氷川きよしが涙 路線変更に葛藤「自分の心の中、きよし君の部分だけじゃないんだよって」
2025年5月10日(土)22時29分 スポーツニッポン
歌手の氷川きよし(47)が、10日放送の日本テレビ系「with MUSIC」(土曜後10・00)に出演し、自身の歌手人生と表現に対する葛藤を涙ながらに語った。
昨年8月に1年8カ月ぶりに活動を再開。大みそかのNHK紅白歌合戦で復帰後初のテレビ出演を果たしたが、民放の音楽番組はこれが復帰後初めての出演となった。
デビューから長年、演歌路線を歩んできた氷川が突然、イメージチェンジしたのは19年だった。人気アニメ「ドラゴンボール超」の主題歌「限界突破×サバイバー」が大ヒット。妖艶なメーク、ド派手な衣装で、ゴンドラに乗って熱唱する動画が、SNSで大バズリし、同曲で紅白にも出場した。
00年のデビューシングル「箱根八里の半次郎」から、「大井追っかけ音次郎」「きよしのズンドコ節」と、耳なじみのいい演歌路線でも、そのたびにさまざまな主人公を演じてきた。「半次郎になったり、音次郎になったり、ズンドコの青年になったり、白雲の城の主人公みたいになったり。作家の先生方が一生懸命作ってくれた作品だから、ヒットさせたいと。その主人公に近づけようとして、髪形とか変えたりしていたので、振り返ったら自分って誰だっけ?みたいな時もありました・よ・ね」。語尾で遊びつつ、振り返った。
そうして切り拓いた自分の世界観。「爽快感がありました。気持ちがいいって。ちょっとツンとしているんで、そういうところも自分の中にあるものを音楽で表現できているかなって」と話していた。
大変身には、副作用も心配された。MCの有働由美子からは「みんなが期待する氷川きよしでいたわけじゃないですか」と問われると、氷川は「泣いちゃう…」と目に涙をため、上を向いた。
さらに有働からは「それを周りが反対だと言っても、そっちに行く。何でそこまでして、そっちに行かなきゃいけなかったのか」と突っ込んだ質問をされた。
氷川は「ファンの方にはびっくりさせたり申し訳ないなって気持ちもあったんですけど、もっと自分でいたいなって」と、涙声になりながら返答。「心の中にあるものが、もっと自分はこうなんだけどな、全部、自分の心の中、きよし君の部分だけじゃないんだよというのが凄くあって。それで嫌いと言う人もいると思っていたけど、後悔したくないって。それが反骨精神になって。絶対やってやろうってエネルギーになったんですよ」と言い切った。