石原慎太郎×亀井静香「YESと言わせる日本」提言

5月12日(金)16時0分 NEWSポストセブン

石原慎太郎氏が日本の進むべき道を示す

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 アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長の予測不能なやり合いを見ていると、これまでの国際政治の常識が通じなくなっているのではないか。こんな規格外の時代には、規格外の発想で対応するしかない。日本の現状を憂えた石原慎太郎氏(84)と亀井静香氏(80)、2人の“不良老人”が、大胆提言でこの国の進むべき新たな道を示した。


亀井:私が危惧しているのは、このままでいけば、日本列島の所有権は中国で、日本は借りてる形になるよ。北海道なんて見てみなさいよ。どんどこどんどこ、中国は土地を買ってますよ。本州でも買ってる。日本は中国から土地を借りて生活することになっちゃうんだよ。規制しなきゃ駄目だね。法律では規制できないと言う人がいるが、そんなことはない。日本の国内法で対応できることなの。


石原:だったら、やってくれよ。あなたは現職(の国会議員)なんだから。


亀井:それは私一人でできるわけがないんだから。


石原:総理大臣に影響力を持ってるじゃない。


亀井:確かに、やらないといかんことなんですね、中国は文句を言えないから。だって、日本は中国で土地を所有することはできない。


石原:そうだよな。


亀井:日本は買えないのに、中国だけが一方的に買えるという状況になってしまっている。このままでは土地も水も全部占拠される可能性があるよ、中国に。


石原:ただ、中国はそのうち自壊しますよ。中国の若者たちは中産階級になろうとして、田舎から都会に出て行くんだけど、まったく報われていない。だから、大都会から不満が爆発して、崩壊していくね。


亀井:それはそうだろうね。アメリカもこれから国力が落ちていきますよ。だって、大統領がやろうとしていることに、国内はことごとく反対しているでしょう。それでうまくいくわけがない。


石原:それはわからないよ。アメリカという国は侮れない国で、たとえば若者たちが好む遊び道具で、スケートボードとかフリスビーとかウインドサーフィンとか、全部アメリカ発なんだよ。アメリカの発想力やダイナミズムを象徴する例だと思う。日本にはそれがない。日本人には日本人独特の素晴らしい感性があって、それが科学技術に結びついているとは思いますけどね。


 米中に対抗するために、何も韓国や北朝鮮に擦り寄る必要はない。たとえば、日本の人工衛星打ち上げ用のH2Aロケットは4つのブースターを搭載していて、こんなロケットを作っている国はほとんどない。


 ボーイング社の最新機787は、部品の3分の1が日本製で、他に代えがたいとしてボーイング社は“メイド・ウィズ・ジャパン”と謳っている。こうした日本の技術力、経済力を武器に、相手に恩を着せるという立場を保持することですよ。


◆アメリカに「YES」と言わせろ


亀井:あんまりがっかりするようなことを言わないでよ。あなたが精神を抜きに実利で結び合っていけるというようなことをおっしゃるのは、おかしいと思う。


石原:精神って、どういうことよ?


亀井:独立心とか、自尊心とか。まず精神が先。


石原:独立心、自尊心を支えるものは何だよ。やっぱり、日本の国力じゃないか。日本の国力は何かといったら技術力じゃないか。


亀井:それは一流の文学者がおっしゃることじゃない。ソニーやホンダやトヨタの技術者が言うことだ。それだけでは国と国との関係で優位に立てないと思う。


 トランプは下手な鉄砲を振り回して、対日要求も自動車や農業について、強烈なことを言い始めたね。今から戦いが始まる。それに対して、かつて石原さんが言われたように、NO、NO、NO、と。逆に、もっと日本のものを買えってやらないといかんのだ。


石原:僕の『「NO」と言える日本』は、日本人が書いた本ではアメリカで一番売れた。あれは(ソニー創業者の)盛田昭夫さんとの共著だったのに、アメリカで出版する段階で盛田さんが途中で逃げちゃったのよ、ソニーの売れ行きに関わるからって。


 で、結局、僕一人が書き直して出したわけだけど、反響が面白かったよ。そのキャンペーンにアメリカに行ったときに、いろんなことがあったな。


亀井:大変な目に遭った?


石原:いや、すごく歓迎されたんだよ。人種差別に遭っている人たちからね。有名なアメリカの女性キャスターの番組に出たときに、黒人のライトマンがセットしてくれて、そのあとは自分は関係ないっていう顔で目をつぶって聞いてるの。そのときキャスターが、「あなたはアメリカに人種差別があるって言ったけど、どういう根拠ですか?」って言うから、「私はアメリカにたくさん友だちがいます。黒人もいるし、ヒスパニックもいるし、日系人もいますが、彼らに聞いても、アメリカには人種差別があるって、みんな言ってますよ」って言ったら、そのライトマンが突然目を覚まして、おれに向かって笑顔で親指を立てたんだな。


亀井:よく言ってくれたと。


石原:あれは非常に印象的だったね。


亀井:私はね、とにかく「NOと言える日本」じゃなくて、早く「YESと言わせる日本」にならないといかんと思っている。


石原:どういう意味?


亀井:NOというのは、日本が受け身になっているということでしょう。この言葉自体、気に食わない。そうじゃなくて、日本から「これを頼む」と求めて、アメリカに「おう、わかった」と言わせるようにならないといかん。


石原:アメリカにYESと言わせるわけだ。


亀井:そういうこと。対等以上になることを目指すんですよ。何も逆らおうというわけではない。小が大を呑み込むということがあるんだ。安倍総理が本気になってやれば、トランプと金正恩の頂上会談をセットできる。大のアメリカがもて余して困っているときに、小の日本が会談を取りもって、ちゃんとやれと。日本の指示にYESと言えと。


石原:なるほどね。YESと言わせる日本というのはいいな。


※週刊ポスト2017年5月19日号

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