アレをしたら頒布数が倍増?初心者が同人活動を始めてみると…【2冊目の同人誌編】

5月10日(火)13時0分 おたぽる

100円ショップで購入したイーゼル。下に敷いた布も同時に購入。

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——昨年からひとり同人サークル活動を始めている。初回のイベント参加は2015年6月、(http://otapol.jp/2015/08/post-3234.html)それから3ヶ月後に既刊だけの2回目のイベント参加を経て(http://otapol.jp/2015/10/post-4293.html)今回3回目、2冊目の新刊とともにイベントに参加してきた。頒布部数込みでレポートしたい。

■2冊目だからわかること〜こだわる部分とこだわらない部分

 今回作る2冊目の同人誌では、1冊目で「もっとこうすればよかった」と思ったことを極力解消することにした。まず体裁だ。1冊目で小説の本文を作る際に、最初は印刷会社が出しているワードのテンプレートをそのまま利用していたものの、その後ツイッターまとめサイトで、「自分の好きなフォントや行数、1行の文字数まとめ」的なものを見て、同人女たるもの、こだわったほうがいいのだろうかと自分なりに調整、印刷し、テンプレートから少しだけ文字のフォントを大きくして注文したところ、文字が想像よりも大きくなってしまっていた。自宅で印刷したときと製本された状態が違うことをわかっていなかったのだ。よって、今回は無理せず印刷所が用意しているフォーマットを素直に利用した。

 ほか、処女作を初回イベントの会場で見たときに真っ先に思った「表紙の照りが足りない・・・・・・」を解消するため、表紙がつるつるになる加工も入れた。初回あれほど苦しんだ印刷にまつわるあれこれは感動するほどスムーズに進む。このあたりは本当に習うより慣れよだ。

 次の反省点は部数だ。1冊目は50部を昨年6月に刷り、2回の同人誌即売会イベントと、同人誌通販サイトでの頒布を半年間行い、結果、現在までに17部を頒布している。「だから今回は30部にすべきだ」と自分の中の理性は言っていた。しかし「表紙がつるつるになる加工(有料)入れたんだし多く刷らないと損だって! 大体、30部と50部じゃ印刷料金なんてそんな変わらないじゃん。30部じゃ割高なだけだよ」と自分の中の本能が囁く。そして同人活動をする人の大多数がそうだと思うが、私も自萌え(自分が書いた話が大好き)だ。こんないい作品書いちゃった以上、50部は刷らないと自分に申し訳ない……、と懲りずにまた50部刷ることにした。残部は初回のイベントでいただいたお手紙とともに死んだときに棺桶に入れてもらえばいいのだ。

 部数については省みないことにしたが、また別の反省点である通販に関しては徹底して改善した。前回、通販を始めて利用した際(http://otapol.jp/2015/08/post-3400.html)は、勝手がわからなかったので参加した大型イベント開催日から通販での販売開始までずいぶん日があいてしまった。しかし自分が買う側の立場のときのことを考えると、行けないイベントで発行される欲しい同人誌はイベント前から通販サイトで探しまくっている。よって、通販サイトにあらかじめ申し込んでおき、イベント前から「予約」ができるよう手配した。イベント終了後、会場から通販会社に残部を送る段取りだ。

■100円ショップで買った設営グッツが活躍

 イベント当日。ぼっち同人で交流もせず、売るものも今まではわずか1種類という身軽さから、初回、2回目のイベントとも一般開場直前に会場入りし、準備しているうちに開会のアナウンスが聞こえてくるという体たらくだったが、今回は「設営もがんばる」をテーマに開場20分前にスペース入りした(それでも別に早い方ではないが)。

 設営のために100円ショップで新たに買ったのが写真の小型イーゼル。今まで同人誌をスペースに平置きしていたのだが、考えてみれば買う立場で回る同人イベントは、どのサークルがどこにあるのか探すだけで結構大変だ。イーゼルを使って見本誌やサークルの位置番号を立体的に見せ、通りかかる人が首を伸ばしてテーブルの上をのぞかなくてもわかるようにした。

 なお、通販はイベントの10日以上前から予約受付できるようにしたため、イベント当日の朝チェックしたところ、すでに6冊も予約が入っていた。なかなか幸先がよく、胸が高鳴る。「やばい、追い風吹いてる」とドキドキが止まらない。会場搬入にした2冊目の表紙も、念願の表紙の照り加工が最高に効いている。照り加工を入れてよかった。

