LGBT恋活パーティー 参加者が打ち明けた「それぞれの事情」

5月9日(土)16時0分 NEWSポストセブン

フリータイムで会話も弾む参加者たち

写真を拡大

 いま日本では、13人に1人はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)をはじめとする性的マイノリティである(電通調べ)。今年3月には、同性カップルに対して「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行する条例が、東京都渋谷区で成立した。


 LGBTの認知度は高まる一方で、少数者の苦労や悩みは尽きないようだ。その一つが“出会い”。今回、LGBTの恋活パーティーを取材し、彼らの本音を聞いた。


 * * *

 東京・池袋。ここでLGBTのための恋活パーティーが開かれている。レズビアンのためのパーティーもあるが、我々が訪れた日はゲイのパーティー。このパーティーは昨年から始まり、今や東京のみならず全国各地で開催されている。どんなパーティーなのか? 趣旨や流れを、主催者である「LGBTパートナーズ」の代表・樽井良和氏に伺った。元国会議員である樽井氏。その経験が「LGBTパートナーズ」の立ち上げを後押ししたという。


「『LGBTパートナーズ』は私が経営する会社の一つのチームです。今までオタクに出会いの場を提供する“オタク婚活”の『アイムシングル』や、65歳以上の女性のみを雇用する『おばあちゃんの定食屋』を立ち上げるなど、必要とされているのに社会にはまだないソリューションサービスを積極的に手掛けてきました。そして昨年から始めたのがLGBTの方のためのパーティーなんです。


 以前、私は政治家をしていて、日本の問題点をたくさん見てきました。日本にはまだまだ、少数者への配慮や理解が制度的にも感情的にも十分でないところがあります。テレビなどでは、“オネエ系”といわれるタレントさんが大活躍されていますが、ああいう方はLGBTのごく一部であって、とりわけ硬い仕事をしている方などはカミングアウトできないと悩んでいらっしゃる。そこで、LGBTの方同士のまじめな出会いの場を作ろうと考えました。


 LGBTの方に限らず、人生において恋愛はとても大事なものですし、あらゆるモチベーションやエネルギーの基となっています。恋愛が多い方が人生も社会も活性化されると、私は思っているんですね」


 樽井氏が言う“まじめな出会いの場”——このパーティーは、ネットではなく実際に顔を突き合わせて出会う場であり、アルコール抜きに落ち着いて語り合う場だ。参加者にはHIV検査を推奨するなどの意識付けも行っている。


 パーティーの流れをざっと説明しよう。男女の一般的な恋活パーティーと似ていて、最初にプロフィールカードを記入する。次に、そのプロフィールを持って、3〜5分で自己紹介を行う。その後はフリータイムがあり、カップルになりたい相手がいた場合は投票カードに記入してスタッフに渡す。最後にカップルの発表がある。全体で約2時間。パーティーの間はジュースや軽食が自由に飲食できる。


 初めに記入するプロフィールカードには、年齢や職業、血液型、趣味や好きなタイプなどの基本情報のほか、ゲイならではの記入事項があるという。


「『タチ』(攻め)か『ネコ』(受け)かの記入欄ですね。パーティーを始めるにあたって、この項目は絶対に入れてほしいという声が多くありました。見た目では判断が難しいのだそうです。ただし、「タチ」といっても、程度が様々なようで、積極的なタチもいれば、相手によってはネコにもなるタチ、もいらっしゃる。ですから『1〜10』の度合いで示していただくようにしています。


 もう一つ、参加者の方が重要だと仰るのは、一人暮らしかどうかの項目ですね。同性同士だとホテルに入りにくいとか、家族にカミングアウトしてないから家では会えないといった事情が、やはりあるようです」


 では実際に参加した方は、どのような動機で、何を求めてやってきたのか。本日の参加者は約40名、年齢は20代〜50代までと幅広い。公務員、大手企業、サービス業、弁護士と職種も様々で、女性からもモテそうな“イケメン”も少なくない。体を鍛えている人も目に付く。ここからは彼らの生の声を紹介しよう。


■Aさん(20代、教育関係)

「知り合いを求めて参加しました。僕は新宿2丁目などには行かないこともあり、ゲイの知り合いが本当に少ないんです。最近は出会い用のアプリなどもありますが、実際に会って話した印象を大切にしたいので。相手に求めるのは、誠実さです。職業や年収にはこだわりません。見た目はそれほど重要じゃないですが、あえて好みを言えば鈴木亮平です」


■Bさん(40代、新宿2丁目で飲食店経営)

「私は2丁目でお店をやっているので、それなりに出会いはあるのですが、そういう場所に来ない方とも知り合いたいなと思って参加しました。これまでに何度かこのパーティーには参加しています。彼氏ができれば嬉しいですけど、そこまでいかなくても、友人や知り合いを増やせたらいいですね」


■Cさん(40代、リラクゼーション業)

「ゲイには“清く正しく”という出会いが少ないんです。性的なものばかりを求めがちになるといいますか……。出会い系のアプリもありますが、なかなか実際に会うまでに至らないですし。一方でここに来る人は真剣で、精神的なものを求めている人が多いところがいいなと思います。僕が相手に求めるものはやさしさですね。また、将来的には一緒に生活をしたいと思っているので、基本的な経済力のある方を望みます」


■Dさん(30代、国家公務員)

「僕はごく近しい人にしかカミングアウトをしていないこともあり、ゲイの知り合いはほとんどいません。渋谷区の条例など、世の中の大きな流れとして変化はあるのかもしれませんが、個人レベルでは、まったく言いやすくはなっていませんね。もっともっと、ゲイを受け入れてくれる社会になってくれればと願います。いまだに付き合ったこともないので、まずは仲のいい友達をつくり、段階を経て、付き合うようになるのが理想です。その辺は男女の関係と一緒なのではないでしょうか」


■Eさん(20代、看護師)

「ゲイの知り合いは1、2人しかいません。よほど親しくないとカミングアウトはできないですね。互いを尊重でき、本音を言い合える人を求めています。人生のパートナーを探しているので、定職についていて欲しいとも思います。見た目的には、体を鍛えている人が理想ですね」


■Fさん(20代、IT系)

「最近、ようやく親にカミングアウトしました。新宿2丁目にも行ったことがあるのですが、極端な人が多いなという印象です。僕は一緒にいて疲れない人がいいですね。気を遣わなくていい相手と出会いたい。女性に告白されたこともありますが、まあ、『ごめんなさい』と。理由が言えないのが心苦しいのですが」


 この日、カップルは5組誕生。これは少ない方だとたるい氏は言う。フリータイムで一番人気だった男性はカップル成立ならず、「また頑張ります」と言い残して去って行った。


 参加者から一様に語られたのは出会いの少なさ。そして、いまだカミングアウトしにくいという社会のあり様。オネエ系タレントのブレイクによって、そうしたテンションのキャラを求められ、自らとのギャップに苦しむという人もいた。多くのゲイが、いまだ多様な社会を実感できていない。それゆえか、パーティーには、恋を求める真剣さと同時に、心許しあえる同志に対する親密さと活気が溢れていた。

NEWSポストセブン

「LGBT」をもっと詳しく

「LGBT」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