“ポスト安倍氏”は誰か? 小野寺五典防衛相が有力視の理由

5月11日(土)7時0分 NEWSポストセブン

 本誌は安倍政権が憲法改正実現を念頭においた長期政権10年計画の工程表を入手した。その中で安倍首相は2期6年の自民総裁任期を務めた後、一度総裁・総理を退陣し、2年後に再々登板するというシナリオも描かれていた。


 では、その2年間、後継を誰が務めるのか。


 安倍政権には、ナンバーツーの麻生太郎・副総理をはじめ、総裁選を争ったライバルの石破茂・自民党幹事長、内閣の番頭役として首相の信頼が厚い菅義偉・官房長官、甘利明・経済再生相ら“ポスト安倍”と見られている実力者が揃っている。


 長期政権を狙う安倍首相が「後継者」をどう考えているのかは、これからの政権内部の力関係の変化や自民党内での跡目争いに関わってくる。


 安倍首相が“日本のプーチン”になるためには、どのような“後継者”が必要なのか。ロシア政治に詳しい、袴田茂樹・青山学院大学名誉教授が「プーチンの選択」をこう分析する。


「プーチン氏が2008年にメドベージェフ氏に大統領職を譲ったとき、セルゲイ・イワノフ元防衛相というもうひとりの有力な後継者候補がいた。メドベージェフ氏を選んだ理由は、彼が大学の後輩でプーチン氏が副市長時代から部下として支えてきた人物であり、政策を継承し、寝首を掻かれることはないと考えたからだろう。一方のイワノフ氏はプーチン氏と同世代で、シロビキ(武闘派)と呼ばれる軍部や治安組織の出身で支持基盤も重なる。大統領になれば本格的に権力を奪われかねない。


 もっともメドベージェフ大統領もプーチン与党の支持率が下がると離反して続投に動こうとしたが、プーチン氏は全ロシア国民戦線という運動体を組織して圧倒し、最後は大統領職を返上させた。これがイワノフ氏だったら返り咲きはできなかったかもしれない」


 安倍首相が政権禅譲後の再復帰を計算に入れてプーチン氏の手法を取り入れようとしているとすれば、後継者は年下の安倍チルドレンで、党内基盤が弱く、いざとなれば力で権力を取り戻すことができる相手でなければならない。つまりは「傀儡にしやすい人物」である。


 その基準でいえば、麻生副総理や石破氏、甘利氏など派閥領袖や自前の勢力を持つ人物は警戒される。菅官房長官は安倍総理より年長で政治経歴も長い。条件にあてはまるのは、閣僚の中では、新藤義孝・総務相、田村憲久・厚労相、小野寺五典・防衛相あたりに絞られる。


 側近議員は、安倍氏が重視するさらなる条件があるとこういう。


「後継者は憲法改正という安倍政権の悲願を継承できる人物であることはいうまでもないが、96条改正には衆参の3分の2の賛成が必要で、タカ派色が強すぎると警戒されてうまくいかない。総理自身そのことで苦労しているから、バリバリのタカ派は後継者には選ばないだろう。それに総理は外交経験を非常に重視している」


 そうなると、有力視されるのが第1次安倍政権で外務副大臣を務め自民党外交部会長の経験もある小野寺防衛相だ。派閥こそ町村派の安倍首相とは違う岸田派に所属しているが、初入閣の中堅であり、党内基盤も弱い。実は、小野寺氏は安倍首相のお気に入りでもあるという。


「小野寺氏は東京水産大学から宮城県庁に入り、退職して東大大学院で政治学修士を取った努力家で、総理はガッツがあると評価している。総裁選では政敵の石原伸晃氏の推薦人になって冷や飯を食わされるはずなのに、なぜか入閣させたほど」(町村派議員)


 かつて派閥政治の全盛期、竹下登・首相がスキャンダルで退陣に追込まれた後、最大派閥の竹下派は他派から派閥領袖ではない海部俊樹氏を首相に担いで傀儡化した。安倍首相や側近たちは今のうちから、「軽い御輿」の値踏みをしているわけである。


※週刊ポスト2013年5月24日号

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