と菅野祐悟サウンドに加え、腹に直接響く重力子放射線射出装置の音は全身で聴くべきだろう。

 原作未読でもしっかり楽しめるように物語が構成されているため、普段SF作品に手を出さない方にも是非おすすめしたい映画である。
(取材・文=平工泰久)

■各人から「アナタへのメッセージ」

雨宮さん:
『BLAME!』はBGMが少なく、使われる音も無機質な金属音。無機質なものが多い中で、「生きているづるたち」の息づかいや表情が感じ取れる作品。対して戦闘シーンはもの凄く大迫力の音と画で、そこがこの作品の魅力です!

宮野さん:
へい(笑)。独特な世界観で「もしかしたら難しいのかな」と思っていたんですが、作品に触れて完成したものを前にすると、「こんなに入り込めるSF作品はない」と思うんですよね。生きるか死ぬかで生活している集落の、生の人間の気持ちを感じていただけると思いますし、霧亥のかっこいいアクション、ド派手な演出満載なので、是非楽しんで観ていただけたら!

櫻井さん:
SFに対して「ハードルが高い」と思っている人も少なからずいらっしゃるんじゃないかと思うのですが、『BLAME!』は舞台がとてつもなく広大な超未来、SFの世界で、果てしなさ、スケールの大きさが魅力。そこにあるちょっとした怖さにも人間の本能を感じ取れる、惹かれる作品です。限定公開がもったいないすばらしい作品なので、一度ではなく繰り返し楽しみ、『BLAME!』という世界にどっぷり浸かってください!

吉平“Tady”直弘副監督:
シネスコで作って大きな画面でこのSFの世界に没入して、霧亥の壮絶なアクションや捨造やづるの織りなす人間ドラマを楽しんでいただければ。「ドルビーアトモス」で臨場感が上がって映画の世界に入れるようになっていますので、映画館の大きなスクリーン、良いスピーカーで観ていただけたらうれしいです!

瀬下寛之監督:
世界に誇れる、弐瓶先生の独自のSF世界の映像化がついにできました。これは『シドニアの騎士』の時に応援してくださったファンのみなさんのおかげで映像化できていると、本当に感謝しております。私自身も何度も劇場に足を運ぶであろう作品になっていますので、是非みなさんも大スクリーン・大音響で楽しんでいただければと思います。今日は本当に、ありがとうございました!

■5月20日(土)初日舞台挨拶決定!
場所:新宿ピカデリー
時間:AM8:00、AM11:35の回「上映前」に実施
登壇者は次の通り(予定):櫻井孝弘さん、早見沙織さん、洲崎綾さん、瀬下寛之監督、吉平"Tady”直弘副監督

■劇場アニメ『BLAME!』5月20日(土)より全国公開!
配給:クロックワークス (105分)
公式サイト:http://www.blame.jp/

(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

おたぽる

「挨拶」をもっと詳しく

「挨拶」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