『サクラクエスト』6話 売れたかったら蝉を食え。女優って職業の人は……「変わった人間」なんだなぁー

5月11日(木)16時0分 おたぽる

『サクラクエスト公式サイトより

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——都会での仕事に憧れる20歳女子。就活全滅、限界集落寸前の田舎のよくわかんない独立王国の王様に就任させられて、今度は映画会社が撮影にやってきたのでお手伝い。しおりちゃんと縁側でさつまいもを食べたいたまごまごが、『サクラクエスト』(TOKYO MXほか)全話レビューお届けします。

■第6話『田園のマスカレード』真希ちゃんのライフはもう0よ

 間野山町を舞台に撮影したい、という話が映画会社からやってきた。
 木春由乃(演:七瀬彩夏)や四ノ宮しおり(演:上田麗奈)をはじめとした観光協会のメンツは、これをきっかけに盛り上がるのではないかと大いに期待する。ところが、かつて女優を目指していた緑川真希(演:安済知佳)は、手伝いを降りてしまう。

 サード助監督の藤原(演:古川慎)と由乃たちは、撮影の準備を開始するも、後からやってきた監督の園田(演:浦山迅)が思いつきでぽんぽん台本を変えるもんだから、現場はひっちゃかめっちゃか。女優のドタキャンが出たため、代役を真希に頼んだ所、ブチ切れられてしまう。
 一方、しおりは舞台の廃墟の家が燃やされると聞いて、顔を暗くするのだった——。


■女優になるには岸辺露伴並の覚悟がいるのか

 今回は合点大臣またはおでん大臣こと、真希の膿が出た回。

 彼女は、女優を目指して東京で挫折し、劇団を辞めてしまったという過去を抱えていた。地元・間野山町に帰ってきたものの、父親とは大喧嘩中。今は由乃とシェアハウスで暮らし、観光協会の手伝いをしている。
 そんな後ろ向きモードなところに、映画の撮影、しかもヒロイン役は自分の後輩の澤野萌(演:水瀬いのり)。ヘヴィだ。

 真希は、萌と自分の違いは、テレビ番組でセミを出された時に、食べれるかどうかの差だ、と言う。萌がバリバリセミを喰ったのには理由がある。
「だってあんな経験なかなかできないじゃないですか。役者としての引き出しを増やすためなら私、どんなことだってやりますよ」

『ジョジョの奇妙な冒険』の人気キャラクター・岸辺露伴が、今後描くマンガでリアルティを出すために、「味もみておこう」とクモをなめるシーンがある。広瀬康一いわく「マンガ家って職業の人は……『変わった人間』なんだなぁー」。
 この理論だと、「女優って『変わった人間』なんだなー」になる(ちなみに、セミの唐揚げはおいしいそうです)。

 萌は誠実な努力家な上に、テレビ向きなキャラが立っている。
 一方で、真希は良くも悪くも常識人。
 だから、後輩の萌がブレイクした話をする時に、彼女の経歴よりも先にセミの話を出してしまう。特別になりたい人が、自分に無いものを持つ人「変わった人間」に出会うと、自己評価がぐんと下がる。
 ここは由乃が町にきて「普通じゃないものになりたい」と言っていたところと、かなりかぶる。だが、真希も由乃も、普通だ。

 最初からネガティブになる姿勢が、6話までの真希には多々見られた。それを相殺するくらいに由乃がポジティブなので、いいストッパー役だった。ところが今回は由乃ときちんと話をせず、一方的に沈んでしまった。
 大好きだったはずの演劇をけなし貶め、自分と切り離そうとする真希は、香月早苗(演:小松未可子)に「みっともないよ」と叱咤された。

 逃げて距離を置くのは、心の整理のために必要だ。しかし、対象を貶めて自分が正しいと言ってしまうのでは成長がなく、同じような失敗を繰り返しかねない。前回、木彫の話で痛い目にあった早苗だからこそ、言える発言だ。
 避けて通ろうとする割に、真希は撮影現場を覗きに行っている。


■めっちゃ色々あるな間野山

 なんにもないなんにもない、と言っていた間野山町だけど……見どころ多いのでは?
 江戸時代から続く趣のある街道、伝統工芸として認められた木彫、今も動く水車小屋、地域ぐるみの和太鼓。由乃「間野山っていいとこわりとあるね」

 アニメ自体は基本由乃視点で、「東京から来た→なんにもないど田舎」という0点からスタート。町をウロウロすると発見がたくさん出て来る、加点方式だ。
 一方町の人は、かつてそこそこ盛り上がっていて、今はない、という減点方式。こうなるとどこかに視点の新しい切り口を入れないと、町の意識は凝り固まってしまう。

 それこそ今回サード助監督が「ロケに必要な風景がコンパクトにまとまっている」とこの町を称していたが気になる。もしかして、チョットひねれば駅を起点に名所をつなぎやすい、恵まれた地形なのでは?

 いつも笑顔でこの町をこよなく愛するしおりが、6話で落ち込み続けている様子は、見ていてつらい。だんないよ、しおりちゃん!
 現実でも廃墟家屋問題は、地方都市の抱える重要な課題。どう物語内で処理していくのかは見どころ。
 今は廃墟も、観光資源になったりするしね。

 ところで今回の監督、かなりイヤミで、周囲から嫌われているキャラだった。そのうちあの監督、思いつきでサメ出すぜ多分。
 以前、地方テレビの取材で来ていたアナウンサーも、無表情で辛辣な言葉を連ねるキャラだった。外部から来た人を、極端に冷たく表現しているように見える。なにか思惑がありそうなので、ここはチェックしておきたい。

 家屋を思いつきで燃やすってえらい失礼な話だし、ゾンビ映画ならここじゃなくても撮れるじゃん、という気もするのだけれども。『ふたたびの森』改め『チュパカブラ・オブ・ザ・デッド』になるのなら見てみたいです。
(文/たまごまご)

おたぽる

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