カンヌ国際映画祭が開幕へ、早川千絵監督「ルノワール」受賞なるか…カズオ・イシグロ原作の「遠い山なみの光」も

2025年5月13日(火)10時51分 読売新聞

カンヌ国際映画祭のメイン会場=木村直子撮影

 【カンヌ=木村直子】第78回カンヌ国際映画祭が13日に開幕する。最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門の出品は22本で、パルムドール受賞歴のある大家をはじめ中堅、新鋭監督が名を連ねる幅広いラインアップで、女性監督の作品が7本を占めた。

 そのうちの一人で、日本から早川千絵監督の「ルノワール」が出品される。1980年代の日本を舞台に、想像力豊かな11歳の少女フキの日常を描く物語。オーディションで抜てきされた鈴木唯が主演を務め、母親役を石田ひかり、父親役をリリー・フランキーが演じる。早川監督は、初長編の前作「PLAN 75」が新人監督に贈られる「カメラドール」の特別表彰を受けており、初参加となるコンペで受賞を狙う。

 また、日本勢では前衛性や実験性に富んだ作品を対象とした「ある視点」部門に、英作家カズオ・イシグロの長編デビュー作が原作の「遠い山なみの光」(石川慶監督)が選ばれたほか、「コンペ」「ある視点」に匹敵する話題作が上映されるカンヌ・プレミア部門に「恋愛裁判」(深田晃司監督)が招待された。

 そのほか、ホラーやアクションなどジャンル作品を集めたミッドナイト・スクリーニング部門で「8番出口」(川村元気監督)、並行開催の監督週間で「国宝」(李相日監督)と「見はらし世代」(団塚唯我監督)がそれぞれ上映される。

 コンペ部門の審査委員長は仏俳優のジュリエット・ビノシュが務める。昨年、審査委員団を率いた俳優で監督のグレタ・ガーウィグに続き、2年連続で女性となった。

 世界で最も権威のある映画の祭典で、各部門の出品作を通じて、異なる価値観や文化への寛容や団結、変革を祝福するなど、よりよい未来に向けて力強いメッセージを発信してきたカンヌ。今年も新たな才能の発掘や、野心的な作品の上映が期待される。授賞式は24日に行われる。

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