ネットニュースのコメ欄を席巻する中韓嫌いな人々の飛躍思考

5月8日(月)16時0分 NEWSポストセブン

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

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 ネットニュースのコメント欄といえば、素直な感想や冷静な議論はあれど、一方的な思い込みによる言葉が連ねられているのが常だ。ネットニュースを読んでいる人の多くは、そのような感想は持っていないが、一部の熱心なコメントユーザーによって現実とは違う雰囲気が作り出されている。コメント欄を席巻する彼らについて、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が分析する。


 * * *

 4月28日の朝日新聞電子版に「コメント欄にはびこる嫌韓・嫌中 ヤフー・ニュース分析」と題する記事が登場した。コメント欄などどうせ荒れるだけなのに、いくらPV稼ぎのためとはいえよくぞここまでヤフーは運営しているな、と常日頃思っていた矢先の調査である。以下の記述があった。


〈韓国絡みの言葉を含んだコメントが最も多くて全体の20%近く、中国関連とあわせると25%を占めた〉


 そして、次はウェブサイト運営者ならば把握しておく必要があるデータだ。


〈今回の分析では1週間で100回以上コメントを投稿した人が全体の1%いた。この1%の人たちの投稿で全体のコメントの20%が形成されていた〉


 要するに、韓国と中国が憎くてたまらない暇人がせっせと書き込みに勤しむ姿が読み取れる。彼らは何事をも中韓に結びつけることができる特殊能力を持っており、神奈川新聞の「愛情持った支援を 生活保護ジャンパー問題(※)でシンポ」の記事に対しては、こうコメントする。


【※小田原市の生活保護担当の職員が「保護なめんな」と書かれたジャンパーを着て業務していた問題】


〈生活保護の不正受給を許さない! と言っているだけで、何の問題がある。これを問題にするのは、憲法違反である在日に生活保護を与えている行政側の問題から目を反らす為に在日が本題を摩り替えている〉


 なんと、生活保護の不正受給をする人間=在日コリアンと断定。一体どこからそういう発想になるのかといえば、日々嫌韓サイトを見て、嫌韓の同士と2ちゃんねるやツイッターで交流していくうちにこういった思考になっていくのである。


 また、韓国では大便を発酵させた酒「トンスル」が愛飲されてるという説も流布されており、4月30日に東京・渋谷駅のホームに人糞が点々と多数落ちていたという目撃情報に対し、2ちゃんねるでは以下のようなコメントが並ぶ。


〈キムチの国のしわざか〉

〈中国人じゃね?あいつら道端で平気でウンコするし〉

〈朝鮮人だろ………うんこ食べたり投げたりする文化は朝鮮人だわ〉


 この騒動について一般的な感覚であれば、「便意を催すも便所に間に合わず、ズボンの裾からポタポタと落ち続けた」とまずは思うのでは。


 ニュースサイト「しらべぇ」が全国の20〜60代男女1400人を対象とした調査によると、大便を漏らした経験を持つ男性は45.8%だという。女性はその約半分だ。と考えれば「苦しかったんだろう」「辛い気持ち分かる」的な感想になろうが、上記のようなタイプの人々からすると「大便=韓国人or中国人」という何段階かすっ飛ばした感想になる。もはや脳味噌が中韓に支配されてしまっているのだ。


 2ちゃんねるで、一日に何回同一IDが書き込んだかが分かる「必死チェッカーもどき」というサイトを見てもこの手のタイプの人は活発だ。4月30日、東アジア系の話題について最多投稿者は1日で278回書き込みをしたが、中韓叩きの姿勢が一貫。ここまでくると少し気の毒になる。


●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など


※週刊ポスト2017年5月19日号

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