「中村勘九郎さんとは絶対に一緒にやりたかった。幼なじみ役で出演できてうれしいです」勝地涼(美川秀信)【「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」インタビュー】

5月12日(日)20時50分 エンタメOVO

美川秀信役の勝地涼

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 さまざまな困難を乗り越え、一心不乱にマラソンの普及にまい進する金栗四三(中村勘九郎)。これに対して、一緒に東京高等師範学校に進学しながらも、人生の目標が定まらず、悩み続けているのが熊本時代からの幼なじみ・美川秀信だ。第18回では、思いを寄せていた遊女・小梅(橋本愛)の色恋沙汰に巻き込まれ、四三の下宿に転がり込むことに…。四三とは対照的な生きざまを見せる美川を存在感たっぷりに演じる勝地涼が、演技の裏に込めた思いを語ってくれた。



−第18回、小梅の色恋沙汰に巻き込まれた美川は、四三の下宿に転がり込むことになりました。小梅役の橋本愛さんと共演した感想は?

 とても居心地がいいです。撮影が始まる前、メーク室で会って、何かの拍子に僕がぽろっとせりふを言うと、それに合わせて次のせりふを言ってくれたりする。そういういい雰囲気があって。お芝居も思い切りがいいですし。ビンタをされる場面では、リハーサルのときからひっぱたかれました(笑)。おかげで僕もテンションが上がって、やりやすかったです。

−第18回は、四三の日記を巡るスヤ(綾瀬はるか)とのやりとりも見ものでした。

 綾瀬さんのお芝居が絶妙です。真剣に「見たの!?」と聞いてくれたので、僕も「見ましたよ」と返すことができました。面白いシーンだからといって、それを意識していたら、面白くならなかったと思うんです。そこを綾瀬さんがしっかりと言ってくれた。だから美川としても「そりゃあ、読むでしょう」と。でも、美川くんの中でも「見る」「見ない」の葛藤はあったでしょうね(笑)。で、悩んだ揚げ句…見た。そこが美川くんらしいなと(笑)。

−撮影に入る前は、どんな準備を?

 熊本で実際の美川さんのご親族の方たちにお会いしました。皆さん口をそろえて「変わり者だった」と言うんです。でもそれは、「面白い人」という感じで、愛されていた人なんだろうなと思いました。だから、美川くんも愛されるキャラクターを目指しています。天然パーマ風の髪形は、四三さんの丸刈り頭との差別化を狙ったものですが、放送が始まってみたら「(「あまちゃん」で演じた)“前髪クネ男”じゃなくて“全髪クネ男”」だと言われ、妙に納得してしまいました(笑)。

−演じる上で心掛けていることは?

 ご親族の方たちに「自由にやらせてもらっていいですか」と聞いてみたら、「どうぞ、どうぞ」と言っていただいたので、楽しく演じることを心掛けています。「金栗氏」という呼び方も美川独特のものなので、印象付けられるよう、呼び方にバリエーションをつけています。

−美川は、四三とは熊本時代からの幼なじみで、最も古い友人ですね。

 そうですね。でも、冷静に考えると友人として成立していませんよね(笑)。勘九郎さんも「なぜ美川くんと友だちなんだろう?」とよく言っています。でも、そこが同郷ならではなのかなと。東京の学校で出会っていたら、友だちにはならなかったでしょうね。やっぱり、一緒に赤ゲット(赤い毛布。お上りさんの代名詞)を着て熊本から出てきた経験というのは大きい。2人で「これが格好いいらしいよ」と話しながら上京してきたでしょうから…。その姿を想像すると、かわいいな…と(笑)。

−ただ、マラソン一筋でオリンピックにまで出場した四三と違い、美川は悩める青年という感じで、少し距離も出てきたようですが…。

 美川くんの気持ちはよく分かります。僕も、中学生のときから今の仕事をしていますが、始めた頃に同級生と距離が生まれていった感覚を思い出したりして…。四三さんのことは変わらず応援しているのに…。そこに寂しさを感じているんだと思います。ストックホルムに旅立つ前の壮行会に出ず、寂しそうにしている場面(第8回)もありましたが、コミカルに描いている分、逆に切なさが増しますよね。ただそれも、「美川くんのそういう部分を見せたい」と言ってくれる監督たちのおかげなので、とても感謝しています。

−四三役の中村勘九郎さんと共演した感想は?

 同じ時代に俳優をやっているなら、絶対に一緒にやらなければいけない方だと以前から思っていました。平成中村座の公演を見に行ったときも、ものすごく感動したんです。終了後、食事に誘っていただいたのですが、その時点で勘九郎さんは「いだてん」の主演が決まっていました。僕はまだお話を頂いていなかったので、「絶対一緒にやりたい」と思っていたら出演が決まって…。しかも、四三さんの幼なじみということで、とてもうれしかったです。

−勘九郎さんのお芝居から刺激を受ける部分はありますか。

 中村獅童(金栗実次役)さんもそうですが、歌舞伎俳優の方は、幼い頃から基礎をしっかり学んできているので、発声から何からレベルが段違い。本番の集中力もすごいので、とても勉強になります。

−宮藤官九郎さんの脚本の印象は?

 「いだてん」の脚本を書くと決まってから、オリンピックについて相当勉強したはずです。その上、さらに落語という要素を加えてくるところがさすがだなと。しかも、その展開に無理がありません。時代を行き来する構成が複雑だという意見も耳にしますが、かめばかむほど面白くなるような作りになっている。宮藤さんはきっと、ニヤニヤしながら書いているに違いありません(笑)。だからぜひ、一度と言わず、再放送などで二度三度と見て楽しんでほしいです。

−ところで、これからの美川の動向が気になるところですが…。

 どうなるんでしょうね? 僕も知りたいです(笑)。宮藤さんに聞いてみたら、「ちょっと分からない」とはぐらかされてしまいましたが…。ただ、放送を見た宮藤さんからは「美川くんがいいあんばいで効いている」という感想も頂いていますし、もうしばらく出てくることは間違いなさそうです。悩める美川くんが報われることを期待しています(笑)。

(取材・文/井上健一)

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