「オーディションの募集要項も自分から提案してみました」 "一人残された"かとう唯、"新生平成琴姫"に向けて奮闘中!

5月12日(火)7時0分 おたぽる

(写真/山本宏樹)

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 大正琴をリニューアルして作られた完全オリジナル楽器"平成琴"を弾きながら歌い踊る和風アイドルとして2012年3月31日のライブデビュー以来、精力的に活動してきた平成琴姫。今年2月3日にリリースした3rdシングル『乙女革命』は過去最高の売り上げを記録、3月8日に行ったワンマンライブも成功を収め、グループは順風満帆かに見えた。

 ところが4月22日に行われた定期ライブで、初代リーダーの桃屋マミ、二代目リーダーの沙月美祐が6月7日のライブをもって卒業することが発表された。三人から一人になることは通常なら解散を意味するが、残された唯一のメンバーであるかとう唯が選択したのはグループの継続、そして新メンバーを加入させて"新生平成琴姫"を作ることだった。

 めまぐるしく状況が変化する最中、かとう唯は何を考えて行動したのか。その思いを語ってくれた。

■かとう唯が"残る"と決めた理由

——いつ頃、メンバーが卒業するのを訊いたんですか?

かとう唯(以下、かとう) 衛兵さん(平成琴姫ファンの総称)に発表した1週間前です。あまりにも最近のことなので、今も現実の話なのか整理がついていない状態です。でも心は前向きですね。

——二人が卒業しそうだなという兆候はあったんですか?

かとう 正直、私は気付かなかったです。本当に突然のことでした。

——平成琴姫は年間のライブ数が多いので、じっくり話し合う時間も少なそうですね。

かとう そうなんですよね。日課みたいに、ひたすらライブをしていたので......。

——もともと平成琴姫は四人組で、2014年4月22日にメンバーが一人卒業しましたけど、その時とは気持ちも違いますか?

かとう その時とはまったく違いましたね。自分しかグループを広めていく人間がいなくなる訳で、責任感も大きいですね。

——どういう流れで二人から卒業の話があったんですか?

かとう まずは、皆で集まった時に一人のメンバーが「ほかに夢がある」という話をして、その時は卒業するかどうかまでは決まっていなかったんです。ところが次の話し合いで、もう一人のメンバーも同じように「違う道に進みたい」という話をし始めて。たぶん一人が辞めるかもしれないという状況になって、このまま平成琴姫を続けていく自信があるかどうかをそれぞれ自分自身に問いただしたと思うんです。実際、私がそうでした。それから何度か話し合いをする中で、二人は卒業するって決断をしたんだと思います。

——どうして、かとうさんは卒業しようと思わなかったんですか?

かとう 私自身、卒業の話が持ち上がる前から、三人の中で一人が辞めた時点で平成琴姫は終わると考えていたんです。ところが予想もしていなかった二人も辞めるという状況になって思ったのは、誰もが二人辞めた時点で平成琴姫は終わったなって考えるだろうなと。でも私の中で、まだ平成琴姫ですべてを出しきっていないなと思っていて。だったら、もう一回やり直せばいいんだと。違うメンバーと再スタートすればいいんだと思って、続ける決断をしたんです。

——すぐに、その結論に達したんですか?

かとう 最初の話し合いでは、ただただショックすぎて何も発言できずに下を向くことしかできなかったです。でも何度目かの話し合いで、今日は絶対に「ほかの誰かが辞めると言っても私は残る」という自分の意見を言おうと決めたんです。その日から意志が固まりました。

——四人から三人になった頃に、新メンバーを入れようとは考えなかったんですか。

かとう むしろ絶対にオリジナルメンバーだけでやっていこうという気持ちが強かったですね。私たちの使用している平成琴がオリジナル楽器なので、ポンポン作れないのもあるんですけど(笑)。絶対に今のメンバーじゃないと売れないと思っていたんです。でも、こういう状況になって考えは変わりました。

——沙月美祐さんはアニソンシンガーを目指すと発表しましたが、そういう志向があったことは知っていたんですか?

かとう 本人の口から聞いたことはなかったんですけど、そういうのが好きなのは知っていたし、一緒にカラオケに行っても比較的アニソンを歌っていることが多かったですね。だから、そういう道に進みたいのも理解できました。

——一方の桃屋マミさんは絵を描く仕事を目指すと発表しました。

かとう 彼女は毎日ブログで絵日記を載せているので、将来的にそういう仕事に就きたいのかなとは思っていましたけど、そこまで強い意志を持っていたと知ったのは、つい最近ですね。正直、今だから言えることですけど、今後どうしたいかをメンバーで話すことは一度もなかったんですよね。

——ライブで二人の卒業を発表した時、ファンの反応はどうでしたか?

