【2.5次元】太田基裕が語る俳優論「役者は空間とそのときの記憶を提供する仕事」 舞台「囚われのパルマ−失われた記憶−」インタビュー

5月14日(火)15時9分 エンタメOVO

ハルト役の太田基裕

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 2016年に配信が開始されるや、恋愛ゲームに興味がなかったという女性をも次々と魅了した大人気体感恋愛アドベンチャーゲーム「囚われのパルマ」がついに舞台化される。主演のハルト役を務めるのは、ミュージカル『刀剣乱舞』の千子村正役などで知られる太田基裕。原作のゲームでは、孤島を舞台にした記憶喪失のハルトとプレイヤーである「あなた」が出会い、心と記憶をひも解いていく物語が展開するが、舞台ではハルトが「あなた」に出会うまでのビハインドストーリーを描く。太田に公演に懸ける思いや役作りについて聞いた。



−ゲーム原作の舞台は多数ありますが、ビハインドストーリーを描くというのは新しい試みですね。出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

 (原作は)非常に人気のあるゲームだと聞いていましたし、かなり注目されているコンテンツだということも知っていたんで、まずはオファーを頂けたことがうれしかったです。その後にビハインドストーリーになるということを聞いて…驚きました(笑)。詳細が原作には描かれていないという点では、難しさもあると思いますが、同時にやりがいもあると感じました。

−ゲーム原作の舞台の場合、どのような役作りをするのですか。

 そもそも、台本を書かれている脚本家さんは、ゲームをプレーして、その魅力をよく分かった上で描かれていると思うので、僕は脚本に書かれた文字から読み取る感覚的なものを大事にしています。どういうキャラクターにしたいかという方向性は、すべて台本に書かれていると思うんです。なので、台本から想像を膨らませて役を作っていきます。

−なるほど。それはゲーム原作に限らず、例えば漫画やアニメ原作でも同じですか。

 はい。もちろん、原作には参考になることもたくさん書かれていますよ。でも、それが全てだと思うと決めつけになってしまうし、原作を意識するあまり感情のつながりが分からなくなってしまうこともあるので、自分の軸をしっかりと持って、キャラクターを自分に寄せながら広げて作っていくことが僕は多いです。

−ハルトは大手製薬メーカー「シーハイブ製薬」の研究員という設定です。ビジュアル撮影では、白衣姿も見られましたが、これまで白衣を着るような役はありましたか。

 雑誌の撮影で着たことはありましたが、役としてはないので、新鮮です。でも、白衣を着るってことは、すごく難しい単語がせりふにいっぱい出てきそうで、ちょっと怖いです(笑)。

−太田さんはミュージカル出演の経験も豊富ですが、ストレートプレーとミュージカルで作品への向き合い方が変わったりしますか。

 演じる側としては、違いはないんですが、でも、お客さんとして来場した場合には、ミュージカルの場合には歌やダンスがあって華やかな作品に思えますよね。ストレートプレーの場合は、そういう一瞬で華やかな世界にできるものがないので、感情の流れで引き込まないといけない。いろいろな仕掛けをしないと飽きさせてしまうと思うので、視野が狭くなり過ぎないようにしたいなとは思っています。

−2.5次元とオリジナル作品では、演じる上での違いはありますか。

 基本的にはないですね。ただ、2.5次元の場合は、ルックスは奇抜なものが多かったりはするな、とは思いますが(笑)。でも、その奇抜な格好をなじませていくという作業も楽しいですし、それは2.5次元の作品の面白さかなとは思います。

−太田さんご自身のことについても教えてください。今、ハマっていることやお休みの日にしていることは?

 ここ最近は、パーソナルトレーニングに通っていて、それが今の一番の楽しみです。トレーナーの方にいろいろなことを教えてもらい、無駄な会話もしながら、ウエートトレーニングをするんですが、すごく充実した時間を過ごしているなって思ってます。

−それは役作りや仕事があって通い出したんですか。

 いや、全く仕事とは関係ないです。リフレッシュできるかなと。

−体を動かすのがお好きなんですか。

 超嫌いですよ(笑)。でも、パーソナルトレーニングは予約したら絶対に行かなきゃいけないんで(笑)。

−では、太田さんが役者を目指したきっかけを教えてください。

 高校生の頃から韓国映画やドラマが好きで、それを見て俳優に憧れるようになりました。でも、そうは言っても踏み出し方も分からなくて…ミュージカル『テニスの王子様』のオーディションを受けて、合格させてもらったことで、俳優としてスタートできました。

−舞台の面白さはどこに感じていますか。

 生ものなので、毎回、いろいろなアクシデントがあるし、自分の状態を整えてから出ようと思っても完全には整えられないこともある。そんな揺らぎみたいなものが出るのが舞台だと思います。お客さんも毎公演違うので、その日によって空気も違う。そういったものを常に敏感に感じながら、舞台に立つことは、緊張感があり、怖くもありますが、刺激にもなります。その日、その瞬間に、自分が生きていることを感じられるんですよ。もちろん、それだけでなく、カーテンコールで頂ける拍手も、お客さんたちが楽しそうにしている顔を見ることもうれしいですし、この仕事をしていてよかったと思う瞬間でもあります。役者は空間とそのときの記憶を提供する仕事だと思っています。それがお客さんに届いたと感じたときが一番のやりがいです。

−最後に、公演への意気込みを。

 今回は、はじめましての役者さんも多いですが、カンパニーみんなでいい関係を作り、学ぶべきことを学びながら作品を盛り上げていきたいと思います。原作ファンの方はもちろん、原作を知らない方でも楽しめるような人間ドラマをしっかりと作り上げていきたいと思っているので、ぜひ劇場に気軽に遊びに来てください。

(取材・文・写真/嶋田真己)



 舞台「囚われのパルマ−失われた記憶−」は、6月22日〜23日、大阪・サンケイホールブリーゼ、6月27日〜30日、都内・シアター1010で上演。
公式サイト https://palm-stage.com

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