橋下徹市長の公務員改革は「クビ切り」自体が目的ではない

5月14日(月)7時1分 NEWSポストセブン

 タバコ1本で懲戒免職。この橋下徹市長による“厳罰”が、話題を呼んでいる。大阪市営地下鉄の駅長室で喫煙し、火災報知器を鳴らして列車を遅らせたとして、駅助役を免職にする考えを示したものだ。


 さすがにタバコ1本での免職は例がないが、「相当、緊張感がない。裁判闘争も辞さず」とする橋下氏。狙いはどこにあるのか? かつて勤務先の特殊法人の公金浪費などの実態を内部告発し、その経験から公務員や天下り法人の問題を追及し続けているジャーナリストの若林亜紀氏が分析した。


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 橋下氏が実行してきた改革の中で、彼の行政改革・公務員改革の“手法”を示す象徴的な例が2つあります。


 1つは、「補助金カット」です。橋下氏は、府知事就任後に財政健全化を掲げ、府出資団体への補助金などを1500億円以上もカットしました。「大阪センチュリー交響楽団」には、以前は年間4億円あった府からの補助金が、2009年度に7割カットになり、10年度はゼロになりました。職員が“年収1000万円”として批判された「国際児童文学館」は、閉館して中央図書館へと蔵書を移管。その他、多くの天下り団体への補助金がカットされました。


 2つめは、府職員の給与削減です。給与、ボーナス、退職金など平均10%程度の削減を断行。さらに通勤手当や管理職手当を見直しています。


 こうした改革が行なわれるたびに派手な見出しがメディアで躍るので、いかにも“リストラ役”のイメージがありますが、実際は違います。


 まず、「クビ切り」それ自体が、橋下氏の目的ではありません。彼は地下鉄の駅長室で喫煙して列車を遅らせた助役を免職にする方針を示しましたが、そうした“不良役人の懲戒”は別として、リストラ目的での大量クビ切りはしていないのです。


 補助金を減らした結果、徐々に天下り法人から役職員が減っていくことを狙っているのです。補助金カットだけでも大きな反発があったのだから、強引な大量リストラをすると、改革が進まなくなるほどの混乱を招くと分かっているのです。


※SAPIO2012年5月9・16日号

NEWSポストセブン

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