かとう Twitterなどで、大切なお知らせがあることは事前に告知していたので、発表前から衛兵さんは泣いていました。どうやら平成琴姫は解散すると思った方が多かったみたいで、嫌な予感がするって空気が漂っていたんですよね。ライブが始まってステージに立った時から、あんなに悲しそうな顔をしている衛兵さんを見たことがなくて。こういう思いを二度とさせたくないなって強く思いました。私は残るって発表をした時に、「残してくれてありがとう」って言ってくれた衛兵さんも多くて、この決断をして良かったなって思いました。

——卒業発表以降のライブはファンの反応も、いつもと違いますか?

かとう ライブ中の応援は変わらないですけど、たくさん来てくれるようになりました(笑)。

——もう三人の姿を見るのも数えるほどだからだと(笑)。

かとう そういう方もいるでしょうね(笑)。ただ、それぞれ衛兵さんも、いろんな思いを持って来ていると思います。その中で、まだ始まってもいないけど、良い意味で頭を切り替えて、新しい平成琴姫に期待して応援するって言ってくださる衛兵さんも多くて。そう言ってくださると、その気持ちに全力で応えようって、すごく思います。

■自身で作詞した「乙女革命」によって海外行きを決意できた

——7月10〜12日に開催される英国最大のJapanフェス『HYPER JAPAN Festival 2015』の出演が決まっていますが、予定通り出演するんですか?

かとう それもギリギリまで行けるかどうかわからないって話だったんです。ちょっと話は逸れますが、今年2月にリリースした「乙女革命」の歌詞は私が作詞したんですけど、2番の歌詞で「空を翔べ」というフレーズがあって、そこだけはイシカワ先生(平成琴姫プロデューサー)にアイデアを貰って書いたんです。それで今回の出来事があった時に、改めて歌詞と現実がリンクするところが多くて。「この状況に負けずに前を向けるか?」って問いかける歌詞なんですけど、イシカワ先生から電話がかかってきて「これは、もしかして言霊かもしれない」と。「空を翔べ、ということは海外に行けと言ってるんじゃないか。この状況に革命を起こすには、せっかくのチャンスを逃すんじゃなくてトライしよう」って意見を仰ってくれて。それでロンドンに向けて新しいメンバーをすぐに集めましょうって話になったんです。

——ここ一カ月のめまぐるしさは半端じゃないですね。

かとう 二人の卒業が決まってから今までとは比較的にならないぐらい、いろんなことが毎日起きて。心と体と現実がついていかない状況が続いていました。でも衛兵さんに二人が卒業すると発表してから、心はすっきりしたんですよね。

——家族には相談しましたか?

かとう しました。もともと母親は私だけじゃなく、メンバー全員のブログとTwitterを必ずチェックしていて。マネージャーやプロデューサー並に平成琴姫のことを知ってくれているんですよ。だから、「ブログはこうした方が、もっと衛兵さんは喜ぶんじゃない?」とかアドバイスをしてくれて。そういう協力的な親だからこそ、私が「みんな辞めることになった。でも唯は残りたい」と泣きながら電話した時に、「みんなが辞めるから唯も辞めるというのは、あなたらしくないでしょ」ということを言ってくれました。その一言が大きくて、みんなの意志に流されていちゃいけない、ちゃんと自分がどうしたいかを決めて、芯はぶれずにやろうと決心がついたんですよね。

■オーディションはかとう唯も参加

——オーディションについては、かとうさんの意見も反映されているんですか?

かとう はい。私は平成琴姫に入る前に、いろんなオーディションを4年間ぐらい受け続けて、ブログにオーディション日記を連載するぐらいだったんです(笑)。それが今回は、自分の所属するグループのオーディションを女の子たちが受けに来てくれるという逆の立場になって。こういう項目があれば受けたいなって思うだろうなとか、こういう文章なら安心できるだろうなとか、改めてオーディションを受ける立場から考えていて、すごく楽しいです(笑)。

——運営の仕事じゃないですか(笑)。

かとう 新メンバーが加入するというのも初めての経験なので、いろいろ不安も大きいんですけど、今は楽しみのほうが大きくなっています。だから募集要項も勝手に自分で考えてイシカワ先生にメールで送って提案しました。先生に相談してオーディションも審査員として参加させてくださいってお願いしました。それも今から楽しみで仕方がないです。自分のやりたいことに協力してくれるメンバーって、どんな子が入ってくるんだろうってワクワクが止まらないんですよ。

——ちなみに個人差もあると思いますが、平成琴を弾けるようになるまでどれぐらいかかるんですか?

かとう まったく楽器経験のない人だと一カ月ぐらいかかると思います。ただ、いきなり難しい曲からではないですし、弾けたらめちゃくちゃ楽しいですよ。

——楽器経験は平成琴にも生きるんですか?

