「嵐」解散発表で「収益をキッパリと手放すなんてさすが嵐」と早くも言われるワケ 大野智が「重い腰をあげるタイミングを待っていた」が…
2025年5月12日(月)18時0分 文春オンライン
「20年以上です! この活動休止中も毎年4000円を納めてきた。人生賭けてきたのにコレでチケットとれなかったらもう何も信じられない」
そう話すのは、古参ファンクラブ会員のひとりだ。
来春のコンサートツアーをもって嵐の活動を終了

〈みなさまこんにちは、嵐です。
このように5人で揃う姿をお見せするのは実に4年半ぶりということで、皆さんどうもお久しぶりです。さて、私たちからお伝えしたいことがございます〉
5月6日。ファンクラブ向けの動画で横一列に並んだ5人は、少し緊張している様子に見えた。3分20秒ほどのメッセージ冒頭では、センターに立つ相葉雅紀が、来年の春ごろに予定している嵐のコンサートツアーのために準備をはじめたことを報告。続いて画面向かって左端に立つ櫻井翔が、このツアーをもって嵐の活動を終了すると述べたのだった。
「やはり注目は大野智の登場でした。こうやってファンの前に姿をあらわしたのは1587日ぶりとのことで、これまでの動向が最もわからなかったメンバー。宮古島で事業をしているとか、ひげ面で腕にタトゥーを入れているなど少しずつマスコミによる情報はあったものの、世間からしたら『大野くんは元気なの!?』という素朴な疑問がありましたから」(芸能デスク)
大野が重い腰をあげるタイミングを待っていた
5人のメッセージ動画を撮るカメラ近くに「カンペ」があるのは明らかな様子だが、大野が喋ったのは、〈時間をかけて何度も話し合いを重ねみんなで出した結論は、もう一度集まって嵐としてのコンサートを行い、コロナによって叶えられなかったファンの皆さんに“直接感謝を伝える”、“直接パフォーマンスを見てもらう”ということをもって、5人での活動を終了するということでした。 活動を再開したその先に、また再び休止に入るということは考えられませんでした〉という、まさに肝となる部分だった。
「嵐が、活動休止から“復活”することをいちばん阻んでいたのは、大野の意向でした。2020年いっぱいをもってグループとしての嵐の活動のみならず個人の芸能活動をも休止していたわけで、彼が重い腰をあげるタイミングを待っていた部分が大きい」(同前)
その間に、ジャニーズ事務所は消滅しSTARTO ENTERTAINMENTが生まれた。昨年春には5人で「株式会社嵐」を設立したが、その前後に二宮和也と松本潤は旧ジャニーズ事務所を退所し個人事務所を設立。グループとしての活動、個人としての活動、そして旧ジャニーズとのエージェント問題と、日に日に複雑な様相を見せていた。
ラストツアーチケットの「心理的争奪戦」が始まっている
「俳優業やバラエティなどに忙しい4人それぞれのスケジュールを合わせることも煩雑すぎた。それでも、コロナ禍を経て嵐のコンサートを有人観客の前でやるという青写真はずっとありました。ツアー日程、会場をおさえるというのは1〜2年がかりの作業です。そうした中で来春のコンサートツアーが“解散ツアー”になることが、徐々に明確になってきたんです」(旧ジャニーズ関係者)
詳細なスケジュールの発表はこれからだが、冒頭のファンが言うように、「心理的争奪戦」が始まっているのがラストツアーのチケットだ。
発表によれば、有料ファンクラブ会員が優先的にチケットをとれるようにいったん新規会員募集を停止。6月に、これまでの会員とは区別する形で新たに募集を再開するという。
「ジャニーズ事務所の時代に、嵐のファンクラブ会員は300万人を超えていました。その全てがファンというわけではなく、チケットをとるために家族みんなで入って名義数を増やしている“水増し分”はありますが、それでも飛びぬけた会員数です。4年半も退会せずに支払い続けた会員は、このプラチナチケットに申し込まないハズはない。
どれだけの回数、コンサートを開催したら嵐ファンが満足するキャパを用意できるのかがポイントとなります」(同前)
嵐の御用達ともいえる国立競技場で7万人弱、各地の大きなドームなどで5万人前後。相当の日数をキープするのは、スポーツ日程との兼ね合いもあり難易度が高いことがわかる。
“濡れ手に粟”の収益をキッパリと手放すなんてさすが嵐
一方で、業界的にはこんな見方も。
「今回、来年5月いっぱいでファンクラブも閉鎖するとの発表もありました。これってなかなかできない潔い決断ですよ。タレントにとってファンクラブの収益というのはほんとうに割がいい。嵐の場合は年4000円ですが、仮に100万人の会員でも年間40億円ですからね……。これは『放っておいても入ってくるお金』として非常に大きいんです。サブスク解約同様、なかなか退会手続きってされないものなので。
ひと昔前はファンクラブの管理がけっこうアナログで、郵送物の手配などが手間でしたが、いまは徐々にDXが進み、こうした発表ものもオンラインですからラクなものです。ある意味で“濡れ手に粟”なんです。活動休止中も継続してきたファンクラブの収益をキッパリと手放すなんてさすが嵐だな、と」(プロダクション関係者)
これまでも嵐のコンサートツアーの最中は、会場への交通機関や近辺の宿泊施設の予約が困難になるほどで「地域経済を動かす嵐」といわれてきた。ファン垂涎のチケット争奪戦のみならず、多方面での皮算用が水面下でスタートしている。
(山本 雲丹)