大石静氏 今の時代は「壁」が少ないため恋愛ドラマ難しい

5月14日(土)16時0分 NEWSポストセブン

『コントレール~罪と恋~』の脚本を担当する大石静氏

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 40代の女性と、夫を殺した男との禁断の恋を描くドラマ10『コントレール〜罪と恋〜』(金曜22時〜・NHK総合)が注目の的だ。


 脚本を担当している大石静さん(64才)は、いうまでもなく、『セカンドバージン』など、数々のヒット作を手がけてきたラブストーリーの名手だ。そんな彼女に、今、禁断の恋を描く胸の内を聞いた。


「タブーもなければ欲望も薄い今という時代にラブストーリーを書くのはむずかしい」


 そう、率直に言う大石さん。


「今って、恋愛を阻む困難もないじゃないですか。昔なら恋人に電話をしても、まずは親が出て取り次いでもらわなければならなかったし、待ち合わせをしても会えないことだってありました。でも、今は、どこにいても電話やメール、LINEですぐに連絡が取れるから、ふたりの壁になるものが少ないんです。


 だから、ドラマにはなりづらい…。それでも、あえてラブストーリーを描いているのは、人間の本質に迫りたいという思いがあるからです」


 主人公の文(石田ゆり子)は、無差別殺人事件で夫を失ったシングルマザー。その夫が不倫していたこともわかり、苦しみに沈む。そんな中、かつて夫を殺めてしまった瞭司(井浦新)と、それとは知らず、激しい恋に落ちる。


 先の読めないスリリングな展開に、一瞬も目が離せない。そんなドラマチックな物語は、ドラマのセリフを忠実に再現したノベライズでも味わえる。大石さんがいう「タブー」というのは、ドラマの発端に描かれた無差別殺人だ。


「このところ無差別殺人事件のニュースを、よく耳にしますよね。それで、これをきっかけに何か書けたらと思っていたのですが、“ドラマ10の枠で”、という依頼を受けて、ぐぐっと煮詰まったんです」


 同じ枠でこれまでにも大石さんの作品は、『セカンドバージン』(2010年)、『ガラスの家』(2013年)と大きな話題を提供してきた。したがって今作はシリーズ第3弾となる。


 『セカンドバージン』では17才年下の男性と恋に落ち、その年齢差におびえる女性を、『ガラスの家』では再婚相手の息子と禁断の恋に落ちる女性をヒロインに設定し、大きなタブーの前に、愛とは何か、ひいては生きるとはどういうことかを、視聴者に問いかけてきた。


「恋愛って、甘美でもあるけれど、試練もあると思うんです。なぜなら恋愛って、自分が人生で何を選択するかを、突きつけられるじゃないですか。そういう意味で、ただ甘美なだけとは違う。若い時の欲望に任せた恋や、おいしいものを食べて、軽くエッチするだけのような上っ面な恋もあるけれど、人生の憂さを知り、生きることの哀しさを知った大人の恋は、より切実です。まして、誠実に、深く愛し合うともなれば、楽ではないと思います」


※女性セブン2016年5月26日号

NEWSポストセブン

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