かとう ものすごく生きると思います。特に鍵盤をやっていた子なら、すぐに覚えられるはずです。私もエレクトーンを15年間習っていたんですけど、その経験が役に立ちました。

——なかなかアイドルグループで楽器をやる前提のメンバー募集はないですからね。

かとう そこに反応してくれるとうれしいですね。もうオーディションを受けてくれるだけでもうれしいんですけど、欲を言えば、平成琴姫を女子十二楽坊みたいに楽器の演奏力だけでもみんなを感心させられるようなグループにしたいんです。そのために「平成琴を極めよう!」と頑張ってくれるチャレンジ精神旺盛な子が来てくれると、新しい平成琴姫が生まれるのかなと思います。

——二人が卒業して、新メンバーがステージに立つまでの間、ソロで活動する期間もあるんですか?

かとう あります。6月7日にメンバーが卒業して、私の誕生日が6月30日なんですよ。それでメンバー卒業後に私の生誕祭があって、その日はソロライブが決定しています。あと『HYPER JAPAN Festival 2015』までは新メンバーの練習期間になるので、その間は一人でステージに立つ予定です。今からソロで立つステージの構成も考えているんですけど、平成琴だけを演奏する曲もやりたいなと思っています。そのための選曲も考えているんですけど、ソロライブ自体の経験が少ないので、すっごく不安です(笑)。ただ鍵盤を弾くこと自体が好きなので、好きなことをやれるのは自分が成長する大きなチャンスだなと。おそらくソロで活動する期間は2カ月足らずなんですけど、そこで新しいファンを作れたらいいですね。

——後輩に教える自分は想像がつきますか?

かとう 今のところはつかないんですけど、今も3人で活動しながら、こうやって教えるんだろうなとか、リーダーならこうしなきゃいけないなとか、つねにイメトレはしています。心の中で毎日リーダーになる準備はしていますね(笑)。

——先ほどお話しにも出た「乙女革命」は初めてかとうさんが作詞を担当しましたが、どういう流れで書くことになったんですか?

かとう 最初は作詞するって話もなくて、まずは仮音源を聴かせて頂いて、一発で気に入ったんですよ。それで電車の中とかで何度も聴いて、作詞経験もないのに勝手に自分で歌詞を書いていたんです。早く「この曲を歌いたい!」って自分の中で革命が起きていたんでしょうね(笑)。メロディーが言葉に聴こえてくるんです。サビは「○○革命」って言ってるなって、タイトルも決まっていないのに確信していて。そしたら、イシカワ先生から自分で歌詞を書いていいよって提案があって、すぐにメールで歌詞を送ったらOKが出たんです。それまで遊び程度で歌詞を書いたことはあったんですけど、こんな経験は初めてで。この歌が好き、歌いたいって一心で歌詞を書いてもいいんだなって一つの発見でした。「この曲をきっかけにファンになった」と言ってくださる衛兵さんもいて、そういう意味でも革命を起こせているなと実感します。ただ、いまだにCDを手に取って、作詞にかとう唯とクレジットされているのを見ると不思議な気がします。カラオケにも入っているんですけど、画面に私の名前が出ても実感が湧かないですね(笑)。

■かとう唯が見据える"新生平成琴姫"

——新生平成琴姫で新たに挑戦したいことはありますか?

かとう 絶対に今までと一緒ではいけないなと考えていて、まずは平成琴をたくさん弾くことです。あと平成琴でアイドルソングのカバーをやりたいです。例えばももクロさんやAKB48さんみたいに多くの人が知っている曲を、普通なら歌とダンスでカバーするところを、平成琴で弾きたいなと。あと衣装も、今までは基本着物をアレンジしたものだったのですが、これからはどこかに和の要素が入っていれば違うデザインでも良いのかなと思っています(と言って自作のイラストを見せる)。

——上手い! すでに衣装の色分けからヘアスタイルまで決まっているじゃないですか!!

かとう ひらめいたことをパパッと描いただけなんですけど、新しい平成琴姫をどういう風にしたら注目を浴びるのかをつねに考えているんです。

——今まで、こんなにアイデアを出したことはあったんですか。

かとう ほとんどなかったですし、考えても遠慮して言わなかったんです。私はプロデューサーじゃないし、ほかのメンバーの意見もあるし、私一人の意見を言っても......って感じで全部抑えていました。でも平成琴姫を一人で続けるって決めた以上、前よりも売れないと意味がないと思うんです。だから自分の人生を賭ける気持ちで、どんどん意見を言っていこうと決めたんです。そうやって全力を尽くしてダメだったらしょうがないですけど、そこまでやらないと私も諦めがつかないし。しかも鬱陶しいぐらいアイデアが出て来るので(笑)。どんどんイシカワ先生に伝えています。そういう意見を受け入れてくれる環境が、今は何よりありがたいですね。
(取材・文/猪口貴裕)

★平成琴姫 新メンバー募集
http://www.hideco-promotion.com/heiseikotohime/audition_net.html
※応募締め切りはネット・郵送ともに2015年5月15日(金)まで

おたぽる

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