 高ぶる中でいざ開場。しかし今回、気持ちが一気に楽になる「その日1冊目の頒布」まで30分と今までで一番かかった。用意していた暇つぶしグッツで時間をつぶしてはいたものの、この時間は本当につらい。最初の1冊が頒布できると一気にありがたく、ほっとするのは毎度まったく変わらない。イベントでいただいたお金はとっておいている。私の本を買おうと出してくれたお金だ。どんなお守りよりも霊験あらたかだろう。

 結果だが、今回のイベントの合計頒布冊数は11冊(既刊1冊、新刊10冊)だった。イーゼルがよかったのか、3回目のイベント参加にてあこがれの二桁頒布達成だ。通販予約分も入れると、2冊目はイベント当日までに16冊頒布したことになる。25冊は通販にまわしたので、手元には15冊程度、ちょうど私の頒布ペースからしてあと1回イベントに出られるくらいの、ちょうどいい量が残った。50部にしておいてよかったのだ。イベント会場の奥に宅急便のブースがあるので、そこで残部のうち通販に回す分を配送手配し、身軽になって帰路につく。

■今後の課題=感想ください

 2冊目を出し、3回のイベントに出てわかったことは以下のとおりだ。
◆印刷は1回やらなければ絶対に勝手がわからない。気をつければ初回でも落丁レベルの失敗は防げるが、こうすればよかった程度の後悔は何かしら残る。よって、初回はいけると思った部数の7掛けを推奨。
◆新刊必須。出る側のテンションがまったく変わる。参加回数を減らしてでも新刊を出したい。
◆通販は「イベント前から予約可能」状態にし、イベント当日に残部を送るよう事前に手はずを整えておくと多くの人に見てもらいやすくなるし、何より当日、スペースで暇なのでやることができるのがとてもいい。
◆ぼっちなら暇つぶしグッツは必須。
◆遅刻厳禁。3回参加したがすべて開場から2時間で頒布は終わった。12時を過ぎるともう人はまばらになってくる。
◆100円ショップはパラダイス。設営グッツはここで全部揃えられる。今回あるといいな、と思ったお金を置くトレイも調達する予定。

 今回、今までの「もっとこうすればよかった」をつぶせたのが楽しかったしやりがいもあった。イベントに出るための「作品を作る」以外の諸々(事務手続き、印刷手続き、設営、告知など)は、初回は右も左もわからず大変だったが2回目以降はちょっと工夫してようと余裕も出てきて、自分のレベルアップぶりが頼もしい。設営グッツも最初に一通り揃えれば、あとはちょい足し程度で済む。「表紙やお品書きを作るのが結構好き」とか、自分の思いがけない嗜好がわかるのも発見だった。

 今後の課題はただ一つ。「感想ください」だ。スペースに足を運んでもらい、お金まで出していただいているありがたさは毎度噛み締めているが、さらに感想までいただきたいと欲望は止まらない。スペースに来ていただいた方々に、「私の(作品の)どこがいいって思いますか?」とウザがられるのを覚悟で死ぬほど聞きたかった。

 以前、大手サークルさんに感想を送ったところとても感激され、大手なら感想はもらい慣れていると思っていただけに驚いたことがある。あのときの私は、おそらくツボを射抜いた感想ができていたのだろう。この「ツボを射貫いた感想」があれば、それだけで救われるサークルは多いだろう。少なくとも私は昇天する。それが東京ビッグサイトを埋める多くのサークルの原動力であるはずだ。

 ツボを射貫いた感想は別に難しくはない。「読みました」から一段階ギアをあげた「面白かったです」「萌えました」からさらに一段階ギアをあげればいいだけだ。キーワードは具体的。「このところが特に好きです。なぜ好きか、それはここが(以下省略)……」とすればいいのだ。トヨタでは生産効率をあげるために、「なぜこうなったのか→Aだから→ではAになったのはなぜか……?」と「なぜ」を5回問い掛けることで原因を追及していく「なぜ5回」方式が採用されている。サークルへの感想も世界のトヨタ方式を採用すればいいのだ。

 この記事で感想の輪が少しでも広がることを願うとともに、感想をもらえるための自助努力も続けていきたい。次回のイベントの課題ができ、今、燃えている。
(文/石徹白未亜[http://itoshiromia.com/])

おたぽる

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